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国内初の飲む中絶薬「メフィーゴパック」、発売半年で724人服用…副作用14件も重篤例なし
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
日本での販売開始からまもなく1年の経口中絶薬の実際の処方例のデータ。
>副作用は嘔吐(おうと)4件、出血と下腹部痛が各3件
とみると、724人中、出血があった人は3人だけだった、と思われるかもしれませんが、そうではなく、
子宮内の妊娠組織を外へ出す(=中絶)ための薬なので、全例で出血はします。
そのうち、異常なほどの出血は3例だった、という意味です。
腹痛も同様で、子宮が収縮するため、下腹部痛を全く感じないのはかなり稀で、添付文書でも「より強い鎮痛剤の使用が必要になったもの又は治験担当医師が異常な痛みと判断したもののうち、因果関係が否定できないもの」を腹痛の副作用、とされています。
安全に使用されていることはなによりですが、痛みや出血はないと思っていたのに…とならないよう、このような情報がちゃんと理解された上で、女性が、薬か、麻酔下で日帰りの手術か、選択できるとよいと思います。
薬での中絶は何日かかるかわかりませんが、
手術の場合は、麻酔がかかっている間に約15分でおわるため、
どちらの方が負担が軽いかは、一概にはいえず、個々の価値観によります。
ラファ空爆、子ども13人含む19人死亡 犠牲の妊婦から新たな命
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
産婦人科医としてどうコメントしたらよいものか、、担当医の先生のお言葉の通りです。
母体は亡くなったのに生児が誕生してよかった、1400gで誕生したけれど様態安定していてよかった、と単純に喜べる話ではありません。
せめて赤ちゃんが元気でなによりですが、産まれる前にご両親を失うなんて、赤ちゃんも、亡くなったご両親も、つらすぎます。
胎児は母体から酸素も血流もきているので、妊婦さんが亡くなってから、かなり迅速に娩出しないと児は助からないため、
この紛争下にも懸命に命を助けようとされている医療従事者のみなさまの存在も痛感する報道です。
この赤ちゃんにはどうか無事に育って頂きたいですが、
このような痛ましい出来事がおこらない世の中になってほしいと切に願うばかりです。
オゼンピックで「できちゃった」、不妊治療効果の可能性巡り議論噴出
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
肥満は排卵障害などにより不妊となることがあります。(やせすぎも妊娠しにくさに影響します。)
妊娠しやすさに影響するほどの肥満の方が、減量して適正体重になることで妊娠しやすくなる、というのはごく自然なことです。
ご本人は予期しなかったかもしれませんが、医学的には十分ありえることです。
体重を適正にするという以外の、妊孕性に有効な効果がGLP-1にあるかどうかについては知見がありませんが、
ただ、そもそもGLP-1は妊娠中の使用の安全性が確認されていないため、糖尿病の方で治療のために使用している方も妊活開始前にはインスリン治療に切り替える必要があります。
ですので、妊娠を希望している方がGLP-1を使用すること自体が本来は避けるべきことです。
なお、米国と日本とでは肥満の度合いが異なりますし、日本で、ほぼ適正体重の方がGLP-1を服用することで妊娠するかというと、米国と同様の期待はできないでしょう。
卵子凍結を選んだ30代女性が考える「自分の価値」
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
卵子凍結をすればいつでも妊娠できる、というわけではないですが、
いつかは子を望んでいるけれども、まだパートナーが見つからない
やむを得ない事情でどうしても妊活が少し先になってしまう
などの場合には、1つの選択肢となります。
先延ばしにしないですむ妊活は先延ばしにしないに越したことはない、
医学的にはこれが大前提です。
どうしても出産で仕事を一時的に離れますが、それがキャリア上の評価を下げない社会に変わる必要もあります。
時間ではなく「生産性」で評価されることと、
産後に同じポストに戻れる保証(仏は法で定められています)があると、
妊娠を躊躇せずにすみます。
