Picks
0フォロー
727フォロワー
【解説】ESG時代の必須戦略、「ルールメイキング」とは
NewsPicks編集部
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
「国際的なルールメイキングへの関与が決定的に重要」というのは、金融の世界ではバーゼル規制の1980年代末からそうだったと思います。(その後の金融規制は海外発のものが殆どです。ESGもそうなるでしょうね。)その過程で感じたことをいくつか。 まず、国際的なルールメイキングでは、「議長を取る」「事務局を取る」ことが決定的に重要と感じました。今の国際的ルールメイキングでは、最低単位が「G20」になりつつあり、席上に何十人も並ぶ中で、平場で意見を言っても、(本人はいかに良い発言をしたと思っていても、)実際にはあまり聞かれていないと思った方が良いと思います。結局、議長案・事務局案の段階で大筋が出来上がっており、その起草プロセスに関わらないと、どうしようもありません。実際、海外諸国の議長ポスト争奪戦は、相当激しいです。 また、ルールメイキング母体には、極力、設立の早期から関わった方が有利と思います。(創設メンバーになれればベスト。)後から加わるほど、ポスト獲得やコンテンツへの関与が難しくなります。 さらに、日本の国内体制を国際的ルールメイキング合戦に対応できるものにしていくことも必要と思います。国際的検討主体でのプレゼンスを確保するには、当該分野で5年、10年とキャリアを積み、人脈を形成している人々が絶対的に有利です。この点、「原則2年で交代」という日本の伝統的な官僚人事ローテーションは、どうしても不利に働きます。これを打破する取り組みにも期待したいと思います。
569Picks
ビットコインの電力消費量はグーグルの10倍 環境への影響は?
AFP
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
ビットコインはいずれとんでもなく電力を食うぞ、という環境とのコンフリクトの問題は、初期から中央銀行や規制監督当局で議論され続けてきており、オランダ中央銀行エコノミストの分析などは有名です。国際決済銀行(BIS)のカーステンス総支配人も2018年、ビットコインの環境への影響に焦点を当てた有名な講演を行っています。 この問題は結局、「信頼のコスト」に帰着します。既存の法律や制度、徴税権などに頼らずに信頼を構築しようとすれば相当なコストがかかるわけで、金の場合は物理的な採掘(マイニング)、ビットコインの場合は電力消費になるわけです。金を探して皆で地球を掘り返すのがあまり生産的とは思われないように、ビットコインを目当てに電力を使いまくるのが生産的か、という話になり、結局、既存の通貨がきちんと信頼を確保するのが、地球全体で見れば最も安上がりでもあるよね、という議論に帰結します。 もちろん、ブロックチェーンは魅力的な技術ですが、これが支払決済手段に使われるスキームは、ビットコインとは違ったものになるだろうと感じます。 なお、記事でも一部触れられていますが、ビットコインについて当初から指摘されていたもう一つの問題は、マイニングパワーの寡占化です(いわゆる「51%問題」)。この文脈の中で、特定国へのマイナーの集中をどう考えるか、という論点もあります。
352Picks
IMF警告、米国が予想外の引き締めに動けば新興国市場から資金流出
Bloomberg
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
米国の金利上昇による新興国・途上国からの資金流出を懸念する、というのはIMFの伝統的な心配事で、それ自体は特に珍しい事ではありません。ただ、これを防ぐ特効薬はありませんし、それはこれまでの経験も示しています。 消去法的に提言されるのは、「政策のサプライズを減らせ」ですが、一方で、金融政策はその時々の情勢を踏まえ、複数の政策委員の合議によって決めるというのがグローバルスタンダードになっています。したがって、会議の前に先行きの金融政策をどうこうすると言うことは、合議体の考え方とは抵触し、むしろ「情報リーク」と言われかねない訳です。 仕方なく提言されるのが「条件付きの政策反応関数を示せ」、すなわち、「経済がこうなったらこうします」と説明せよ、ということなのですが、現実の経済も政策波及経路も非常に不確実性の高い中、これらを予め説明しても、その通りには物事が進まないリスクがきわめて高いです。 このように考えると、結局重要なことは、中央銀行の経済見通しが市場の信認を得られるか(今回の事例で言えば、「インフレ圧力は一時的」という米国当局の説明が説得的であり続けられるか)という点になります。(だからこそ、サマーズやブランシャールもこの点を取り上げているのだと思います。)
34Picks
IMF、世界経済成長見通し上方修正へ 不確実性は継続=専務理事
Reuters
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
