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生成AIで出遅れる中国、規制が足かせ 恐れる体制批判
Reuters
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
アプリケーションの1つとしての「AIチャットサービス」 の普及という意味では確かに中国はスロー。ただ、それを もってGenerative AI(生成AI)全体の取り組みが劣後と 印象付けるのは、ミスリーディングかと思いました 寧ろ、基盤レイヤー(例: LLM(大規模モデル))での 基礎研究は中国は長期着手中で、やはり米中双璧をなす 状況に近づきつつあると見た方が良さそうです (学界の方々がFairに良くご理解かと思いますが) 私の知りうる限りで2つの例を挙げてみます ①中国で最も高性能なLLM=研究所発(≠IT巨人発) 智譜AI(Zhipu)のChatGLM がGPT-3.5(Chat GPT) レベルに既に到達('23年初時点) ・17年からLLMの発展を予見、官民共同で5年以上  取り組んできた中国版OpenAI  -智源研究所(清華大学発)の副院長が創設、   大学・政府が計10億USDものリソースを投下した   成果をSpinoff ②世界最高性能のオープンソースLLM="中国人発" CloseなTransformer路線へのアンチテーゼとして オープンソース×非Transformerベースの軽量型LMMも 登場、代表格が中国人発のRWKV ・Transformerと比べて、同一性能(≒パラメーター)  あたりの計算量が圧倒的に小  -計算複雑度: RWKVはO(N)    << TransformerはO(N^2)~O(NlogN) ・大規模化での必要GPU数を劇的に削減すると共に  小型デバイスへの搭載も可能に ・既に技術的に一定評価を獲得済  -Githubで8,000 Star(6か月間)  -Chatbot Arena('23/5)世界6位   ・UC Berkeley、UCSD、CMUが共同設立した    LLM研究機関LMSYSによる評価   ・商業化利用可能なLLMでは世界1位 中国ではアプリケーションが具体化された段階での キャッチアップ・大規模投資・社会実装スピードが お家芸でした(例: 監視カメラ → 画像認識AIの普及) しかし、ことGenerative AI領域に関しては、逆説的ですが  アプリケーションがそこまで普及していないのに  基礎研究が進展している ところに中国(に限定せず中国の方々)の底力あるように 感じます
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中国、8月から生成AI規制 「政権転覆扇動」を禁止
共同通信
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
4月にパブコメ版出ていた中国Generative AI規制案 が8月から施行とのこと 元ソースを辿ると、主には3つのポイントある模様 ①法令遵守: ・Generative AIサービスの提供者は、法律法規を  遵守、ネットワーク安全とデータ安全を保障、  個人情報と知的財産権を保護、公序良俗や国家統一  に害しないコンテンツの作成義務を負う ②登録制: ・サービス提供者は、関連規定に従って国家ネット  情報部門に安全評価とアルゴリズムの登録が必要 ③責任者の明記: ・製品インターフェースの目立つ位置にGenerative AI  で作成した旨を表示し、ユーザーの苦情チャンネル  と緊急対処メカニズムを設置する 所感 ・パブコメから法施行までの標準(1年?)からして、  4ヶ月はかなりスピーディーな対応と言えるか ・個別具体的な規制というよりは、まず枠組みを用意し  検討進めようとの意味合いが大きそう ・「著作権データによる無許可モデルトレーニング禁止」  (①)や「GenAI由来の明記」(③)等は、欧州でも  議論されている内容に近い?  (一方で国家安全保障に関する概念は勿論、中国なら   ではの要素も存在) (参考)パブコメを経て規制トーンは少し弱まった模様 ・草案の「結果の信頼性とコントローラビリティを保証」  は業界から突っ込まれ、「安全・安定・持続」へ ・「AI産業促進」のための規制案の側面も強調  -公共トレーニングデータPFの創設なども法案で明示  https://baijiahao.baidu.com/s?id=1771288180995996887  (網信弁の記者問答の文字メモ)
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大手テック企業がこぞって発表、中国版「ChatGPT」の実力は? 中国の大学入試 作文問題では米OpenAIの「ChatGPT」に軍配
