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総務省ら「AI事業者ガイドライン」を公開。AI活用事業者に向けた指針策定
PC Watch
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
いよいよ国内でのAIガイドラインが公開になりました。生成AIの隆盛を踏まえ、総務省・経産省の既存ガイドラインが統合されたもので、今後重要な位置付けになることから、文字上限の限りで主要なポイントを抜き出し所感を添えてみたいと思います。 ●<位置付け> ・EUのように厳格なものではなく、活用促進の意向が読み取れる(「リスクの低減を図るとともに、AI のイノベーション及び活用を促進し」) ・法的拘束力はなく、企業努力に委ねられる(「非拘束的なソフトローによって目的達成に導くゴールベースの考え方で策定」) ・現時点で定まったものではない(「マルチステークホルダーの関与の下で、Living Document として適宜更新を行うことを予定」) ●<対象> 大きく3つの主体を対象 ①AI開発者=AIシステムを開発する事業者(データ提供者は含まれない) ②AI提供者=AIシステムをアプリケーション、製品、既存のシステム、ビジネスプロセス等に組み込んだサービスとして利用者に提供する事業者 ③AI利用者=事業活動において、AIシステム又はAIサービスを利用する事業者(事業活動以外でAIを利用する者は含まれない) ●<共通指針> 「すべき」「期待される」「重要」など、推奨的なトーンに留まる ・人間中心(憲法が保障する又は国際的に認められた人権を侵すことがないようにすべき) ・安全性(ステークホルダーの生命・身体・財産に危害を及ぼすことがないようにすべき) ・公平性(特定の個人ないし集団への人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の多様な背景を理由とした不当で有害な偏見及び差別をなくすよう努める) ・プライバシー保護(プライバシーを尊重し、保護することが重要である。その際、関係法令を遵守すべき) ・セキュリティ確保(不正操作によってAIの振る舞いに意図せぬ変更又は停止が生じることのないように、セキュリティを確保する) ・透明性(AIシステム・サービスの検証可能性を確保しながら、必要かつ技術的に可能な範囲で、ステークホルダーに対し合理的な範囲で情報を提供することが重要) 以降、各主体ごとに共通指針に基づく事項に落とし込まれています↓ https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240419004/20240419004.html
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マンダム、パッケージデザインに生成AI 1週間で40案 - 日本経済新聞
日本経済新聞
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
商品パッケージデザインは、生成AIとの相性の良い分野の一つです。とくに廉価なコモディティ商品群は、回転が早いことからスピーディーなデザイン考案が求められるため、より生成AIの効力が発揮されやすいのだと思います。 またこのマンダムの事例の「1週間で40案」という数字がリアルでいいですね。生成させるだけであれば数百でもできると思いますが、”色みなどを示す単語を入力するなどし、画像生成を何度も繰り返した”とある様に、売れるデザインであるためには、AIと人との協働がやはり欠かせず、それくらいの数がやはり限度なのだと思い知らされます。 「たくさん生成させる」ということと「良いものを生成させる」ということの間にはまだまだ大きな開きがあるのが現状のAI技術で、ビジネス価値を発揮するためには人の感性が欠かせないことに気付かされます。 ※本筋と全く関係ないですが、「依頼から入稿まで3カ月ほどあるのが通常のスケジュール。しかし、今回は約1カ月半しか確保できなかった」という事態になっていることは根本的な話として、ちょっといただけない気がしています。。下請けの立場的にはかなりきついのでは。。
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【5分解説】OpenAI日本進出。アルトマンの「右腕」が語ったこと
NewsPicks編集部
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
