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「ドライブ・マイ・カー」で世界を席巻した濱口監督の挑戦
NewsPicks編集部
大高 健志MOTION GALLERY代表 シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』 さいたま国際芸術祭2020キュレーター 映画プロデューサー
本作『悪は存在しない』公開直前からXでトレンド入り。論争が巻き起こっていた内容がまさかの配給方針について。かつてそんな映画があっただろうか。「なんでシネコンでやらないのか!」「劇場が少ない!」として配給を非難する声もありましたが、その怒られている配給責任者は、まさに私です笑。 なので、どこかで何故こうしたのかは書こうかのと思ってますが、明確に言えるのは意志と狙いがあってのことだと言うことです。もちろん経済性やアクセシビリティを念頭におけば、シネコンの上映オファーを断るなどの意思決定はビジネスパーソンとしては責められることかも知れません。しかしそこを超克する必要が今の映画業界にはあります。そして何より『悪は存在しない』を観て頂ければその判断の必然性も伝わる気がしています。映画の商いのあり方に留まらず、様々なビジネスのあり方にも一石を投じられたらと思います。 映画の内容としても、非常に強度の高いアートフィルムでありながらあまり映画を普段みない観客の方にも作品との接点があちこちにあるので話に入って頂きやすいはず。そして映画と対話していくことで、世界を捉え直す瞬間が訪れるはずです。 ビジネスパーソン、とくにアートシンキングに興味ある方には強くおすすめしたい。ビジネスにおけるアートとは何なのか。だからこそ映画の宣伝方針を決める上でも、一つの重要なピースとして考えたのがビジネスパーソンへの訴求。大作エンタメ映画ではない作品では通常届かないこともあり狙いませんが、本作は届くとおもうし、またそこに意味があると思ってます。 だから今回NEWSPICKSで記事になったこととても嬉しいし、本当に多くの人にこの記事を読んで欲しいです。 都内では2館スタートです。歴史ある渋谷『ル・シネマ』も素晴らしい劇場ですが、2022年に開館した私が経営する下北沢『K2』にも来て頂けると嬉しいです。 最後に『悪は存在しない』は、制作体制、配給体制、そして何より作品そのものが映画の新しい地平を切り拓くものだと思ってます。そして既に世界的巨匠となった濱口竜介監督のフィルモグラフィーのなかでも最重要な作品の一つと後世から目されるでしょう。 絶対に複数回見るべき映画です。 5/3からは全国へ拡大していきます。 ゴールデンウィークは是非劇場へ。
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