JBpress(日本ビジネスプレス) JBpress 最新記事
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
中国LLM開発の取り組みが整理されており、良いですね 過去コメント通り、中国VC/AI界隈ではLLMを作る 一定能力持つ中国チームは12あると言われ、Open AI (GPT4.0)を100点とし、現時点の到達点は以下 ・智譜AI(Zhipu) 60点(GPT-3.5)  -表中の「研究機関>精華大学>ChatGLM」  -‘17年からLLMの発展を予見、官民共同でスタート   した中国版OpenAI  -智源研究所(清華大学発)の副院長が創設、   大学・政府が計10億USDものリソースを投下した   成果をSpinoff  -国際論文を通じて「知る人ぞ知る」存在 ・Baidu 30点(GPT-2.5)  -'23/6にGPT3.5級に到達? ・Bytedance米国ラボ ~30点 ただ、上記を含む表中のモデルは基本的に全てTransformer モデルが出発点 最近、個人的に注目中のトレンドは、  「非Transformerベース」の軽量LMMの出現 であり、その代表格として中国人発×オープンソースLMM のRWKV。これはTransformerモデルと匹敵する技術路線 となる可能性があるかもしれません (中国人発だが、OpenAIのClosed路線に対するアンチ  テーゼとしてオープンソース路線を意識、ボーダレスな  LMMの発展に資する期待も) (参考)RWKV: RNN(非Transformer)の軽量LMM ・Transformerと比べて、同一性能(≒パラメーター)  あたりの計算量が圧倒的に小  -計算複雑度: RWKVはO(N)    << TransformerはO(N^2)~O(NlogN) ・大規模化での必要GPU数を劇的に削減すると共に  小型デバイスへの搭載も可能に ・既に技術的に一定評価を獲得済  -Githubで8,000 Star(6か月間)  -Chatbot Arena('23/5)世界6位   ・UC Berkeley、UCSD、CMUが共同設立した    LLM研究機関LMSYSによる評価   ・商業化利用可能なLLMでは世界1位 ・140億パラメーターの100言語モデルをリリース済  -1,000億パラメーター(≒GPT3.0~3.5級)を年内予定
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【スラダン、すずめ】アニメ映画、中国連続ヒットの仕掛け人
NewsPicks編集部
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
面白い記事ありがとうございます。教え子の中国の大学生 たちの日系IP・アニメ好きの健在ぶりも日々感じています それはそうと、少し抽象化して、「日本の強み」と 「中国の巨大市場」の結節点の1つであるエンタメ産業の 変遷から学べることは非常に多いと思います ここでは日中間ビジネスのバリューチェーン上の連携モデル (もっと直接的に言うと勢力争い)の点からコメントします 日中のコンテンツ産業の連携モデルは、大きく4パターン ・①日系コンテンツのライセンスアウト(日本→中国)  -日本コンテンツをそのまま持ってきて中国で販売   (言語・一部内容等の部分的なローカライズ含む)  -下流のPF(アプリストア・配信PF・映画館)のみ中方 ・②日系IPのIPライセンスアウト(日本→中国)  -日系IPを用いて、現地で開発   (新作ゲーム、リメイク映画 等)  -中流の制作レイヤまで現地を知る中方が着手 ・③日系IPへの出資(中国→日本)  -最上流である日本の製作委員会まで中方が関与 ・④現地発IPの台頭・世界展開(中国→日本/世界)  -中国発IPが「地の利」(巨大な自国市場と②で   培った開発力等)をレバレッジして世界展開  「ゲーム」ではご存じの通り、想像を遙かに越えるスピード で②→④に到達してしまいました ・今や中国内ゲーム市場の大半に留まらず、日本の  モバイルゲーム市場の30%も中国発IP しかし、一方の「アニメ」はどうか?これが、「実はまだ ①も善戦中」という嬉しいニュースが本記事の出発点 1つ言えることは、月並みな所感ですが、 「機能性」と「ストーリー・ブランド」どちらの変数が強く 作用しうる領域かによって異なるということでしょうか 言い方を変えると、以下のせめぎ合い (実際は0 ⇔ 100ではなく、濃淡の問題) ・「下流(市場・顧客接点)」は中国優位の中 ・「中流(機能性)」で中国が突き抜けてしまうか ・「上流(ストーリー・ブランド)」で日系/外資が防衛  しきれるか (A)ゲーム側 ≒ 家電・スマホ、EV、一般消費財・・・ (B)アニメ側 ≒高級消費財 (B)で善戦があるという単体の話も勿論良いですが (B)→(A)に援軍・示唆を送れるような話が出てくる とより面白いなと思案しています (みんなで考えていきたい話)
