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金融・経済

【核心】コロナとの「経済戦争」の先
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
第二次世界大戦の戦勝国は米国でした。戦後まずIMF体制の下でドルを基軸通貨にして、GATT体制下で国際的な自由貿易圏をつくることで、米国企業は多くの産業で世界最大のシェアを取りました。ソ連は、衛星国をたくさん確保しましたが、本当のところ、国民の実利とはいいがたいものでした。一方、日本は、敗戦しながらも、本土が分割されることもなく、ドラスティックな社会経済改革が進み、米国のサポートに回ることで、国民経済は急成長を遂げました。  第二次世界大戦では、それまでの植民地を前提としていた経済が崩壊し、植民地宗主国の経済は壊滅し、ポンドもフランも国際的な基軸的通貨としての地位を失いました。  今グローバルな経済面で起きていることは、 ①サプライチェーンの破綻と労働力移動の停滞 ②通貨の下落 ③需要と生産の低下 です。①は、日本にも大きな打撃であり、タイやマレーシアで経済活動が長期に渡って停止すれば、非常に多くの日本企業が影響を受けるでしょう。日本を含め外国人労働者に依存している産業は、生産が滞るでしょう  ②は、円はむしろ上げていますが、ほどんどの通貨はドルに対して下げており、特に産油国などの資源国は深刻です。対外債務の返還が困難になるでしょう。  ③は、経営破綻する企業は世界中で出ますが、特に東南アジアや南アジア、アフリカは焼け野原のようになるでしょう。  第二次世界大戦直後、米国は焼け野原となった世界中のマーケットで、IMFやGATT体制、マーシャル・プランやGHQ指令によって、シェアを確立しました。そして世界で圧倒的に最大のGDPを確立しました。  要は、焼け野原になった世界中のマーケットに乗り込んでいってシェアを取った国が戦勝国です。その構想と、実行できるだけの政府の体制と、体力・資金力があるかどうかです。その機会を虎視眈々と狙っている国は、中国以外には無いでしょう。しかし、中国が、第二波感染も早期に克服してそれだけの体力が残るかというと、むずかしいところです。
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