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「日本経済はついに“正常化”しはじめたのか?」日本人エコノミストたちの見解 | デフレからの「完全脱出」はもうすぐ?
クーリエ・ジャポン
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
デフレを停滞の原因と捉えるなら、「日本は歴史的な転換点にあり、やっと“正常な”経済に戻るかもしれない」という期待は持てるでしょう。しかし、1990年代半ば以降、日本経済が完全な横ばい状態に陥った背景には、企業と産業を育む日本のビジネス環境が急速に劣化して、急成長を支えた二本柱の一つの電機産業が失速したのみならず、日本企業が外国に逃げ出し、外国企業が日本で投資して成長することをしなかった現実があるのです。企業と産業を育てる力に注目するIMDのビジネス環境の国際競争力評価が首位から34位に急落し、日本企業の海外生産比率が急上昇し、対内直接投資の対GDP比が地を這うように横這いであることに、そうした現実が見て取れます。その転換点を現役真っ只中で過ごした私には、デフレはそうした経済状況の結果であって、停滞の原因であるとは思えません。 GDPは国内総生産と言われる通り国内で新たに生み出したモノとサービスの価値の合計で、金融政策と財政政策で一時的に需要を増やして余った生産余力(≒需要不足)を埋めても、日本の本質的な成長力(≒潜在成長率)が高まらない限り、効果は一時的に留まって、需要を作るために使った政府の借金と日銀保有の低利国債が積み上がるばかりです。 デジタル化とグローバル化が急速に進み始める中で我が国が競争力を落とした背景には、非流動的な雇用市場、挑戦を許さぬ煩瑣な事前規制の蔓延、農業を守って付加価値の高い工業製品を不利な立場に置いた貿易協定、営業利益対比でみて今なお高い法人税と社会保険料の負担、高い産業用電力や非効率な物流といった、改善型イノベーション全盛の昭和の遺物がある訳ですが、それらが改まる様子はありません。 そんな中、円の対ドル相場を3年前対比で45%も落として起こしたインフレが、日本経済を本格的に復活させるとは思えません。極端な円安の結果、日本国民の購買力は世界の中で急速に落ちているのです。企業物価の上昇分は未だ半分しか消費者物価に反映しておらず、2%を超えたサービス価格上昇の転嫁もこれからです。こうした環境下で起きる賃金と物価の共振的な上昇は悪循環にしかならず、過去のインフレの一部を今年の賃上げで取り戻しても、実質賃金の上昇は一時的に留まって、実質賃金が中長期的に下がり続けるのは必定であるように感じます。私の直感が当らないことを念じます f(^^;
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円安、155円台半ば 東京市場で34年ぶり―財務相「適切な対応する」
時事通信社
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
この記事、「鈴木財務相『コメント控える』」だった見出しが「財務相『適切な対応する』」に変わったようですね (@@; 記者に囲まれて「コメントは控える」とおっしゃって部屋に向かう場面をテレビで見ましたので、当初の見出しは、それはそれで正しかったのだろうけど、その後の発言の方を重視したということか? しかし「適切な対応する」が円売りドル買いを意味するのかどうか、もはや私にゃ五里霧中 f(^^; 円の投機的な売り越しは歴史的に見てもかなり大きくなっているようです。 https://www.mql5.com/en/economic-calendar/japan/cftc-jpy-non-commercial-net-positions 財務大臣の口先介入が高い警戒感を呼べば一気にポジションが巻き戻されて円高に向って不思議じゃないですが、既に何度も口先介入を繰り返してここに至った以上、口先介入にこの先、どれほど効果があるかは疑問です。しかも、政策を見直したとはいえ日銀が金利を急速に引き上げて円安を修正出来る状況になく、政府も円安に繋がるばら撒きを続けています。実際に介入してもたちどころに押し戻されて、投機筋に絶好のチャンスを与えるにとどまらないとも限りません。「適切に対応」が、様子を見守るということであっても不思議じゃないのかも。難儀な状況になって来ましたね (・・;ウーン
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介入ポイントに一歩近づく円相場、植田総裁会見で2022年9月の再来も