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百度が発表「中国版ChatGPT」で中国人に即バレた不都合な真実
Diamond Online
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
別記事にもコメントの通り、一見、”中国産LLM” (Large Language Model)(≒中国版OpenAI) への挑戦は「つい最近始まったばかり」かつ 「Baiduが大きくリード」の印象受けますが、実態は 必ずしもそうではないようです (参考)’23年〜の中国産LLMに関する報道 ・Baiduの文心(アーニー)積極展開 【本記事】 ・李開復(元MSRA創設者・元Google中国社長)  による”Project AI 2.0”始動 ・王慧文氏(美団共同創業者)の300億円調達、・・・ 実はこれら「IT大手」の動きは「氷山の一角」に過ぎず 「大学/研究所」を起点に5年前から着々と進行中 ・中国ではLLMを作る能力持つチームは12ある模様 ・特に「大学/研究所発」が着手時期・実力値で頭一つ  抜けており、次に「IT大手」が続く この「大学/研究所発」で注目すべきプレイヤーは 少なくとも次の2つ ・智譜AI(Zhipu AI):‘17年からLLMの発展を予見、  官民共同でスタートした中国版OpenAI  -智源研究所(清華大学発)の副院長が創設、   大学・政府が計10億USDものリソースを投下した   成果をSpinoff。既にGPT-3.5レベルに到達と自負  -国際論文を通じて「知る人ぞ知る」存在 ・瀾舟科技(Lang boat): 李開復氏の立ち上げた  インキュベーター「創新工場」がMS出身者中心に創設  -李開復氏の”Project AI 2.0”もスクラッチではなく、   同社技術をベースに立ち上げる模様 Open AI(GPT4.0)を100点とすると、ざっくり 現時点の中国の到達点は以下との声も ・大学発 智譜AI 60点(GPT-3.5) ・Baidu 30点(GPT-2.5) ・Bytedance米国ラボ ~30点 「中国のGenerative AIは大きく出遅れ」と認識しがち ですが、実際はそうとも言い切れません 実際に業界関係者/VCと議論して回ると、また違った 景色が見えてくるものです(反省と自戒を込めて) (過去コメント) AI研究の大物カイフー・リー、ChatGPTに挑む新会社「Project AI 2.0」を設立 https://newspicks.com/news/8249292?ref=user_227287
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中国発アプリ、なぜ米若者の心をつかむのか
NewsPicks編集部
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
「中国の競争力とは、競争が厳しすぎることだ」- これは昨年セミナーでご一緒したSHEINの初期投資家が 仰っていたことで、まさにこの一言に尽きると思います 中国のネット業界がここ進年で急速に成熟・寡占化を 経験してきた中、中国の”地の利”を活かしながら、 世界に活路を見出し成功する例が増えてきています ・①熾烈な競争下を戦った連続起業家/チームの経験 ・②『世界の工場』として培われたサプライチェーン ・③『世界のデジタル工場』とも言えるエンジニア   リソースと知能化/DX化のノウハウ  -個別のネットサービスへの知見だけでなく、   「ハイサイクルで改善を繰り返す」というまさに   DXそのものの考え方まで含む(記事内でも言及) (cf. ①〜③を具備するのがSHEIN / TEMU) 但し、そこで必ず出てきそうなのがTiktokに代表 される経済安全保障の話で、中国色をより消した形の 「中国に起源を持つ華人企業」  (海外のみで事業展開    or 創業者が海外移住し多くの機能は海外に保有) として展開していく例も一定出てきそうです → Sequoiaも"Long China"から"Long Chinese"へ  (中国投資だけでなく華人起業家への投資に拡大) これまで10年は「中国国内×toCネットサービス」の 黄金期でしたが、今後の中国ベンチャー業界はざっくり 「海外×toC」と「中国国内×toB/toG」の2つの 方向性に大きく分化することでしょう ・中国に起源持つ/地の利を活かした「華人企業」による  グローバル事業(toC)  -ネット系サービス ・相対的に未成熟で白地が大きく、産業政策に沿う中国  国内産業のupgrade/DX化(toB/toG)  -製造業(高度化・カーボンニュートラル等)、   ヘルスケア、消費財、モビリティ (参考) ちなみに日本でも、知ってか知らずかのうちに、 中国に起源持つアプリを使っていることはありますね ・モバイルゲーム(もはや市場シェア30%以上?) ・カラオケアプリ(市場シェア90%以上)  -PokekaraはTencent musicのカラオケアプリ   全民K歌の日本向けコピー   (Tencent musicが一部出資する形で支援)