もちろん卵子凍結事業は、妊娠を推奨するものではありません。妊娠を望まない人がプレッシャーを感じる必要はなく、あくまで望む人のサポート。
なお、都は男性の精液検査にも助成をだしています。
妊娠は女性だけの問題ではありません。
脊髄難病の胎児手術成功、阪大 母親の子宮切開で日本初
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
妊娠中に診断がつく疾患が増えてきた中で、治療法の進歩は、患者さん親子にとっての希望となります。
胎児期に治療ができるものとして、先天性横隔膜ヘルニアや重症大動脈弁狭窄症など、胎児治療はいくつかの疾患で行われています。
脊髄髄膜瘤は、先天的に脊椎(背骨)の一部が欠損している「二分脊椎」のうちの、神経組織が皮膚に覆われていないのが「脊髄髄膜瘤」です。
米国での胎児治療と出生後の治療との予後を比較した研究では、
運動機能など胎児手術群の方が良好でしたが、
胎児手術では早産や羊水過少などのリスクや母体へのリスクがあるため、治療の適応は慎重に検討されます。
なお、妊活中から妊娠初期に、葉酸を十分に摂取することで、二分脊椎の
発症リスクは大幅に減ります。妊娠を希望している方は、妊娠中から葉酸の摂取を。サプリや葉酸ゼリーなどでも大丈夫です。
「やせ薬」ベビーブーム? オゼンピック服用中の女性たちが次々と妊娠… | GLP-1薬の「予期せぬ副作用」
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
肥満は排卵障害などにより不妊となることがあります。(やせすぎも妊娠しにくさに影響します。)
妊娠しやすさに影響するほどの肥満の方が、減量して適正体重になることで妊娠しやすくなる、というのはごく自然なことです。
ご本人は予期しなかったかもしれませんが、医学的には十分ありえることです。
体重を適正にするという以外の、妊孕性に有効な効果がGLP-1にあるかどうかについては知見がありませんが、
ただ、そもそもGLP-1は妊娠中の使用の安全性が確認されていないため、糖尿病の方で治療のために使用している方も妊活開始前にはインスリン治療に切り替える必要があります。
ですので、妊娠を希望している方がGLP-1を使用すること自体が本来は避けるべきことです。
なお、米国と日本とでは肥満度合いが異なるので、日本で、ほぼ適正体重の方がGLP-1を服用することで妊娠するかというと、米国と同様の期待はできないかと思います。
男性の不妊検査、東京都が実質無料化へ…受講条件に39歳まで対象
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
これはすばらしい施策。
不妊症のうち原因が分かるものの約半分は男性因子。
ですが、なかなか妊娠しない、という時に、男性は検査を躊躇したり、まず女性が、、というケースが散見されます。
妊娠は女性の問題、と思われがちですが、もし男性側にも問題がある場合は検査を先延ばしにすると時間がもったいないです。
都が助成をすることで、その認知が広がりハードルが下がるのではと期待します。
もし男性側に問題があったとしても、それにより自尊心を損ねる必要はないこと、決して珍しくないこと、妊娠が望めないわけではなくて、適切な治療でお子さんを望めること、などが誤解されずに伝わることが大事ですが、それが事前の受講で説明されるのかと思います。
対象年齢は39歳までですが、一般的な精液検査は保険診療で自己負担数千円で痛い検査でもないので、40歳以上の方でも必要がある場合はぜひ検査を受けて頂ければと思います。
「女性が軸を持って選択できる環境が必要」POLAが卵子凍結を福利厚生に導入、美容部員の「一つの手立て」に
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
卵子凍結は、今はまだパートナーがいない(けど将来子どもがほしい)、
もしくはアスリートの方など活躍できる時期が限られていて妊活はそのあとにしたい、
など、やむを得ない事情で今すぐには妊活をできないケースでは、1つの選択肢として女性の可能性を広げてくれる方法です。
ただ、卵子凍結しておけばいつでも妊娠できるわけではないので、
先延ばしにしないですむ妊活は先延ばしにしないに越したことはない、というのが産婦人科医としての本音ではあります。
仕事か妊娠か選ばないといけない、まだ仕事をしたいから妊活はもう少し先に、という声が女性から聞かれますが、
