吉永 稔弘

中学1年生のとき、多くの生徒からの要望があったとのことで、授業で筆記体の練習用紙が配られたことはあるのですが、僕は興味もなく必要性も感じなかったので一切覚えませんでした。 高校2年生のとき、授業を持ってもらった英語の先生が年寄りで、板書はすべて筆記体でした。最初は全然読めず、依然として覚える気もなかったのですが、不思議なもので1-2週間で特に何の練習もなく読めるようになり、まもなく僕自身もすべて筆記体でノートを取るようになりました。 確かに子どもの頃は筆記体をわざわざ覚える必要性は感じなかったのですが、今では逆に自分用のノートをわざわざブロック体で取ることに必要性を感じないという視点に変わったので、筆記体を常用しています。 — コメントを読んでいると「漢字の行書だって学校で習わない」という意見を何件か見かけましたが、僕は中学の国語の授業で行書を習った覚えがあります。一昨年従兄弟の家庭教師をしたときにも、市販の国語のワークに行書解読の問題が出ていたので確かだと思います。

東京五輪のPVに日本文化の威力を感じましたね。伝統美と新興文化が両方含まれていて素晴らしかったです。

去年か一昨年、和歌山大学のT当事者の1人がLGBTのための大学公認団体を設立しようと事務に直接申請しに行ったところ、頑として許可されず、いかなる譲歩も得られなかったと言っていました。LGBTのうち、LGBの人たちに関しては放置しておけばよいと思いますが、Tの人が理解されないのは可哀相ですね。

大人になってから読むと面白いのでしょうね。実は『鼻』『三四郎』『高野聖』『高瀬舟』は中学生の頃に、『刺青』は高校生の頃に読んだことがありますが、価値観の変化や共感などは特にありませんでした。今読むと感じるところもあるのかもしれませんが。 ちなみに中学の頃に読んで以来、その後の人生に鮮烈な影響を与えているのは漱石の『坊っちゃん』で、もう何度読み返したか分かりません。この本だけは精神年齢が低いときに一度読んでおかないと、大人になってから初めて読んだのでは永遠に真価を理解できずに終わります。

「人皆知有用之用而莫知無用之用也」という漢文の格言があって、その意味は「有益な事物の価値を認識している人はいくらでもいるが、無益な事物の価値を認識している人は（残念ながら）いない」というものです。「無駄」が実は重要な役割を果たしていることを再認識する必要があるかもしれません。

孫さんのスライドの素晴らしいところは、構成が簡潔であることのほかに、色遣いに確乎たる意図が感じられるところです。 全体を通して見てみると、ベースカラーは白色と灰色に統一されているのですが、メインカラーは途中で何度か変わっています。普通は一度決めた配色は最後まで変えないのが原則なのですが、孫さんのスライドでは「話題の対象」に応じてメインカラーが改められているのです。全体を流し読みすると以下のような使い分けがあることが分かります: -SoftBank国内通信事業: 藍色 -Sprint: 黄色 -Yahoo Japan: 赤色 -SoftBank投資資産: 縹色 つまり、話題の変わり目で「おや、色が変わったな」と思わせることにより「今は次の話題に移っていますよ」という合図を暗示的に送っているわけです。さらに、各セグメントに相応しい色が割り当てられているおかげで、例えば「今はYahooの話をしていますよ」と説明中に何度も念押ししなくても、「ページが赤々しいから今は赤いロゴの会社(Yahoo)の話をしてるのかな？」と読者が勝手に解釈してくれる効果があります。 何から何までよく考えられたスライドだと思います。

カードが上限額に達していて支払いが通らなかったら、本物の自動改札機のように音が鳴って柵が閉まるのでしょうか。

「ドリルを買いに来た客はドリルを欲しているのではなく穴を欲している」という有名な言葉がありますね。ただ、これに気づいた段階で思考を止めるのではなく、「穴を欲している客は××を欲している」というふうに更に次の段階、次の次の段階まで遡ることが重要だと思います。「ドリル→穴」は解を導く式ではなく、次の一歩を導く漸化式であると思っています。

通じるかどうか以前に、ネイティブスピーカーは会話中に相槌を打たない人がとても多いので、英語を話していても本当に通じているのかどうか心配になります。

似たようなアプリが2014年に Yahoo! さんの Hack day というイベントで制作されていましたね（ただし妊婦さん側はアプリではなく発信器付きのバッヂを所持するという仕様）。 ちなみに、2013年の Hack day では「席に座りたい！」という人と「降車駅に着いたら起こしてほしい！」という人とを列車内でマッチングする（つまり席を譲る側にもメリットがある）というアプリが制作されていて、この発想はもしかしたら妊婦アプリ普及の助けになるかもしれないと思いました。

この「遠回り機能」は、2015年1月のTEDでダニエレ・クエルチャという人が語っていたのと発想が似ていますね。彼の研究に着想を得たのでしょうか。感性を大切にするエンジニアリングは大好きです。 TED該当記事: https://www.ted.com/talks/daniele_quercia_happy_maps/transcript?language=ja

モーレツ系企業の存在が悪いのではなく、モーレツ適性のない人が「とにかく有名企業に属していなければ」というプライド上の理由でモーレツ系企業に迷い込んでくるのが問題です。そして彼らを迷い込ませているのは、「優秀層ならば電通のような企業に入社するよね」という伝統的な常識にほかなりません。ヘッセの『車輪の下』のように、周囲の「常識的な」期待が彼らの判断を狂わせ、ついには逃げ場を奪っているのだと思います。