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JDドットコムのADR急伸、子会社2社が香港IPO申請
Bloomberg.com
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
直近で話題のアリババに先駆け、3年以上前から分社化・ スピンオフ上場を加速中の京東(JD)に新たな動き 既に上場済の①EC/②物流/③ヘルスケア、Pending中の ④金融に加え、⑤インフラ設備/⑥工業品もIPOを表明 ・①JD.com(本体/EC) HK/Nasdaq上場 8.4兆円 ・②JD物流(物流) HK上場 1.5兆円 ・③JD健康(ヘルスケア) HK上場 3.2兆円 ・④JD数科時代(元金融) 戦略投資 評価額 4兆円  -'22/6 京東とのスキーム整理で評価額2,000億元  -科創板にIPO申請 → Ant Financialの件で中断? ・⑤JD産発(インフラ設備) Bラウンド評価額 1兆円  -'22/3、80億USD評価、Hillhouse / Warburg   Pincus等 ・⑥JD工業品(購買PF) Bラウンド評価額 4,000億円  -'23/3、32億USD評価、Sequoia/ムバダラ等 これでもかというくらいConglomerate Discount解消 と組織の意思決定迅速化・若返りを意識した思い切りは (良くも悪くも)注目せざるを得ません また「EC → 物流/金融/ヘルスケア → インフラ/工業」 という流れはまさに  「表側 / toC / ネットサービスによる革新」から  「裏側 / toB・toG / 伝統産業upgrade化・DX化」へ という中国全体のイノベーション・ベンチャー投資の 流れを体現しており興味深いところ なお、どの子会社案件にも、Sequoia、Hillhouse等、 JD本体を苦しい時代から支えてきたTop Tier VCが顔を 出していることも付言しておきます
AI研究の大物カイフー・リー、ChatGPTに挑む新会社「Project AI 2.0」を設立
36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
最近、“中国産LLM(Large Language Model)” (≒中国版OpenAI)へのチャレンジに関する報道を 良く見るようになりました ・李開復(元MSRA創設者・元Google中国社長)  による”Project AI 2.0”始動 【本記事】 ・Baiduの文心(アーニー)積極展開 ・王慧文氏(美団共同創業者)の300億円調達、・・・ 本記事も含め、一見すると、つい最近始まったばかりに 見えますが、実はこれらは「氷山の一角」に過ぎず、 “中国産LLM”の取り組みは、「大学/研究所」を起点に 5年前から着々と進んでいたようです ・中国ではLLMを作る能力を持つチームは12ある模様 ・特に「大学/研究所発」が着手時期・実力値で頭一つ  抜けており、次に「IT大手」が続く この「大学/研究所発」で注目すべき中国プレイヤーは 少なくとも次の2つ ・智譜AI(Zhipu AI):‘17年からLLMの発展を予見、  官民共同でスタートした中国版OpenAI  -智源研究所(清華大学発)の副院長が創設、   大学・政府が計10億USDものリソースを投下した   成果をSpinoff。既にGPT-3.5レベルに到達と自負  -国際論文を通じて「知る人ぞ知る」ベンチャー ・瀾舟科技(Lang boat): 李開復氏の立ち上げた  インキュベーター「創新工場」がMS出身者中心に創設  -本記事の”Project AI 2.0”もスクラッチではなく、   同社技術をベースに立ち上げるようです ちなみに、Open AI(GPT4.0)を100点とすると、 ざっくり現時点の中国の到達点は以下になるとの声も ・大学発 智譜AI 60点(GPT-3.5) ・Baidu 30点(GPT-2.5) ・Bytedance米国ラボ ~30点  (中国に持ち帰れるか不明) 私自身も過去に「中国のGenerative AIは大きく出遅れ」 と安易にコメントしてしまいましたが、実際はそうとも 言い切れません 実際に業界関係者/VCと議論して回ると、また違った 景色が見えてくるものです(反省と自戒を込めて)