どちらかを選ばないといけないわけではなく、妊娠出産と仕事は両立できます。
ただ、まだそれが難しい組織もあるかとは思いますが、
妊娠出産により一般的にはキャリアに影響を与えない社会になることがなにより大事と思います。
1つの選択肢として卵子凍結を福利厚生で提供しつつ、
妊娠出産がキャリアの妨げとならない組織になる、ということの方が本質的には重要かと思います。
あと、AMH検査は、卵巣年齢を測れるわけではないので、
結果によっては不必要に不安になってしまうこともありますので、注意が必要です。
子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認「日本版DBS」法案を閣議決定
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
迅速な審議と関係各所のみなさまに感謝です。
子どもたちを守るためにありがとうございます。
連日、学校や保育園の先生による性加害が報道されるので、DBSの迅速な導入は本当にありがたい。
なお、そのような先生はほんのごく一部で、ほとんどの先生はとてもよい先生です。まっとうな先生方のためにも、DBSが導入されてほしいです。
最初からカンペキな制度ではなくても、
まずは学校・保育所だけ義務からでも、先延ばしになるよりもまず導入されることが大事。
塾や習い事は任意やけども、運営側としても確認したいでしょうし(実際、関連団体から、対象にしてほしいとの声があった)、
ユーザーや世論が求めることで、DBSでの確認をするのが当然、という流れにもっていくこともできるでしょうし、
骨抜きと批判するだけではなく、国民の受け止め方次第で、よい形で社会にインストールされうるのではと思います。
初犯は防げないですが、
これまでは再犯も防げなかったわけで、
再犯を防げるだけでも大きな進歩。
DBSだけでカンペキに防げるわけではないので、性教育やセーフガーディング研修などももちろん大事。
今国会で成立しますように。
ライブ会場で緊急避妊薬(アフターピル)が無料配布される。グラミー歌手のワールドツアーで
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
記事を読めば分かりますが、これは当然、避妊せずにセックスすることを奨励する意味で緊急避妊薬を配布したわけではありません。
このライブが開催されたミズーリ州は、中絶が禁止された州の1つ。
そのことを批判する意味で、緊急避妊薬やコンドーム、中絶ケアの支援のための情報が含まれたキットを無料配布したとのこと。
望まない妊娠の場合の中絶という選択肢もですが、
望んでいたとしても、妊娠を継続すると母体の命が危険になる、という場合であっても、中絶を選択することができません。
個々の判断で、なにがあろうとも自分は中絶したくない、という選択はもちろんあると思います。
ただ、法が中絶を禁止してしまうと、女性からからだの自己決定権が奪われてしまいます。
日本では、要件を満たす場合は中絶を選択することができますが、
女性はだれも中絶をしたくてするわけではありません。
日本の場合は、避妊や妊娠についてちゃんと教わる機会や、さらに、同意や相手を尊重することを学ぶ機会があることで、望まない妊娠自体を減らすことはできるのではと思います。
【ゼロからわかる】現代男性の新常識?「PMS」の超基本
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
こちら取材を受け、
PMSはあくまでホルモンのしわざであって、女性自身のせいではないけれども、治療することができるので、全く我慢しなくてよくて、産婦人科に相談して下さいね!
とコメントさせて頂きました。
自分ではどうにもならないけど周りに迷惑をかけてしまっていると自己嫌悪に陥ってしまう女性も少なくありません。
それがPMSであること、治療で症状を軽減できることは、性別関係なくもっと知られてほしいです。
PMSの症状に悩み、治療により症状が軽減した方は、本当に受診してよかった、もっとはやく受診すればよかったと仰います。
PMSも生理痛も過多月経も、困っている方はひとりで悩まずに、かかりつけの産婦人科で相談なさって下さい。
NORMAL
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