Bloomberg.com
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「2週間で4%以上の円安進行」(@@。 1年前と比べ15%、2年前と比べ20%、3年前と比べ45%と下落です。これがインフレの大きな原因にもなっており、新興国なら通貨危機と言われて不思議でない状況であるように感じます。 デフレと低インフレが長く続いたがゆえ高くなってこそ購買力が維持できる日本の円を、日銀と政府が組んで無理やり円安に導いた結果です。金融政策を見直したとはいえ日銀が引き続き実質的な円安策を取り続けるなかで、財務省が為替介入してどれほど効果があるものか。前回の介入時と同じく再び円安に押し戻されて、投機筋に絶好の利益機会を与える結果に終わらないとも限りません。かといって、金利を急速に上げれば一気に景気が冷えかねない状況が随所に生まれています。日銀が利上げで“共闘して”円安を止めることも難しそう。 90円台から110円台前半くらいにあって外国の物価と日本の物価が釣り合う円が、いまや155円台になって、先進国の物価が自国民にとって極端に高く、先進国の国民にとって自国の物価が極端に安い状況が生まれています。これは途上国に特有の現象です。カネをバラ撒いて無理やり起こす円安とインフレが国民を豊かにすることはない、と異次元緩和が始まる前から言い続けて来ましたが、その感をますます深める昨今です (*_*)
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NY外為市場=円、対ユーロで16年ぶり安値 対ドルも34年ぶり安値更新
Reuters
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
政府と日銀が組んで進めた円の価値の毀損策は、多少のことでは動じぬほどに強力だったということか  (@@。 その昔、それなりに長く勤めた某所を退職する折に、退職金を迷うことなくすべてドルとユーロに換えたことがありました。政府と日銀がこんな政策を続ければ、いずれ円安とインフレが起きるに違いない、と信じたがゆえでした。 デフレと低インフレが長く続いた日本の円は、高くなり続けてこそ購買力が維持できるのです。それを逆に円安に動かせば、円の購買力は急速に落ちて行く。とはいえ将来受け取るだろう幾許かの年金は円建てですから手の打ちようがなく、退職金は雀の涙ほどの少額で、必要があって取り崩しもしていますから、全てドルとユーロに換えても大した助けにはなりませんでしたけど、不幸なことに、予測だけは当たってしまった感じです。(*_*) できれば当たって欲しくなかったけれど、我が国は、中央銀行が自国通貨の価値を積極的に毀損し続ける稀有な国ですからね。円の毀損策を続けながら為替に介入しても、効果のほどは知れてそう。金利を目立って上げれば日本経済を急速に冷やしかねない灰色のサイが育つ中、日銀はどんな判断を下すのか (・・;ウーン
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「出張経費で泊まれるところ少ない…」首都圏ホテル代、1年半足らずで2倍以上 地方企業やビジネスマン、高騰に苦慮 社規定見直しの検討も
山陰中央新報
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
海外担当部門で働くことが多かった1990年代、出張や旅行で海外にいくたびに、「我々は当たり前のようにこんなホテルに泊まるけど、現地の人たちは簡単には泊まれないだろうな」なんて失礼なことを言い合ったものでした。 その後、我が国は通貨価値の毀損策を積極的に取り続け、円の実力(≒実質実効為替レート)は当時の半分以下に落ちました。日本人にとって海外の物価は高く、外国人にとって我が国の物価が安いのは当然です。 多くの外国人が泊まるホテルは、サービス業の中では世界的な一物一価が比較的働き易い業種です。日本人がホテル代を高く感じるのは、円の購買力が世界の中で大きく落ちたからにほかなりません。日本のホテルに泊まる外国人は、私がかつて口にしたような言葉を、日本のホテルで、たぶん呟いていることでしょう。 オミクロン株が拡がって、感染しても症状が出なければ気にしない普通の病気として諸外国が新型コロナ感染を扱い始めたころ、異次元の水際対策を執拗に続ける日本政府を皮肉って「円安で全てが強烈に安くなった日本に外国人観光客が押しかけて安い安いと買い物したり遊んだりするのを目にしたら、日本の庶民が貧しさを実感し、需要が増えて物価が更に上がって支持率が下がらないとも限りません。まさかそれを怖れているわけじゃやないですね」と書きましたけど、正にそういう状況が生まれているような・・・ https://newspicks.com/news/7551730/?ref=user_1228737 通貨の強さは国の強さの反映です。円安のカンフル効果に頼って企業と産業を国内で育てる策を怠った我が国が、途上国並みの豊かさに逆戻りする兆候の一つで無ければいいけれど、何だか寂しい話です (・・;ウーン
