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大阪府 緊急事態宣言の発出 国に要請することを決定
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
いまあるワクチンを全部大阪に集中投与するぐらいのことをしなければ変異株は拡散する。戦略的な思考がどうしてできないのか?
日米声明に「台湾安定」明記 首脳初会談、ウイグルに懸念
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
台湾有事について、日本人はあまりピンと来ないかもしれないが、アメリカにとって太平洋の覇権は絶対(!)に譲ることができない事柄なのです。
1898年に米西(スペイン)戦争に勝利したアメリカは、スペイン領土であったフィリピンを領有し軍事拠点を置きます。
ところがその後、1905年に日本はロシアのバルチック艦隊を破り日露戦争に勝利した。そうなると海軍強国となった日本はその気になればいつでもフィリピンの米軍を襲うことができる。ハワイの米海軍本体が駆けつけるには時間を要するためフィリピンの軍事基地は陥落するというシュミレーションした。それがアメリカが日本を仮想敵国とするオレンジ作戦だった。
逆にこの想定があったから後に太平洋戦争開戦時に、山本五十六連合艦隊司令長官はハワイの米海軍本体を先に叩いておこうとした(以上の詳細は拙著『黒船の世紀』(角川ソフィア文庫)をご参照ください)。
冷戦が終わった1991年、太平洋は安泰と判断したアメリカはグァム基地を残し(戦後、沖縄基地を獲得したこともあり)フィリピンの基地を放棄し撤退した。それから30年近く経つ間に予想を上回る中国の経済成長と軍事力強化により南沙諸島、尖閣列島をはじめ太平洋におけるプレゼンスが高まった。
当然、アメリカは独裁色を強めた習近平政権による台湾有事を想定している。その場合、戦前のオレンジ作戦同様、ハワイはじめ北アメリカから西太平洋は遠い。現代の時間稼ぎは近くにある日本国(自衛隊)の協力を仰ぐしかない。こうした20世紀から続く地政学的な課題がつねにアメリカの太平洋の覇権にはつきまとう。
バイデン大統領が本気なのは彼個人というより太平洋の覇者アメリカそのものが脅かされているという伝統的な認識の覚醒と考えてよい。日本もまた歴史的な経緯から他人事ではないことを忘れてはならない。

