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“重症患者やリスク高い人以外 自宅療養基本に体制整備” 首相
NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
真新しい方針が示されたわけではないと思います。感染流行地域の中核となる医療機関では、現在すでにこのような状態になっているのではないでしょうか。隔離や療養目的などではなく、医療的必要性で入院する患者がほとんどを占めると聞いています。そういった患者は、政府の方針に関わらずそもそも入院が必要です。酸素が必要となった患者を自宅に帰すわけにはいきません。 そして、これは本来の入院病床の使い方であり、他の病気でも基本的にはこれと同様に運用されています。 その上で病床の確保が難しくなっているとすれば、これでは残念ながら物事は解決しません。すでに現場レベルで図られているように、不急の手術などを延期し、コロナ診療にシフトする必要があります。こちら米国でもそう対応してきましたし、日本の現場レベルでもそのような検討が行われていると聞いています。 また、首相が触れている抗体薬の適応については見直されるべきだと思います。基本的には、入院を防ぐことをアウトカムとして示された薬剤であるにも関わらず、入院患者にのみ投与されるというのは、本来の使徒とマッチしません。 また、感染初期に投与されなければ効果は発揮できないことから、よりスムーズに薬剤が手に入る状態に整備する必要もあります。現在のように3日や4日のタイムラグのある状況では、投与のタイミングを逸します。
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慢性腎臓病の治療薬 国内で初承認へ “患者は約1300万人”
NHKニュース
緊急事態宣言 きょうから6都府県に拡大 5道府県に重点措置
NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
緊急事態宣言などの公衆衛生的な介入は、その期間が長引けば長引くほど効果が減弱するのは、日本だけでなく、他国からのエビデンスを見ても同様です。 一方で、日本では繰り返し緊急事態宣言を行っても人の行動抑制には毎回確実につながっており、(オンライン上の苦情は起こっても)デモなどの大規模な集団活動にはつながってこなかったという特徴もあります。そういう意味では政府として「使いやすい」対策かもしれません。 ただ、感染伝播の力が強いデルタは、既存の対策を不十分にしています。このため、緊急事態宣言がこれまでと「同様」の行動抑制を導くことができても、感染者数などの動向に見てとれる効果は見られないかもしれません。実際に、デルタは各国でこれまでのエビデンスを崩しはじめています。 緊急事態宣言に加えて、日々の報道に誘導される形でさらなる行動抑制が自主的にかかる可能性もありますが、政策を出す側としては追加の一手を準備しておく必要があります。 私たちにできることに変わりはありませんが、ワクチン未接種の対象者は出来るだけ早くワクチンを受けていただくことが個人としては最善の対策になります。
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アストラ製ワクチン接種、原則40歳以上 分科会が了承
日本経済新聞
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ファイザー、モデルナ製のmRNAワクチンの供給が滞っている状況では、アストラゼネカのワクチンの活躍の場面も十分あると考えられます。 特に、未接種者の多い状況で感染者数が増加傾向にある日本国内において、ワクチン接種が急がれるという背景もあり、アストラゼネカのワクチンの必要性は高まったと思います。 アストラゼネカのワクチンを使用するにあたっての懸念事項は、デルタへの発症予防効果が60%台と劣る可能性が高いこと、そして稀な副反応である血小板減少を伴う血栓症です。 地域によって、ほとんど差のないファイザーとモデルナでも選り好みされて片方のみ予約が余る状況が存在すると聞きます。アストラゼネカの上記のような懸念事項が過大評価されて、接種が進まない可能性も考えられます。 しかし、デルタの感染伝播および重症化への影響は、これまでのコロナのデータを通用しないものにしている可能性が十分あります。デルタの感染が増えている日本で、その影響を最小化する最善の方法は効果が劣るとしても依然としてワクチンそして標準的な感染予防策になります。 この両輪をしっかり広げていくことが、現状の回復に大きく寄与します。それにあたり、アストラゼネカのワクチンを相対的に重症化リスクの高い40歳以上に限定して使用するのは理にかなっていると思います。
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米政権、全政府職員に接種を要請 報奨1万円、新たな禁止規定も
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ワクチン接種にインセンティブを提供することには一定の論理があります。 まず、インセンティブには、予防接種にかかる間接的なコスト(予約、移動、待ち時間などの時間によって発生するコスト)を相殺する役割が期待されます。ワクチン自体が無料でも、こういったコストが実際に低所得者がワクチン接種を受けるのを妨げる要因となることがありますが、金銭的なインセンティブで、真に「無料」のワクチン接種に近づけることができます。 また、個人の行動が他の人々にまで及ぼす影響のある場合、政府が介入する意義が高いことがこれまでの経済学的研究で示唆されています。なぜなら、人は自分の行動が他人に与える影響を過小評価する傾向が知られているからです。 例えば、対外的な「負の」影響の例として、大気汚染する工場が挙げられます。政府からの制裁がなければ、大気汚染する工場の方がコストがかからないため、汚染が進む傾向になります。このため、政策的な制裁が妥当化されます。一方、ワクチン接種は「正の」対外的影響をもたらす行動です。個人のワクチン接種が他の人々も保護することにつながるからです。しかし、そういった影響が多くの人に過小評価されるため、インセンティブが、その補正につながるという理屈です。 さらに、インセンティブは、ワクチン接種行動を促進することで、結果としてCOVIDにかかる医療費を削減することにつながるので、将来回収できるという理屈もあります。このCOVIDならば尚更でしょう。 インセンティブの欠点として、インセンティブが終了すると人々は行動を元に戻してしまうため、慢性的な持病の治療にはうまく働きませんが、ワクチン接種のように短期的な行動を変えるのに特に効果的と考えられています。 引用文献:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2107719
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