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“子どもたち自身が校則を考える” オンラインでシンポジウム
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
改革には何段階かあるのかもしれない。まずは、わかりやすく端的にそこで苦しむ人たちの状況に名前をつけて問題提起することによって、問題の外野にいる人たちに「あ、それそういえば問題だよね」と世論をつくることができる。そういう意味で、ブラック校則、と苦しい校則を名づけて世に明らかにした方々の功績ははかりしれず、とても大きかったんだと思う。
ただそれだけだと、問題構造の内側にいる「正論では片付かない現実に苦労している人たち」にとって、大きなお世話でしかなかったり、問題提起をする人たちのことを「現場感のないエスタブリッシュメントの意見」と受け止めるにとどまり、「じゃあ、君がやってみろっておもうよね」と、静かに冷笑し、現場の苦肉の策の正論を意固地に維持することになる。そしてエスタブリッシュメント側に位置された人には、その現実的なため息は届かない。
すると、エスタブリッシュメントは「古い、遅れた彼らの考えを教育してやらねばならない」という論に展開し、本質が見失われたままわかり合えない。
私はこの学校を応援する「対話型ルールメイキング(校則改訂)」の取り組みを、ここから本格的に再スタートする上で、ハンナ・アーレント哲学を解説した仲正先生のコメントを、最も重要な行動指針とし、取り組みたい。
そうでないと、すでに改革アクセルを踏んでいる一部の人に乗っかってなにかを変え、そのたったの部分的な動きだけでまるで全体が変えられるかのように、語ってしまいそうになるから。
*仲正昌樹先生コメント
自分にとって、一番敵対した向こうの側の論理を理解しようとする。対話はそれをなし得る。
声が大きい人の中には、明らかに感情的な意見を言っている人を見つけ、それに絞って批判し、自分の意見の正当性に安心しようとする傾向があるが、反対意見の中で最も冷静に展開される論理的な意見はどういう意見で、そういう事を言っている人たちはどういう道徳的な原理に基づいていっているのか把握した上でもう一度自分の意見を考え直す。互いに意見は当初と違うものに変わっていく。
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昨日は、岩手県の大槌高校と、広島の安田女子中高の高校生たちと、一緒に取り組んできた先生たちによる「対話的校則リノベーション」の事例シンポジウム。言うより遥かに難しい、現場の葛藤と情熱に、心から敬意を持つ時間だった。
18・19歳厳罰化、起訴後は実名報道可 少年法改正案を閣議決定
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
人を傷つけてはいけないことは言うまでもない。だけど重い罪を犯す人々が、そこに至るもっと前に、その人を取り囲んでいる社会の側に変わらなければいけないことがたくさんあるはずで、まだ保護される対象の未成年者の写真をさらしたり実名報道することは、とかげの尻尾切りを早期に着手することにすぎない。
特に、高校を卒業した後に所属する職場が不安定だったり、家族に頼れないまま未成年としての最後の2年間を過ごす人たちに対して、社会的な伴走機能は薄い。これまで関わってきた、特別な事情がある子どもたちの顔が浮かんでしまうからこそ、「どうかもう少しだけ、あと2年だけでも待ってやってもらえないか」と、涙が流れる。
Dai Tamesue's THINK:原理原則を守り、良い方向に変わっていける国へ
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
根本的に女性蔑視の性差別主義者だったのか?あの森さん発言の瞬間に湧いた感情から冷静さを取り戻しながら感じるのは、ハンナ・アーレントの言う所の「悪の凡庸さ」に似た、「凡庸なバイアス」なのかもしれない、ということ。こんなに世間が騒いでも、たとえ辞任しても、本質的に理解できない可能性がある。彼は彼の社会規範の中で生きている。悪意のない思考停止のまま、周りの忖度の中で、彼の思考停止をアップデートする機会もく、リフレクティブにとられる機会をない。その結果、彼がトップの組織で定めたはずの大会ビジョンを心から理解することができなかったのかもしれない。
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東京2020基本コンセプトの2つ目「多様性と調和」
人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる面での違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合うことで社会は進歩。
東京2020大会を、世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会をはぐくむ契機となるような大会とする。
「教師を再び憧れの職業に」 文科相、検討本部設置を表明
