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今から日本に「天才起業家」ひしめく時代が来る
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表 政策研究大学院大学 客員研究員
毀誉褒貶があることを踏まえたうえですが、戦後日本の経営者で最も惹かれるのは江副浩正です。近くで働いた方からお話を伺ったことが何度かありますが、できることなら生前お会いしてみたかった。
藤野さんがおっしゃる通り、日本のスタートアップの土壌、気質をつくったのが江副浩正であり、リクルートであると思いますし、憧れる人物、企業です。
一方で当世の起業家気質として「早く上場したいとか、ガツガツと時価総額を上げたいとかは考えていない。悲壮感はなく戦略的。ロマンチックだけど合理的」という点については、傾向はうなずけるものの、ちょっと綺麗にまとめ過ぎかなと思わないでもありません笑
リクルート出身者のスタートアップという点では、リクルートのネットサービス「ISIZE」を指揮なさった福田峰夫さんにお話を伺った際、マクロミルの誕生がターニングポイントだったと仰っていた点が強く印象に残っています。
【福田峰夫】日本のスタートアップの落とし穴とリクルートの成長
https://signifiant.jp/articles/mineofukuda-president-1/
「旅行需要は必ず復活する」コロナ禍でインバウンド事業の売上98%減を経験したWAmazingが生き残れた理由
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表 政策研究大学院大学 客員研究員
本稿でも言及されているワーケーション、私もモニターで参加しました。
到着直後から夜までミーティング、翌日も朝から出発直前までミーティングだったので、「ワーケーション」というよりはほぼ「ワー」という状態でしたが、それでも、自宅に引きこもってずっと仕事をしているよりも、たまには場所を変えて業務にあたるのも、気分がガラリと変わって非常に良いものだという気付きになりました。
泊まる場所にもよるのでしょうが、ネット環境と電源、プライバシーが守られた空間があれば十分なので、特段の不都合はありませんでしたし、また試してみたいなと思った次第です。
できることなら次は、もう少し「ケーション」要素も取り入れたいものですが。
スタートアップへのコロナ禍の影響を尋ねられることが少なくありませんが、事業次第ですし、ウェブで完結している事業であれば追い風になっていることも珍しくありません。
そんな中、WAmazingさんはコロナの影響が直撃したスタートアップの1つです。
私も個人で関与する中、環境変化に即してスパッと注力事業や体制を切り替えられたり、着実に事業資金を調達なさったりと、着実に前に進んでいる様子を見るにつけ、頭が下がる思いです。
記事にもある通り、コロナが未来永劫続くわけではありません。インバウンド需要が戻ってきた際には、今の「骨と皮」の体質、経験がきっと活かされることだと思います。

【筒井康隆】執筆は享楽。作家62年目、文豪の胸の内
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表 政策研究大学院大学 客員研究員
筒井康隆、10代前半の多感な時期に作品を読み漁った作家です。良くも悪くも、人格形成期に多分に影響を受けました。
パソコン通信と連携しながら朝日新聞上で連載された『朝のガスパール』、1ページ1分で時が進む『虚人たち』、ページが進むに連れて五十音が1つずつ消えてゆく『残像に口紅を』など、『時をかける少女』しか知らない人が読んだらひっくり返るような実験的作品を数多く発表した当代随一の天才作家だと私は思っています。
現代のネット炎上も古くから予見しており、言葉狩り騒動からの断筆宣言に至る経緯や「過激」と目される発言など、その言動もが作品化した人物です。
彼の過激なドタバタナンセス、スプラッターなブラックコメディ作品群の中には、普通の人間がちょっとした出来事をきっかけに、どんどんと不条理な世界に迷い込み、とんでもない間違いを犯すというものが少なくありません。
日常に潜む狂気を描き、「自分が当たり前と思っていることは本当に当たり前なのか?」「正しいと思っていることは本当に正しいのか?」といった価値観を根本から揺さぶられることもあり、知的免疫力の弱い時期に向き合うと、どんどん社会規範からズレた人格形成が進みます。
同時に、いつ何時、自分も何かの間違いで被害者にも加害者にもなり得るという想像力も鍛えられました。
今でも一番好きな作家です。

