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小林製薬の紅麹サプリ、摂取後死亡4人に 総会で社長陳謝 - 日本経済新聞
Odake HiroyukiLogomix, Inc. Research scientist, Bioinformatician
ちょっと・・・これはまずいですね。
もちろん因果関係はちゃんと検証されるまでどうこう言うことはできませんが、サプリメントとして使われてきた素材の紅麹が急に、しかも特定の製造ロットで、4人も亡くなると因果関係を疑ってしまいます。
紅麹菌に問題があったのか、製造ラインで不純物が混じったか、いずれにせよ小林製薬には検証の責務があります。
同時に、コエンザイムQ10とかコンドロイチンとか、効果があるとは考えにくい素材が溢れているのがサプリメント業界ですし、これを機に厚労省は健康食品業界にメスを入れてほしいですね。
ちなみに紅麹はモナコリンKというコレステロール低下物質を産生するので、ちゃんとした科学的根拠があります。むしろ医薬品としての規制を適用すべきではないかと思えるくらいに。
「紅こうじ」継続摂取の1人死亡 腎疾患、小林製薬が因果関係調査
Odake HiroyukiLogomix, Inc. Research scientist, Bioinformatician
まだ紅麹菌由来の何らかの毒素が原因と決まったわけではないですが、紅麹菌近縁のバクテリアにはシトリニンという腎毒素を作ることが知られています。サイエンティストとしては毒素が原因とすると考察のしがいがあるので、以下はそうと仮定した場合の話です。誰を批判する目的もありません。
※私はバクテリアの専門家ではありません
興味深いのは、2020年に小林製薬は使用している紅麹菌ゲノムからシトリニンを合成する遺伝子が欠落していることを論文として示し(ref1)、事実今回のサプリからもシトリニンは検出されていません(ref2)。
ということは、紅麹菌にはシトリニンとは異なる別の毒素を産生する能力があり、培養条件等の違いによりそれが発現してしまったという可能性があります。バクテリアは何らかの毒素を作るとき、化学的に似た物質を作ることがあり、それが元の物質と似た生理活性を持つことが往々にしてあります。
仮定(毒素が原因)に仮定(シトリニン以外の毒素が産生)を重ねてしまって最早妄想ですが、これが健康食品である以上、些細な可能性すらあれば規制当局から紅麹菌抽出物全ての販売停止措置が出かねませんね。
ref1
小林製薬中央研究所「紅麹③-1紅麹:ゲノム解析によるカビ毒シトリニン生成不能の証明」
https://research.kobayashi.co.jp/material/benikoji/benikoji_report03_1.html
BMC genomics誌 上記論文
https://bmcgenomics.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12864-020-06864-9
ref2
産経新聞「小林製薬のサプリ、有毒物質「シトリニン」は検出されず 原因成分は「なお不明」」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7d21d393aa8970f1af592f77eab9f736b403348
【朗報】中年太りの仕組みが解明された
Odake HiroyukiLogomix, Inc. Research scientist, Bioinformatician
非常に興味深い研究です。このような脳組織の中でのタンパク質局在はマウス等の動物を用いて研究しなければ分からないことであり、試験管内(イン・ビトロまたはイン・セルロ)では分かりえないことです。こうした知見を得るために動物実験は必要であるという点、世の人々にもご理解いただきたいところです。
実際、調べてみたところMC4Rはヒトにも発現しており、MC4Rを標的とした薬剤はバルデー・ビードル症候群の抗肥満治療薬としてFDAにて承認されています(https://www.m3.com/clinical/open/news/1054933)。※これは特殊な遺伝病ですので、一般的な肥満症に効果があるかは不明です。