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
喫緊且つ最優先課題だと思います。
1人1台デバイスを配置して、ネット環境を整えても、子どもたちが学ぶには、学びのナビゲーションをする伴走者が必要です。
親がそれを担える家庭で育てば世界中を舞台に選択肢を持てますが、むしろその環境にある人の方が、少数派かもしれない。
敎育は、親以外に近くで子どもたちを見立て、個人、もしくは学級にとって必要な学びを可変的にコーディネートしてくれる人がとても大切です。どんな地方にいっても、それができる先生がいるということが、これまでの日本の教育の最大の強みだったんだと思います。
しかし今は、先生という仕事が選ばれなくなってきています。理由の一つには、この変化の早い時代に、画一的で変化が苦手な集団であるということも、要因かもしれません。
新しい学びをつくっていくためには、これまで「教員の質」と言われてきた前提を疑わなければいけない。例えば、学校で教えたい全ての人に、免許取得のための59単位が全て必要なのでしょうか。様々な業種がそうしているように、学校も多様な経験値を持った人を巻き込めると、風通しが変わるのではないかと思うのです。
「特別免許状や臨時免許状という仕組みがあります」と制度を作る側の方から説明を受けますが、特免は採用側の想像力が必要で、活用実績が少ない。ニーズを持つ側が「どんな人をどんなふうに活用しようか」とイメージすることが難しいのかもしれません。また臨時免許は育休代替とか、免許更新までの一時活用など、あくまで普通免の教員が採用できない場合のための制度として運用されているのが現状です。
現場に「こんな人材が入ったら、例えばこんなことができる」と、現場のリーダーに提案できるような人材プールを例えば国手動でつくり、攻めの姿勢でマッチングし、一定期間でるエラーも寛容に受け止めながら、教育に関わる人の多様性こそを「日本の敎育の質」といえる状態にしていくことが、目指すべき状態だと思うのです
グレタ・トゥーンベリさんら若者が、三菱商事などに抗議。公開質問状も
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
今、特に高校では、子どもたちが主体的にものを考え行動する人になるための、様々な教育プログラムがなされている。今の段階は、生徒たちにに「主体性も知識もたらない」前提で、大人主導で作った舞台に少し考え所をつくるような形でおこなわれていることも多く、私自身も、完全に生徒主体で発議するところからはじめて計画して実行することを支える難しさは、誰よりわかっているつもり。
だけど、そんなのあえて今の若い世代に学校で期待しなくても、私のようなおばさんが余計なことしなくても、この彼らのように、様々なメディアを駆使して大人の当たり前に問いを投げることが当たり前になった世の中は、大人たちはそのオーセンティックな問いを真摯に受け止め、向き合い、未来を対等に語らなければいけない段階に入るということ。もちろん、対等なわけだから「子どもなのにすごいね」ではなく、対等にエビデンスベースで議論し、意思決定に参加させなければいけない。私たちにはその覚悟ができているだろうか。
ここで名前が上がった各社はSDGSへの取り組みを掲げている。中には子どもたちや教育の取り組みも大切にしている企業もある。この機会をどう受け止めるのか、それともスルーするのか、見守りたい。
「下着の色は白」校則で指定、市立中の8割…「廊下でシャツ開け確認」「違反して脱がされた」
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
現在NPOカタリバでは、校則を生徒たち中心に再検討し、弁護士等に伴走してもらいながら刷新していくプロジェクトをすすめています。(経済産業省「未来の教室」実証事業)
そこにあるルールはたぶん、無目的なものはなく、時代ごとの有り様を反映して積み上がってきたもの。ただ、一度決まったものは、たとえ時代や子供たちの様相が変わっても、取り下げると言うプロセスがないため、ただただ、目的もわからず増えていきます。
スクールウォーズが流行った時代の学校感と、いまは、ずいぶん風景がかわりました。今だからこそ、当たり前になってしまっているルールを疑い、みんなで民主的プロセスを踏みながら話し合い、ルールメイキングをしていく機会は、子どもたちにとって、また子どもたちを見守る教員や親たちにとって、大きな学びの題材だと手応えを感じています。
今後5年、子どもの貧困増加 コロナ流行で日米欧41カ国分析
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
ユニセフが高所得な41カ国でこれからさらに、子どもの貧困が増加するというレポートを出しました。元原稿では、コロナ対策の経済政策を、ポストコロナを見据え、特に貧困から子どもを守り、すべての子どもの幸福を守るために設計された包摂的な家族政策を中心に、現在の経済対策を見直すべきと提言されています。