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国債買い入れ変化に身構える市場、円安と需給逼迫で日銀動くか
Bloomberg
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
IMFが今月、世界経済の長期見通しを出しました。G7各国についてコロナ禍前の2019年のドル建てのGDPと2029年のそれを比べると、英国1.63倍、米国1.62倍、カナダ1.61倍、ドイツ1.38倍、フランス1.34倍、イタリア1.31倍、そして日本は0.97倍と見られています。自国通貨建てで見た経済規模の伸びは然程変わらないにも拘わらず、これほど大きな差が付くのは円の価値が大きく毀損されたが故でしょう。 GDPは国内で産み出されたモノとサービスの価値ですから、極端な話、日本で作ったものを日本で全く使わず総て外国に売り飛ばせば、GDP相当のドルが手に入ります。このドルで日本人は石油でも天然ガスでもビトンのバッグでも買えますから、ドルで測ったGDPは、とどのつまり、国民が働いて稼ぎ出して国民と政府が世界の中で分けて使える日本の所得です。その所得が円安でこれほどまでに毀損されれば、日本人が世界の中で豊かさを失って行くことは避けられません。 デフレなり低インフレなりの国の通貨は、高くなり続けてこそ購買力が維持できるのです。その通貨が逆に安くなり続けたら、国民の購買力は急速に落ちて行く。本来高くなるべき円がこれほどまでに安くなったのは、異次元と言う名の異常な金融緩和でモノとサービスの裏付けの無い円を無制限に世の中に流し、異常な低金利で円の魅力を落とし続けたからにほかなりません。 どこかで何とかしなければならないのは確かですけれど、景気刺激に頼り過ぎて潜在的な成長力を落とした日本経済は、果たして利上げに耐えることが出来るのか。日銀が国債を買う量を減らして長期金利に上昇圧力が掛ったら、日銀を非難する声が高まりそう。難儀なことではありますね・・・ (・・;
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日銀・植田総裁「基調インフレ上昇続けば利上げ」 ワシントンの講演で
TBS NEWS DIG
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「基調的なインフレ率の上昇が続けば、利上げを行う可能性が極めて高い」 φ(・ω・ )フムフム... 物価が上がるということは、モノやサービスの価値がおカネの価値と比べて相対的に上がるということで、おカネの価値が相対的に下がるということと同じです。中央銀行はおカネの価値を守ること、言い換えれば物価を安定させることが最大の使命ですから、インフレが激しくなれば、金利を引き上げておカネの魅力を高める、つまり、おカネの価値を取り戻すのは当然です。植田総裁はごく当たり前のことをおっしゃっているだけで、特に驚くほどのことではなさそうな・・・  政府は巨額の税金を投じてガソリン代や電気代を下げてインフレ率を低く見せていますけど、日本では、2%を遥かに超えるインフレが長期に亘って続いているのが実態です。基調的なインフレ率が2%に達したかどうか確信が持てないというのが政府と日銀の立場であるようですが、企業物価が過去3年で20%上がっているのに対し、消費者物価の上昇は9%程度に過ぎず、企業の価格転嫁が終わったとは思えません。しかも円安が猛烈な勢いで進み、すなわち通貨の価値の下落が猛烈な勢いで進み、モノとサービスの価格に上昇圧力が加わっています。 文字通り取れば当たり前のご発言ですけれど、円安とインフレは簡単には止まらないとの認識が内心におありなら、事は穏やかでないかもしれません。知らんけど f(^^;
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