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【新】「安全・便利・快適」が、社会を破壊するメカニズム
圷 真毅社会福祉法人樅山会 副理事長、施設長
私は介護事業の経営を担っていますが、昨今のICT化、介護のシステム化が介護の未来として正しいのか、人としての感情、共感力は重要ではないのか、と危惧していました。
この記事を拝読して、社会のシステム化により共感力が低下している現状を理解して、なるほど、職員にも共感力の低下がみられるのはこのことなんだと納得したのと、介護のシステム化による弊害について理解することが出来ました。人手不足により介護のシステム化は進みますが、そこで働く人々の共感力も含めた人間力の向上が共になくてはより良い介護の未来はないと思います。職員教育にも生かさせてもらいます。
また、著者のお一人が宮台さんと知って、宮台さんの鋭い指摘と優しさのある言葉を頂こうと本もさっそく購入して読んでみます。
50年変わらない日本人の「生産性」は悪なのか?
圷 真毅社会福祉法人樅山会 副理事長、施設長
記事に掲載されている「生産性」について、時間あたりや1人あたりの稼ぎは日本は他国に比べて低い国であるので生産性が低いということだ。著者によると、生産性を考える前に、業務改善による働く人の幸せを考えることが大切だとしている。幸福度が上がれば生産性も上がるからだとしている。
自分としては、幸福度が上がれば生産性も上がることは一概には言えないと思うが、働いている時間が長いのは実感する。それも許可・認可申請や、日々の記録など書類が多くその処理に費やす時間が多い。責任体制の明確化だと思うが、縦社会の組織体制の弊害だ。毎年のように制度は複雑になっていき、制度改正ごとに書類が増えていく。現場としては従わざるを得ない。
働き方改革をするのであれば、何かを追加したときには何かを減らすことも同時に考えてほしい。書類が増えればその処理の時間が増えていくばかりでその処理で1日が終わってしまう。
結局、クリエイティブなことを考える時間の余裕が仕事中には確保できず、決められている仕事に従うことに精一杯だ。
この状態で生産性の向上が出来るとは到底思えない。
責任体制の明確化も大切だと思うが、責任をとらせることだけで終わりにしないでほしい。書類が簡素化できれば、クリエイティブな時間も確保できて業務改善も進んで、著者の提案している幸福度の向上も出来るのではないだろうか。
自宅で親を看取るにはどうすればよいか - 「人生100年時代」に向けた施策
圷 真毅社会福祉法人樅山会 副理事長、施設長
介護は介護職だけのことではなく、介護に関わる全ての人々が取り組む尊い仕事として、行政、職能団体、事業所などが一体となって課題に取り組むことが大切だと思います。
地域包括ケアもシステムを先に考えるからうまくいかない。
課題を共有して、それぞれの立場を生かして日本の介護を支える意気込みがないと前には進まないと思います。意気込み、熱意があれば、介護の仕事の大切さが伝わり、介護に関わる仕事をしてみたいと思う人が増えると思います。
処遇改善加算というお金による短期的な課題解決だけでは、専門職として社会に認められ、社会的地位を得ることは難しいでしょう。これからは専門性を高めることで、介護の仕事の質が向上して、社会的地位を得られることが、賃金改善につながっていくと思います。
2025年の先には今よりも選ばれる介護になるでしょう。
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