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デルタ株“1つの起点から全国拡大か” 国立感染症研究所が分析
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
インドで最初に検出されたデルタ株は、L452R(452番目のアミノ酸がロイシンからアルギニンに変異)を持つため、ACE2受容体への結合力が強く、またHLA-24Aの免疫タイプの人(日本人の約6割)ではウィルスに感染した細胞が免疫細胞に認識されづらくなるため、結果として感染力が強くなります。
ワクチン接種により体内でできた抗体はウィルスに結合して感染を抑制しますが、その抗体のウィルス認識部位がL452R変異により認識されなくなる可能性もあります。ただこれまでの調査では、今のところデルタ株へのワクチン効果はそこまで低下しないとのことです。
ウィルスは常に変異をし続けているため、現在のワクチンが効かない変異が生じる可能性はゼロではありません。ウィルス感染の重症化抑制にはワクチンにより誘導されるIgG抗体が重要ですが、感染を予防するには粘膜免疫系で作られるIgA抗体が重要です。IgA抗体の産生には、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖の発酵代謝により作る短鎖脂肪酸が重要であることが最新の研究で明らかになっていますので、感染予防のためにはまずお腹の調子を整えることが大事ですね。
【音声】腸内環境から整えるヘルスケア
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
腸内環境の重要性について、睡眠や脳機能という観点で話をさせていただきました!裏話をすると、ある程度の流れを決めた台本はあったのですが、後半は台本の内容を割とすぐに消化してしまい「時間があまりそうだけどどうするのかな」と思っていたら、MCのサッシャさんやノイハウス萌菜さんから怒涛のアドリブ質問攻め(笑)。その内容が的確過ぎて驚いた上に、最後は時間ピッタリで脱帽でした。さすがプロです。
腸内環境からヘルスケアを考える重要ポイントのまとめ
①腸内細菌がお腹の中で作る短鎖脂肪酸が健康維持に重要
②腸内細菌から短鎖脂肪酸をたくさん作らせるためにはいろいろな種類の食物繊維を食べることが重要(食は人間の栄養というだけでなく、腸内細菌の栄養でもある)
③個々人で腸内細菌の種類やバランスは異なるのでまず自分の腸内細菌を知ることが重要
④自分の腸内環境に合わせた食生活やライフスタイルをデザインすることが重要
【新】誰もが持っている「天才性」の見つけ方
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
天才性について少し違った視点からのコメントです。
脳腸相関という言葉がありますが、文字通り脳と腸は互いに影響をしあっています。近年の研究で、この脳腸相関に腸内細菌が関わっている事がわかってきました。
腸内細菌がいるマウスといないマウスを比較したところ、腸内細菌がいないマウスは落ち着きがなく、脳の海馬や扁桃体でBDNFというホルモン量が少なくなっていることがわかりました。海馬は記憶、扁桃体は情動反応などコミュニケーションに関係しますから、腸内細菌が脳腸相関を介して脳機能に影響していると言えます。
誰しもが生まれた瞬間から腸に持つようになる腸内細菌。その種類やバランスは人によって異なるので、天才性にも関連するかもしれません。
【完全解説】ゼロから学ぶ、不老長寿の最先端
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
30%程度のカロリー制限がサーチュインという遺伝子を活性化することで長寿になることが、酵母のような単細胞生物からマウスや猿などの哺乳類まで広く明らかになっています。軽めの運動や、NMNやメトホルミンの摂取もこのサーチュイン遺伝子を活性化することで長寿になると考えられています。つまり、老化を遅らせるにはサーチュイン遺伝子を活性化するのが重要ということですが、そもそも何故老化は起きるのでしょうか。
実は老化現象の一端に腸内細菌が関わっている可能性が示唆されています。腸内細菌がいるマウスといないマウスとでは、実は平均寿命が腸内細菌がいないマウスの方が長い事がわかっています。もちろん必要な栄養素を十分に与えたり、生活環境がクリーンな環境であるという条件付きではありますが、そもそもの老化に腸内細菌が関わるのであれば、腸内環境を適切に制御することで老化を防ぐ新たな方法も生み出せるのではないかと思っています。
長寿は良い腸内環境から。
日本人の平均睡眠時間は「世界最短」 ショートスリーパーの割合も最多に
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
日本人の平均睡眠時間が世界各国と比べて最も短いとのことですが、睡眠において重要なのは時間と質の両方です。睡眠の質を上げるために速やかに入眠するには体温を下げることが大事なので、寝る前にお風呂に入って体温を上げてから布団に入るのは理にかなっています。
欧米諸国は風呂文化ではなくシャワー文化なので、入眠と体温の観点から考えると日本人は質の高い睡眠をとっているからこそ、平均睡眠時間は短い可能性もあるかもしれません。
また、最新の研究で腸内細菌が睡眠と関連することもわかってきたので、良い睡眠を得るには単に寝る時間を増やすだけでなく、腸内環境を整えることも大事です。
【桜花賞結果】ソダシがレコードで無傷5連勝! 史上初、白毛馬のクラシック制覇!