ただしげっ歯類のマウスと哺乳類のヒトは神経系だけでなく様々な面で生命機構が異なります。それゆえ、同じような「アンテナのすり減り」がヒトでも生じている証拠は無く(それを確かめる術がないからマウスを使うわけですが…)、いちゃもんをつけるならば、腹八分目にすれば中年太りを避けられるという証拠もないわけです。
よってもうすぐ私からすればエビデンス不足。あと数年で名実ともに中年になりますが、週末、家族と腹いっぱいうまいものを食うという恒例イベントは継続させていただきます。
【解説】認知症の超大型新薬「レケンビ」が投げかける問い
Odake HiroyukiLogomix, Inc. Research scientist, Bioinformatician
この薬は臨床試験の結果が今一つに見えたので「どうせこの薬を使いたがる医者もそんなに居ないだろう」と思っていましたが、MRの頑張りで処方医師を増やせたみたいですね。効果は27%の病態進行遅延で、脳出血のリスクがあり。
完全にこれについては見誤りました。患者さんも医師にも色々な価値観があるんだと考えさせられます。
以下日経新聞から引用
治験開始から18カ月後に患者の認知機能を評価したところ、レカネマブを投与された患者では、プラセボ(偽薬)を投与された患者に比べ、認知機能の低下が27%少なかったという。
米エール大学の神経科医クリストファー・バン・ダイク氏らは、レカネマブの治験で、レカネマブ投与群の約13%に脳の腫れ、約17%に脳出血の副作用が見られたのに対し、プラセボ群ではそれぞれ2%と9%にとどまっていたと報告した。
【登録100万人】リフレ派の異端「高橋洋一」と真面目に議論した
Odake HiroyukiLogomix, Inc. Research scientist, Bioinformatician
私は経済データを分析したことはないですが、何度も出てくる単回帰分析(11:54のもの)に対して正しい理解ができればどちらに分があるか判断できそうなので高橋洋一氏の本を買ってみました。
高橋洋一氏はこの図表に対して「両者は相関関係になっている。相関係数0.50という数字は決して強い相関とは言えないが、こうした関係は他にまずないから、経済成長を説明しうるものだ。(中略)マネー以外にこうした相関関係のものを探すのはかなり難しい。」と述べています。
- 相関関係になっているかどうかは回帰分析時の統計解析により算出されるものなので、この図表では説明が不十分だと思いました。 p-valueを併記すべきでした。個人的にはこのデータには外れ値が多く、大酒記者の言うように単純な二値での相関解析は結構しんどい気がします。高橋洋一氏のこの分析に関しては私も間違っているという気がします。
- 大酒記者は分布が正規分布でないので対数をとるべきとおっしゃいますが、%で示された割合データに対して対数変換を行うことはナンセンスに感じます。ふつう、指数関数的なパラメーターを線形に乗せる目的で対数変換をするものなので、CPUのプロセッサ数とか、倍々に増えたりするものを対象とするならメイクセンスします。確かに対数変換は便利ですが、本質的に意味のないものに適用するのはただの数字遊びです。経済学ではそういうことをするのでしょうか?私が学んできた統計学・生物統計では見たことがありません。
- マネー以外にこうした相関関係のものを探すのはかなり難しい。だからこの相関関係の意味合いが増す。という理屈には違和感があります。この相関関係におけるパラメーターは他の分析のパラメーターとは独立したものであり、そもそも関係ないはずです。認知バイアスではないでしょうか。
なるべく中立的に今回の図表を考えてみました。結果、どちらの言い分も私は納得できませんでした。
【実話】「牛のフン」で無限に走れるトラクター登場
Odake HiroyukiLogomix, Inc. Research scientist, Bioinformatician
「牛のゲップや糞にあるメタンガスを有効活用できればいいのに」という多くの人が思っていたであろうアイデアが現実のものとなって面白いですが、メタンガスを集める過程で消費されているリソースを考慮しても環境負荷はマイナスなのかが気になります。
記事中ではメタンガスを特殊な膜で選択的に回収し、冷却して液化する、とあります。メタンガスの沸点(液化する温度)は-161.6℃であり、二酸化炭素の沸点(-78.46℃)よりもかなり低い温度です。この温度を作り出すのには相当な電力を消費するはずです。
NORMAL
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