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文字起こしアプリ「Notta」日本市場に懸ける中国の連続起業家
日本経済新聞
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
文字起こしツールの「Notta」、日本のApp Storeでも MS Officeと並びTop10入り(※)など普及拡大中 ですが、実はシェア自転車大手Mobikeの共同創業者 による連続起業だ、というストーリー (※ 効率化ジャンル) 中国のネット業界がここ進年で急速に成熟・寡占化を 経験してきた中、中国の”地の利”を活かしながら、 世界に活路を見出し成功する例が増えてきています ・熾烈な競争下を戦った連続起業家/チームの経験 ・『世界の工場』として培われたサプライチェーン and/or 『世界のデジタル工場』とも言える  エンジニアリソースと知能化/DX化のノウハウ  (cf. 両方を具備するのがSHEIN / TEMU) → Sequoiaも"Long China"から"Long Chinese"へ  (中国投資だけでなく華人起業家への投資に拡大) そして、本記事の最後には日本のメディアにしては かなり踏み込んだスタンスが取られていることに 驚かされます >「経済安全保障などを理由に、中国発のネット > サービスを画一的に否定してしまっては、 > 日本の産業界の活性化は望み薄だろう」 ただ、もっと言うと、そもそも本件のような 「中国に起源を持つ華人企業」(海外のみで事業展開   or 創業者が海外移住し多くの機能は海外に保有) は「中国発のネットサービス」と呼ぶことすら、本来は 適切ではないのではないかもしれません いずれにしろ、今後は、中国のベンチャー業界は以下の 2つの方向性に大きく分化することでしょう ・中国に起源持つ/地の利を活かした「華人企業」による  グローバル事業(toC)  -ネット系サービス ・相対的に未成熟で白地が大きく、産業政策に沿う中国  国内産業のupgrade/DX化(toB/toG)  -製造業(高度化・カーボンニュートラル等)、   ヘルスケア、消費財、モビリティ (お知らせ/おことわり) 当方がPKSHA SPARX Algorithm Fundを通じて投資をしている先になります🤲
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アリババグループ、事業6分割へ それぞれIPO検討も
Reuters
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
子会社上場が頻出の中国にありながら、なおも驚異の 「全部門スピンオフ上場」ー 実はまさにEC同業の 京東(JD)が数年前に近しいことを進めています ・JD.com(本体/EC) HK/Nasdaq上場 8.4兆円  -JD物流(物流) HK上場 1.5兆円  -JD健康(ヘルスケア) HK上場 3.2兆円  -JD数科時代(元金融) Bラウンド評価額 2兆円   (科創板にIPO申請 → Ant Financialの件で中断?) ・Alibabaの場合は、持株会社だけが上にあり、ECも  (完全所有ながら)子会社とする点に少し差ありか 個人的に京東の事例でbefore/afterをベンチマークして、 こうした中国式親子上場モデル(?)の良し悪し/実効性 を研究したいと思っていたのですが、まだ出来ていません でした...汗 (一般的な子会社上場の論点以外に、他に何かあるかを  知りたい🤲) (過去コメント) 中国大手EC京東(JD.com)傘下の「京東物流」が 2021年に上場か 評価額は4兆円を超える見込み (2020/12) https://newspicks.com/news/5441338?ref=user_227287 【2023/3/29 JST10:50追記】 昨晩、眠気混じりに緩めのコメントをしてしまったので、 もう少しfactを補足しておきます ・高口さんも少し触れられているように、企業構造改革  は過去から進められていたもの  -古くは2020年から4事業体への分割、それぞれ独立   責任者をつけ強い権限を与えていた  -出発点はグループ各事業の伸び悩み、また成長中の   クラウド事業を他事業から分割し機動的に拡大する   目的(実際にクラウド部門CEOを張勇CEOが兼任) ・今回の主なupdateは「独立IPO」を付け加えたこと ・ちなみに主要6部門はクラウド / EC / 地図・地域生活   / 海外 / 物流 / エンタメ  -逆にAI / メタバース / ヘルスケアといったテーマが   カタマリで存在していないのも1つのメッセージ?  (ヘルスケアはECの延長、Generative AIや   メタバースもエンタメ/ECの延長で対応?)