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
白毛馬によるクラシック制覇は史上初の快挙とのことです。白毛はアルビノとは異なり、メラニン色素の生合成が出来ないのではなく、メラニン色素を作る細胞の数自体が少ない個体です。これは馬の遺伝子変異に起因しますので、白毛は先天的に決まります。
桜花賞は1,600mなので瞬発力と持久力の両方を兼ね備える必要があると思いますが、実は最新の研究で腸内細菌が作る短鎖脂肪酸が持久力増強に関与していることがわかってきています。
毛色は馬の遺伝子で決まりますが、桜花賞で勝利するには馬の遺伝子だけでなく、騎手の力や調教師の調教方法、厩舎の飼育環境だけでなく、実は馬の腸内環境も一役買っているかもしれません。ソダシの腸内環境を調べてみたいものです。
科研費4位、トップ10で唯一の地方私立 新潟医福大、躍進の理由
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
科研費は文部科学省の競争的資金で、公的研究機関や大学などでの研究を支える重要な研究費です。新潟医療福祉大学が、スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野において、2018〜2020年度の新規採択件数の累計で第4位に入ったとのことです。
いかに研究費を獲得するかも重要ですが、その研究費を活用してどのようなサイエンスを実施し、人類の叡智につながるような発見を生み出せるかどうかも重要だと思います。
科研費のような競争的資金の獲得が良いサイエンスにつながり、そこから生まれた成果がいつか人類の役に立つことが、基礎研究の重要な点だと思います。
若い頃に砂糖を摂取し過ぎると脳の記憶機能に悪影響が出ると判明、鍵は「腸内細菌」か
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
離乳後の仔ラットの飲み水に果糖とブドウ糖を11%添加して1ヶ月間飼育すると、ラットの海馬の機能が低下するとのこと。その際に腸内細菌の一種であるParabacteroides属細菌が増加したため、成ラットにこの菌を経口投与したところ同様に海馬の機能低下が認められたことから、Parabacteroides属の腸内細菌が海馬の機能低下に関わることが明らかになりました。
脳と腸は迷走神経でつながっており、またホルモンでもやりとりをしているため、腸からの司令が脳に作用することは以前から知られていました。そういった観点から「腸は第二の脳」とも呼ばれていましたが、今回の研究でParabacteroides属の腸内細菌が腸を介して脳の海馬に影響することが明らかになったことから、腸内環境を制御することで脳機能を改善できる可能性が出てきました。一方、Parabacteroides属の腸内細菌がどのように腸に作用して海馬にまで影響するのかの詳細は明らかでないため、今後の研究成果が期待されます。
今回の研究成果とは逆に、海馬の機能を増強する腸内細菌が見つかれば、ジーニアスプロバイオティクスとして活用できるかもしれませんね。
風邪や急性化膿性鼻炎に対する抗生物質の利点がないって話
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
抗生物質は主に細菌をたたく薬剤であるため、ウィルスが原因である風邪には抗生物質を処方しても意味がないことは以前から言われていました。本研究ではシステマティックレビューという分析手法により、風邪の患者への抗生物質投与を実施した11報の研究論文を評価し、効果が無いことを証明したということです。さらにこの研究では、抗生物質投与が風邪の治療効果が無いだけでなく、副作用が起きてしまうことも示しています。
抗生物質を経口摂取すると、実は腸内に生息する腸内細菌にもダメージを与えてしまいます。腸内細菌叢のバランスが崩れると免疫力の低下や肥満など、様々な悪影響があることも知られていますので、抗生物質を摂取する際は注意が必要です。ただし細菌感染症などの場合は抗生物質治療が必須ですので、治療後に腸内細菌叢のバランスを整えるような食事やサプリメント摂取を心がけましょう。
良い体調は良い腸内環境から。
知らないことばかりの「睡眠こそ最強の解決策である」
福田 真嗣メタジェン代表取締役社長CEO / 慶大先端生命研特任教授
睡眠の重要性を示す内容として、いろいろなエビデンスもそうですが、個人的には「地球上のあらゆる動物が眠る」というのは非常に納得でした。ただ睡眠のメカニズムについてはまだまだわからないことも多く(例えば睡眠と冬眠の違いとか)、今後さらなる研究が必要な領域です。
睡眠不足だと太りやすくなるということですが、睡眠と生活リズムとの関連が示唆されており、生活リズムが崩れると睡眠の質だけではなく、実は腸内細菌叢のバランスも乱れることがわかっています。腸内細菌叢のバランスが乱れると太りやすくなることもわかっており、また睡眠の質も悪くなることがわかっているので、睡眠と生活リズムと腸内細菌叢には深い関係がありそうです。
良い睡眠は良い腸内環境から。
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