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就職氷河期世代の抱える課題は 老後に不安、福祉拡充検討を 近藤絢子・東京大学教授 - 日本経済新聞
日本経済新聞
Furuyama MasayukiChemical Trading Company Manager of General Affairs
【経済】これは重要な論稿。一括りに「就職氷河期世代」と言っても、正規雇用と非正規雇用で将来給付は全く異なるし、非正規雇用であっても、親からの相続財産が見込めるかどうかでその老後はだいぶ変わってくるのではないかと思う。 親が持ち家やそれなりの金融資産を保有している場合は将来的にそれらの資産を相続できる可能性があるため、一気に困窮状態に陥るとは考え難い。親と同居していて「ひきこもり」状態にある場合、最低限の住居と食事は確保されているわけだから、絶対的な困窮状態に陥っているわけではない。逆に言うと、絶対的な困窮状態に陥っている場合は「ひきこもり」状態を維持することは難しいはずだ。 非正規雇用の中で最もその将来が危ぶまれるのは、親からの相続を全くあてにできない人たちだろう。収入が断たれ、それを補う金融資産もないとすれば、傷病等で働けなくなってしまうと途端に困窮状態に陥ってしまう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると40~50代の単身者の4割程度が金融資産非保有の状況にあるわけで、こうした人たちがその予備軍になってしまっていると捉え、今後制度設計を行う必要がありそう。
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【野口悠紀雄】円安信仰がもたらす3つの損失
NewsPicks編集部
Furuyama MasayukiChemical Trading Company Manager of General Affairs
【経済】円安を信仰しているわけではないけれども、野口氏のような「円高信仰」にも与することはできない。 何度でも書くけれども、外為というものは相対的なものだと思うので、「円高=善、円安=悪」でもなければ「円高=悪、円安=善」でもなく、それぞれの局面に合わせて対応するしかないというのが私の立場。ただ、野口氏のように世の中の「円高=善、円安=悪」と捉える人たちに対して強く問いたいのは、長く続いた円高下で日本は本当に豊かになったのかという点。 私が就職活動をしていた20年ほど前の製造業でよく言われていたのは、汎用品は海外拠点で生産、高機能品は国内拠点で生産ということだったけれども、円高が進行した10年ほど前には、高機能品の生産も海外拠点で行うようになり、資材調達の業務をしているはずなのに新しいプラントを建てる仕事ではなく、老朽化したプラントを潰す仕事ばかりしていた。 その後、海外でのプラント建設プロジェクトに携わった際には、EPC(設計、調達、建設)の発注先はウォン安で価格競争力があった韓国のプラントエンジニアリング会社となり、円高で価格競争力の劣る日本のプラントエンジ会社とはならなかった。韓国のプラントエンジ会社は工事品質に難があり、現場のプロジェクト・マネジャーが「あと100億余計に支払ってもJGC(日揮)にしたかった」とぼやいていたのをよく覚えている。 先日も関連記事をPickしたけれども、私が就職活動をしていた頃には「球形タンクを備えたLNG船は日本企業にしか造れない」と言われていたが、2016年以降日本の造船会社はLNG船の受注はゼロになった。韓国や中国の造船技術が向上したことももちろんあるだろうが、円高によって競争力を失ったというのが大きな理由ではないだろうか? ビジネス以外に目を転じてみても、円高によって豊かな生活を送れていたかと言うとそうではないと思う。国産品>輸入品だとは必ずしも思わないけれども、食材の多くが輸入品に変わってしまっている。 岡山名物のままかりのさっぱがタイ産であり、小浜名物の鯖缶とへしこの鯖がノルウェー産であり、高野山や比叡山名物の胡麻豆腐の胡麻がホンジュラス産とグアテマラ産であり、名古屋名物のういろうに使われている砂糖がタイ産であった。円高によって確実に国産の農林水産物は競争力を失い、食文化の一部が破壊されている面もあるのだ。
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