【定点観測】電池ウォーズは「この3年」で、どう変わったか?
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
トヨタ発明のHVプリウスがデビューしたのが1997年、世界初のEV量産車ニッサン・リーフは2010年、おっと忘れていたが2009年に三菱iMievも出ていた(2021年3月生産打切り)。日本はEVの世界をリードしかけた。その後どうなったか。テスラや中国車に抜かれ引き離され見る影もない。
電池も、もともとは世界をリードしていた。EVの増産を見合わせた日本の自動車メーカーにも責任があるが、EVという新製品に興味を示さない、まったりした日本の消費者の鈍さにも責任がある。電池で存在感を示したのはパナソニックのみ。だが先日、日本に届いた上海製テスラを購入したが電池は中国CATL製だった。
プリウスはラテン語の「先駆け」からとった。そのトヨタがハイブリッドにこだわりすぎてEV進出で「出遅れた」ことが電池戦争にも影響を与えてしまったのだと思う。日本のメーカーにも消費者にも欠けていたのは気候変動に対する哲学の欠如、世界がどこへ向かっているか見えていなかった。
高齢者へのワクチン優先接種始まる 初日は約120か所予定
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
ワクチン接種は戦略的に展開すべきだ。全国に薄く広くでなく、東京圏と大阪圏に集中的にやれば、火が燃え盛る場所に消火器のノズルを向けたことになり、地方への感染の拡がりを防ぐはずだ。
なぜ、薄く広くなのか。政府・厚労省の方針がどのように決定されているのかの説明がない。メディアには不透明な意思決定のプロセスを検証する義務がある。
これでは第二次大戦におけるガダルカナル作戦と似てきてしまう。失敗の本質は、戦力の逐次投入にあった。戦力を戦略的観点から必要な場所に集中せず薄く広くばら撒いてしまったことが敗因に繋がった。その反省が今日に至っても教訓化されていないとなれば、これはもうリーダーシップが欠如した日本の官僚的組織における意思決定の性(さが)としか言いようがない。
せめて最前線で戦う大都市圏における医療関係者だけでも一刻も早く接種を完了させて欲しい。
EV充電器、日本では足踏み フランスは人口比で3倍
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
菅首相が昨年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」をして以来、日本の産業界の意識も大きく変わりつつある。というよりようやくヨーロッパで起きているエネルギー革命の激流にはじき飛ばされまいと慌て始めた。
この流れに個人としても当事者意識で向き合う必要がある。
僕は11年前に太陽光パネルを設置した。最近、テスラを購入した。
日経「EV充電器.足踏み」は充電器の普及が欧米より遅れている現状を指摘したものだが、グラフを見ると2017年からまったく足踏み。理由は2013年から2016年まで補助金が潤沢だったのに2017年以降は減らして逆行してしまった。充電器が普及しないとガス欠ならぬ電欠になりEVは普及しない。
テスラについてチェックするために遠出のドライブを試みた。東京から東名御殿場インター経由で山中湖まで走ってみた。途中のSA.PAに充電器があるのを確認。SAよりも閑散としているPAのほうが利用しやすいだろう。400kmの満充電表示でスタートしてほぼ半分の200km分を消費して目的地へ着いた。
山中湖からの帰路、この電池残量では西麻布まではギリギリの計算になる。行きの行程でSA.PAの急速充電器の存在を確認したが充電はしていない。日産リーフとの互換用のチャデモを積んでいるので、SA.PAでも困らないのだが、連休などでは注意が必要なのかもしれない。
テスラの場合は、スマホにテスラアプリがあり、近くのテスラ充電器・20分で完了のスーパーチャージャーの利用状況がわかる仕組みになっている。
アプリを確認したら御殿場のコメダ珈琲店駐車場にあるスーパーチャージャー6基のうち4基が利用中だ。土日の夕方だから混んでいるが、こうしてスマホのアプリで表示するのがテスラの凄いところで日本のメーカーはエンジンを電動にすればよいと思っているだけの意識なのでまったく遅れている。
石炭火力の輸出支援停止へ 政府、脱炭素で米欧と歩調
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
真相はこうだ。
日本の石炭火力は技術力の高い高効率石炭火力だと銘打って新興国に輸出していたが、中国勢に品質面で追いつかれ価格面では完全に負けてしまい競争力を失っていた。直近ではベトナムのブンアン2というプロジェクトは、日本の国際協力銀行JBICが金融支援にあたっているのに中身は中国製の石炭火力という始末。いったい何のためにの金融支援なのかと呆れてしまう実態になっている。しかも金融機関としてイギリス系も香港系を脱炭素のために批判を気にしてブンアン2から撤退したが、日本の民間銀行は護送船団でJBICにくっついている。
日本は高効率石炭火力を国内でもつくろうとしているが、COP25で化石賞をもらうなど時代に逆行の批判は日を追うごと激しくなってきた。しかも「高効率」といえば聞こえはよいが、従来型の火力発電より効率が10%弱しか向上しておらず同じ火力発電でもLNG火力の2倍の炭素を放出する。石炭火力輸出支援停止は、すでに1年前、小泉環境大臣と梶原経産大臣の話し合いで決めたものだが、小さな記事だった。いまごろ日経が慌てて一面トップで取り上げるのは菅首相とバイデン大統領との首脳会談があるからだろう。

【猪瀬直樹】五輪組織委員会を「密室」から解放せよ
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
森喜朗が組織委員会の会長にふさわしいがどうか、今回の発言に限らずこれまでにもその不適格性のシグナルは幾度も発信されていた。
にもかかわらず2020東京のお裾分けに預かる立場のメディアは、あえて触れないばかりかむしろ“森タブー”を強化する側に回っていたのである。
公益認定法人である組織委員会は、理事会の議事録を公開していなければならないが、その議事録たるやまことにお粗末なしろものに過ぎず、何を話し合い何を決定してきたのか理事個人個人の存在感・役割がほとんど希薄・不明である。
2020東京の開催の前だからこそ、新しい会長の下、組織委員会に自浄作用が発揮される機会を得たことは不幸中の幸いではないかと思います。
来年のいまごろ北京で2022冬季五輪が開かれています。森喜朗問題をきちんと片付けてこの夏、コロナ禍で1年延期になった2020東京大会を何としても成功させなければなりません。
【追記】
もう少し早い段階でこの問題を明らかにすべきとのコメントがありますが『東京の敵』(角川新書 2017年1月刊)に詳しく記述していますので参考にしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4040821289
森会長の発言、トヨタの価値観とは異なり誠に遺憾=トヨタ社長
猪瀬 直樹作家、元東京都知事
すっかり忘れられているが、トヨタの豊田章男社長は2015年末に組織委員会の副会長を突如やめている。
「組織委員会のヨレヨレの体たらくが理由…会長の森喜朗元首相の老害的妄言をはじめとする横やりに右往左往状態…」
https://www.j-cast.com/2016/01/10254870.html?p=all
明後日金曜日の組織委員会の懇談会は理事35人が出席する。森喜朗発言問題を話し合うが、誰も森喜朗辞任を言い出せないだろう。自由に発言できない会議なら開いても無駄だし、そもそもそのような組織に役員として参加する意味はあるのかだ。豊田章男社長は、だから憤然と去ったわけである。

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