【教養】渋沢栄一に学ぶ「運の引き寄せ方」
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表 政策研究大学院大学 客員研究員
渋沢栄一に私淑していますが、彼の魅力の一つは、その振り幅の大きなダイナミックな生き様です。
元々は討幕派のテロリストだったところ、幕臣になり、また旧朝敵でありながら新政府の要職を担い、はたまたその地位を投げ捨て、ともすれば下賤と目された商業の世界に身を転じているわけですから、よほど型破りな方だったのでしょう。
後から振り返れば強運の持ち主だったと結論づけられますが、その背景には、時代の変化に即した、しなやかな生き方があったのだと、私は思います。
持論ですが、事の成否を決めるのは、頭で考え抜く「理」、勇気を出してやりきる「心」、そして「運」の3要素であり、この3つが成否に及ぼす影響というのは、おおよそ、
理:心:運=1:4:5
くらいのものだと解釈しています。
どれだけ手を尽くしたところで、半分を成す運が巡ってこないことにはどうしようもありませんが、一方で、運というのはあくまで事の成否を決める十分条件であり、運を掴むための準備を怠っている人の元には、運が舞い込むことはないとも思っています。
「人事を尽くして天命を待つ」とは、よく言ったものですが、渋沢栄一は、「理」を尽くして考え抜き、「心」を尽くして思いきった挑戦に取り組んだ結果、「運」を掴んだ人物なのでしょう。
そうした人間的魅力も、渋沢栄一に私淑する理由の一つです。
https://newspicks.com/news/1135266
FB、音声SNS開発中 「クラブハウス」対抗か
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表 政策研究大学院大学 客員研究員
Clubhouseが流行り出した頃から目に見えていたことですが、極めてわかりやすい展開ですね。
WhatsApp、Instagram、Beluga等々、新たに台頭するC向けサービスは積極的に取り込む。一方でSnapchatなど、買収できない事業については臆面もなく機能を徹底的にパクって既存サービスに取り込み、差別化要素をなくす。おそらく音声SNSを開発する一方で、Clubhouseの買収工作に動いていることでしょう。
Snapchatのように、音声機能を既存サービスに取り込んでもサービスの世界観が破綻しないものか、あるいは単体サービス化を目指すのか、はたまたリアルタイムの音声コミュニケーションがサブスケールで終始してしまうのかは、単純に興味があります。
マーク・アンドリーセンは未だにFacebookの取締役ですが、仲間内のクラブディールも多分にあるでしょう。またa16zリードによる先日のClubhouseのユニコーンラウンドが話題になりましたが、取締役の立場でFacebookの興味度合いを把握してこその強気なバリュエーションなのだろうと邪推します。

【評伝】渋沢栄一の「本当のすごさ」を知っていますか
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表 政策研究大学院大学 客員研究員
渋沢栄一というと、その道徳観が強調されるあまり、ともすると清貧思想の持ち主のように捉えられている節があるのではないかと感じることが、ままあります。この点、『論語と算盤』を読むと、拝金主義的な思想を批判する一方で、社会が発展するうえでの健全な競争や利殖を肯定的に捉えていることが伺えますし、その過程で貧富の格差が出てくることは避けられないと明言している点は、もっと意識されて然るべきではないかと思います。
その一方で、本稿にもある通り、率先的に社会慈善事業にも取り組んでいます。資本主義の仕組みを通じて日本の近代化、発展を企図しつつ、そうした仕組みから漏れ落ちてしまう人々に手を差し伸べる仕組み構築も目指そうとしたバランス感覚が、渋沢栄一の魅力ではないかと捉えています。

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