特に、さらに続くコロナ禍で経済が悪化することによる緊縮財政に対して、緊縮財政政策は、子どもへのリスクが高まる可能性があることを前提に、子ども関連の予算は守るべきという点が、重要と思いました。
経済政策は、雇用を生み、結果的に家族を守り、子どもの安心を守ることにつながるので、すべてを直接的な子ども支援や福祉支援に切り替えることが重要とは思いませんが、暗闇が続く社会のはざまで、ひっそりと寂しく過ごす子どもたちの存在に、しっかりと目を見開いて気づいていられる社会でありたいと願います。
ユニセフの報告書はこちらhttps://www.unicef.or.jp/news/2020/0251.html
日本の小中学生、算数・理科は世界5位以内…国際学力調査
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
国際比較をする学力調査には、TIMSS(ティムズ)とPISA(ピザ)と呼ばれる調査があります。今回は2019年のTIMSSの結果が出ました。TIMSSは、学校の理数科目をどのくらい理解できているか、学習到達度(主に知識・技能)を調べるテストであり、また、理数科目を子どもたちがどう捉えているかのアンケートも行われます。一方でPISA「国際学習到達度調査」は、こちらは知識や技能をどれだけ実際に活用できる力が身についているのかが問われるのが特徴です。
どちらが重要ということではないのですが、日本の教育改革においてはPISAが注目されます。しかし、応用的なリテラシーを育てるには基礎知識やそもそもの興味関心が重要です。
今回の結果で着目すべきは、国際比較では理数科目の点数は平均より高い傾向があるのに、「得意だ」思えている子どもたちの割合が国際平均より下回っているという点です。(小学校理科は、得意だと思えている子が国際平均より上回っている)
日本の子どもたちにとって学習が、嫌で自信を失うための行為ではなく、自信を獲得していけるものに変えていけるように、意欲を支えたいものです。
解説の詳細はこちら。https://www.nier.go.jp/timss/2019/point.pdf
山浦未陽監督「空はどこにある」が「田辺・弁慶映画祭セレクション2020」で公開(映画.com)
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
親なら子どもをかわいがって当たり前。そんな世間の常識は、もしかすると一億総監視社会の片隅で生きるだれかを、苦しめているかもしれません。
この映画で描かれた家族は、貧困家庭でもないし、ひとり親でもないし、母親が障害を患っているわけでもない、よくある四人家族。主人公の母親は2人の子育てをしている、仕事ができる風の女性だけど、しかし彼女は、実は子どもの手を握ることができない。そんな母親と子どもが、本音を言えない関係性に悩み、もがきます。
私は公開初日の昨晩、鑑賞してきました。なんというか、この感想を聴衆に何も強要しないドライさに、新しい時代の作風を感じました。
20代前半の若い監督が描く母親像。もしかすると彼女自身が、映画を作るという表現を通して、自らの家族との記憶を丁寧に再構築しているのかもしれないと感じ、その生き方も含めて、作品に見えました。
11/25(水)~28(土) テアトル新宿で連日20:50よりレイトショーで公開。監督が学生時代に制作し、高い評価をうけた『もぐら』と『空はどこにある』の二作同時上映。ゆるふわな中に凛とした強さがある監督のトークショーもきけます。たくさんの人にみていただきたいです。
多様な人材を教育界に呼び込むためにも「わいせつ教師を教壇に立たせない」法改正が必要だ 「ポストコロナの学びのニューノーマル」第22回
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
文科省によると、わいせつ行為等で懲戒免職処分になった教員は、過去最多の282人を記録。実際にそういった行為をはたらく教師が増えたから最多を記録したのか、取締強化の成果として増えたのかは不明だけど、いじめ同様、絶対にあってはならない行為を厳しく取り締まることは、素晴らしいと思う。
今の教職免許法では、子どもにわいせつ行為をはたらき懲戒処分を受けて免許が失効しても、3年以上経過すれば免許の再取得が可能になっている。文科省は制限期間を5年に延長する規制強化を検討しているが、重要なのは制限期間の問題ではなく、病気だと認識し、治療し、完治したのかどうか。そもそも再犯率が高いという前提に立ち、教師としての資質能力基準を満たせないと判断すべきなのではないか。
小児性愛者について、まだ正確にその原因はわかっておらず、先天的なものか後天的なものかに関しても結論は出ていない。もちろん、なりたくてそうなったわけではないし、過去に被虐待経験を持った人が多いという論もあるとも聞く(否定する学説もあるそうで、ここも結論づいてはいない)。
職業選択の自由を与えるべき、犯罪者の社会復帰を社会として支援していくべきという主張自体は賛同するが、小児性愛傾向を持つ人が教職という専門職の果たすべき資質能力の最低基準をクリアしていないんだという前提にたち、教職から別の職業に移行するためのキャリア支援を強化すべきなのではないだろうか。

NORMAL