日本は残念ながら世界に対してLLM開発で遅れを取っているのが現状です。直近ではソフトバンク、NTT、KDDI、楽天など大手通信キャリアが、それぞれのアプローチでLLM提供・開発に着手していますが、ChatGPTがマーケットインされたのが2022年11月であることを考えると、2年弱の遅れがある状況です。 さらにアジア圏で見ても、日本は、中国、韓国、シンガポールなどよりもAI全般の研究開発力で後塵を拝しているとする調査が複数報告されています。 こうした国内でのAI・LLMの開発状況の遅れが新規参入者であるOpenAIにとってはチャンスであること、世界的にみれば日本はある程度有望なマーケットであること、また人口に対するChatGPTのユーザー割合が高いことなどを踏まえると、 OpenAIの高い技術力をもって日本語用に強化された専用LLMを開発し、早急に市場展開することができれば、一気に国内での地位を確固たるものにできる可能性はありますし、国内だけでなく、世界的な存在感の醸成にも貢献するものと想像されます。 もちろん現時点でもOpenAI・ChatGPTは、世界で最もユーザーの多い生成AIサービスだと言えますが、一方で、米AnthropicがGPT-4.0(ChatGPTのベースなっているAIモデル)よりも精度が高いとも言われるClaude3を先日発表したほか、Google、Meta、AmazonなどのITジャイアントも引き続き生成AIの開発には注力をしていることなどから、OpenAIにとって安心できる状況とまでは行っていないのでしょう。 技術開発の面での加速に加え、ドミナント方式的に世界各地でユーザーをスピードをもって囲い込むことで、生成AI界での地位を確固たるものにしていく、その足がかりの一つが日本市場であると考えられます。
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OpenAI、東京オフィス開設--3倍高速な「日本語特化型GPT-4」も発表
CNET Japan
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
2023年6月のロンドン、9月のダブリンに続き、3つ目のOpenAI海外拠点が東京に、アジア初として開設されることが正式に発表となりました。 CEOサム・アルトマン氏による昨年4月の訪日で、岸田首相との会談の際に交わされた約束を果たすことになるわけですが、その開設背景には我が国ならではのいくつかの特徴があってのことと考えられます。 その内の一つが規制・法整備の観点で、昨今の生成AIの普及とリスク拡大に伴って、各国でAI開発・利活用に対するルール整備に向けた検討が進められているわけですが、人権保護を優先に厳格な法整備を決定したEU、ルール化を進めながらもやや企業優遇のスタンスを取る米国などの先進国に比べ、日本はルール策定が遅れていることに加え、緩和的な方針を取ることが言われています。 具体的には、内閣府・AI戦略会議で議論されているのは”法案”ではなく”ガイドライン”であり、つまり法的強制力は持たず、開発企業・利用企業の努力義務に留められる方向であること、またその内容も、文化庁での議論内容を踏まえると、これまで日本が「機械学習パラダイス」と呼ばれてきた主要因になっている著作権30条の4を改正するものではなく、確かに著作権侵害にはより配慮はされつつも、これまでの開発・利活用事業者への優遇的な環境を踏襲する方向にあります。 つまり、OpenAIにとっては、他国に比べて比較的緩和的かつ柔軟な環境であり、 英語以外の特定言語に特化したLLM(大規模言語モデル)を開発しやすい環境的メリットがあると考えられます。 加えて、事前の報道でOpenAIはこのガイドライン策定にも関与していく意向があることが報じられています。振り返ると、世界初のAI法案がEUで可決されたのが2023年3月、その直前のタイミングでロンドン・ダブリンの拠点開設が開設されていたことと今般の状況は似ており、ガイドライン施行前のタイミングで拠点を開設し、規制整備の面でも国際リーダー的な存在になっていくことも狙いの一つのように思われます。
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“機械学習パラダイス”…AI学習し放題に歯止め、文化庁など業界に指針
ニュースイッチ
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
これら生成AIと著作権に関する議論は継続的に行われていることから、開発者、ユーザー、アーティストいずれの立場でも、慎重に見て行くことが必要です。 記事タイトルは「AI学習し放題に歯止め」と決定的な表現になっていますが、現段階では"考え"が示されただけであること、また改正を行うべきといった立法を伴う内容ではないことの"考え"も同時に示されていることには注意が必要です。 とはいえ、以下のような議論が行われてはいます。例えば、開発・学習段階において、基本的にアーティストの「作風」はアイデアであることから結果として似たような作風の生成物が出力されてしまうことはあり得るものの、意図的にその作風を模倣させるために追加学習させたり、RAGのような外部データを使う仕組みを構築したりすることは、「享受目的」も併存していて、著作権侵害にあたる可能性がある、などです。 ちなみに、文化庁で行われた審議を整理した「AI と著作権に関する考え方について(素案)」はこちらですが、かなり難解ではあるので、よりわかりやすい整理が待たれるところです。。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r05_07/pdf/94011401_02.pdf
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