IMFのウェブサイトで原文を拝見しましたが、成長率の上方修正自体は、米国の財政出動もあり予想通りと思います。興味深いのは、以下の2点かと感じました。 米国の成長加速が米国金利の上昇を招き、これが新興国・途上国からの資金流出につながる可能性をリスクとして挙げていること。 (faster US recovery could cause a rapid rise in interest rates, which could lead to a sharp tightening of financial conditions—and significant capital outflows from emerging and developing economies.) IMFのこれまでの経験からしても、当然気にする所だと思います。とはいえ、米国の「実体経済」の堅調であれば、海外にも好影響をもたらす面も大きいでしょう。鍵となるのはやはり、インフレ圧力が(米国当局の現在の説明通り)一時的なものにとどまるかどうかだと思います。 IMFが「デジタル」と「グリーン」の2大潮流の分野で、貧困国などの支援に貢献していきたい旨述べていること。 (poorer nations are at risk of missing out on what is a historic transformation to a new global economy built on green and digital foundations.) やはり、国際的な議論ではあらゆる場で、「デジタル」と「グリーン」の議論を避けては通れなくなっていると感じます。開発金融機関である世銀がこれについて語るのは当然としても、IMFの気合の入り方も相当だなと感じました。
68Picks
日銀のETF、日経平均2万円割れで含み損-黒田総裁
Bloomberg.com
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
中央銀行の損益は、市場介入の是非にとってプライマリーなファクターとは言えないように思います。(一般に中央銀行がエクイティ市場への介入を控えるのは、損をするからではなく、別の理由です。)なので、ここに焦点を当てるのはどうか、、、と感じます。 中央銀行は市場で唯一、流動性制約を受けない主体です。「絶対にハコテンにならないギャンブラー」が一人だけいるようなもので、リスクプレミアムの拡大期(相場下落時)だけを選んで買えば、むしろ得をする可能性が高いです。もちろん、下げ相場でも上げ相場でものべつくまなく買っていたり、「自由には売れない」という事情があれば、絶対にそうとは言い切れませんが、前者の問題には誰しも気づいており、実際、3月にはETF買入れの弾力化が行われています。 一般に中央銀行がエクイティ市場への介入を控えるのは、中長期的に自由経済や産業の新陳代謝のメカニズムを歪め得るから、と考えられます。(日経225を止めてTOPIXにすれば、問題の若干の緩和にはなるでしょうが、これからの成長を支える有望企業は、今は非上場かもしれません。) この中で「損得」の問題に焦点を当ててしまうと、「得をしているからいいじゃないか」という議論にもなりやすく、本質的な政策論から離れてしまうおそれがあるように感じました。
96Picks
LINE Pay情報、韓国に保管 加盟店の口座番号も
朝日新聞デジタル
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
この見出しは。。。 近年、グローバルに話題を集めている問題の一つに「データ・ローカライゼーション・ポリシー」があります。これは、いくつかの新興国が「自国民のデータを自国内で保管せよ」という規制を導入したことによるものです。 この背景としては、安全保障、自国産業保護、いろいろな理由が挙げられている訳ですが、クラウドやXaaSを「使いにくくする」方向に働くことは確かなので、国際的には必ずしも支持を得ているわけではありません。 データの安全な保管という観点からは、地震リスクの高い日本にデータを集中させる方がリスクが高いとも言えるわけで、さらに、特定の国名を挙げた報道をすると、「では、どこの国に置くなら良いのか?」という話になってしまいます。 メディアの方々からは、日本のDXの必要性の文脈の中、クラウドやXaaSの利用についても、総論としてこれを推奨する報道がなされることが多く、そのことには特に違和感はありません。一方で、そうしたスタンスとの整合性を踏まえれば、「どこそこの国にデータを置くのはケシカラン」といった論説を超えた、データローカライゼーションの是非やあり方に関する総合的な考察が必要と感じます。
321Picks
FRB、大手行の資本規制緩和を延長せず コロナ特例3月末失効
Reuters
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役・フューチャー経済金融所長
昨年のSLRの臨時緩和は、コロナ禍の緊急事態対応として導入されたものですので、危機モードの克服とともに速やかに終了させるという判断自体は理解できるものと思います(危機対応措置が恒久化すると、自己資本比率規制の意味そのものを問われていきますので)。 同時に、SLRは大手行だけの上乗せ措置として米国が自らの判断として導入しているものですので、米銀大手行の不満は常に強いです。FRBの公表文を見ると、SLRそのものの見直しを進めていく意向が表明されており、そこでバランスを取ろうとしているようにも見えます。 論点は、そもそもSLRの計算上に中央銀行預金と国債を含めるという取り扱いをどうするかでしょうね。もちろん、あまりあれこれ除いていくと、通常の自己資本比率規制に加えてレバレッジ比率規制を賦課する意味がそもそも無くなってしまう訳ですが、中央銀行預金と国債を含む取り扱いは、量的緩和や国債の大量発行にとっては制約となり得ます。(もちろん、これらを敢えて除くことについては、財政のディシプリンを失わせるといった逆の副作用もあるので、バランスは必要でしょうが。)
110Picks
NORMAL