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英誌が見た「失われた数十年」から脱却する日本と、“日本化”する米国 | 中国に代わる「アジアのリーダー」に
クーリエ・ジャポン
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
今後の日本の貿易戦略の向かうべき方向を考えるうえで、重要な論点を指摘している有益な論考です。タイトル「米国の日本化」はミスリーディングですので無視して、最後までご一読ください。 この論考は、安全保障や地政学の観点から国際供給網が分断されていくなか、日本が、アジアの中の「世界の工場」としての中国に取って替わり、全体主義国家と競争・対立する欧米先進国に向け製品を供給し輸出していくリーダーになることを強く期待しています。 しかし、米国を中心とするこうしたアングロサクソン的な世界観に乗っかってしまって、大丈夫なのでしょうか。現在の日本経済は、中国や韓国に向け電子部材や機械を輸出することが重要な要素です。これを切って捨て、米国追従一辺倒で良いのでしょうか。 TPPやパリ協定からの離脱にみられるように、米国の経済外交戦略は、そのときどきの国際情勢や国内政治情勢に応じて融通無碍に変化します。保護主義か自由貿易かという単純な「二択」によって米国の貿易戦略を予想し「日本化」と解説するこの論考の主張は問題があります。日本国政府や日本国民こそ融通無碍な貿易戦略を意識し、これまでどおり、中国を切らない全方位外交、したたかなあいまい戦術を続けることが求められます。
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29日の為替介入は5.5兆円規模の可能性、日銀当座預金見通しが示唆
Bloomberg
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
5月1日10時30分追記 外為特会に入った5.5兆円は、もともと外貨準備を保有するために政府が発行していた債務(国庫短期証券など)を返済するために使われます。ここまで考慮すると、不胎化介入であるか否かという学者的な議論は、意味を失います。詳しくは、白川元総裁による2008年の著書をお読みください。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 4月30日深夜コメント 日銀当預のプロである短資さんの予想値との差額が5.5兆円ならば、これは4月29日のドル売り円買いの為替介入による資金引上げの可能性が高いですね。 その前提で、財務省の公表している外国為替平衡操作の統計から、介入規模のランキングを推計しますと、ドル売り介入の1日当たりの金額としては、僅差で史上2位になります。1位は2022年10月21日の5.6兆円、3位は同年9月22日の2.8兆円、4位は1998年4月10日の2.6兆円です。1~3位は、神田財務官時代。逆に、ドル買い介入は2011年10月31日の8.1兆円が史上最大です。 円安のメリットを重視する「円安上等」論の私としては、榊原財務官時代から貯めに貯めた外貨準備をここで使うのはもったいない気持ちがします。しかし、1.5兆円を越える巨額の為替差益を計上したことで、神田財務官の金銀銅独占を許したい気持ちもあります。 黒田前日銀総裁が財務官時代を含めた長年の多大なるご功績により勲章を受け取られました。政府や日銀の四半世紀にわたる円高との闘いの時代が、名実とともに終わった、円安との闘いに切り替わった、ということなのでしょうか。
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