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外資の中国投資18年ぶり低迷 22年下期、最大の73%減
日本経済新聞
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
もう1つのデータ、即ち「対中FDIは‘22年に過去最高」 と併せてみると、より正しいメッセージは ・△「中国投資は低迷」 ・⚪︎「入れ替わりが激しい」「二極化してきている」   (流入は過去最高だが、退出も増えてきた) ということではないでしょうか (マクロ経済の専門ではないため、ざっくり理解ですが  FDI(外国直接投資)=主にGross流入を見る  国際収支統計の負債=流出入のNetに近い、と理解) 実際の肌感覚に照らし合わせても、後者な気はします ・「入れ替わりが激しい」  -新規ハイテク/先進製造分野では外資投資は大幅増   vs. 伝統的な分野は国外へ流出 ・「二極化してきている」  -中国にコミット続ける勝ち組(10年前から分化)   vs. 退出組  -中国の地産地消サプライチェーンにダブルダウン   vs. グローバルサプライチェーンからは遮断 どの比較においても片方の事例しか記載がないように 見えますが、本来的には併せて記載する方がFairでは ないかなとは思ってしまいます (ソニーのカメラ移転の裏には、パナソニック(家電)  や村田製作所の新規投資もあるわけですし) いずれにしろ、確かにこれまで通りの一本調子ではない のは本当にその通りで、増加・減少していく分と、 減少を補いたい外資への異例のラブコールの効果等を 色々と見ていく必要があるのかとは思います ちなみにベンチャー投資の世界は、テーマの入れ替わり の影響もかなり効いており、内資(人民元ファンド寄り) の存在感が増していることは事実かと思います ・米ドルファンドの好む  「toC/表側/新興領域」×「巨大Jカーブ/爆速成長」   × 「米国上場」  → 人民元ファンドの好む  「toB·toG/裏側/伝統領域」×「堅実なupgrade」   × 「香港/中国(科創板等)上場」 ・外資(米ドル)の割合はここ数年ずっと30〜40%  で来ていますが、これからどうなるかは注視中
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中国、ChatGPTの利用停止 アリババやテンセントに指示
日本経済新聞
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
他の方もご記載の通り、当面は言論統制の観点から 「検索/SNS」同様の対応が取られるでしょう、つまり ・サービス提供者は中国国内にサーバーを置き、  中国政府による検閲を受け入れる必要がある ・問題が発生した際に法的責任を取る中国国内の主体も  明確化が求められる → 外資企業にとっては展開ハードルが高い構造が続く 類似サービスを提供する中国現地企業も当然ながら 規制対象になるわけですが、これは粛々と対応されて いくのでしょう ・Chatbot自体は(ChatGPT級には及ばずとも)  中国で既に広く使われており、運用面で政策対応  ノウハウ(Filtering等)は蓄積していると思われる 確かに中国で利用可能サービスが多いMicrosoft製品が ChatGPT連携を深める中で、中国と提供サービスの デカップリングand/or丸ごと中国国産代替に晒され ないかは少し心配・・・ (Officeの便利な機能が中国だけ使えない、それが  死角となり中国国産Officeが台頭 等) (参考)サブですが、本件周りの事実関係は以下 ①ChatGPTはそもそも中国で提供されていない  -「VPN接続」×「海外携帯番号で登録」が必要 ②結果、TaobaoやWeChat上でアカウント転売や  代理接続サービスのようなものが横行 ③中国政府はこれらの違法な転売・接続サービスを  取り締まるように指示 (同時にChatGPTや類似サービスが言論統制の監督  対象となると言及したと本記事より理解)
55Picks
【李開復】ChatGPTでAIは「2.0」にアップデートされた
NewsPicks編集部
板谷 俊輔日中ベンチャーキャピタリスト/コンサルタント プロピッカー
ChatGPT(を含むGenerative AI)で中国が米国に 出遅れた主因として、起業家/企業の考え方の差が 挙げられています ・米国は長期の技術ビジョンに基づき、短期のまだ証明  されていない、リスクの大きい事にもあえてチャレンジ ・中国は商業的価値が見えた段階で一気にリソース投下を  行ない、短期で市場投入し、収益創出するのが得意 これも踏まえ、「中国×Genarative AI」が出遅れた理由 は「データ」「アルゴリズム」「利用シーン」から末尾 のように全体像を説明できそう(自身の思考整理を兼ね) ちなみに米国でもGenerative AIで具体的なPMF見えて きているのはまだ4タイプ程度 ・Text-to-Text: ①広告文生成、②文法修正/書き換え、   ③Code補完 ・Text/Image-to-Image: ④個人向けAvatar生成 (中国ではまだPMF取れたモデルないが、ライブ  コマースの台本作りやファッションモデル生成等の  EC・ゲーム周りに萌芽あり) これから米中で様々なビジネスの試行錯誤が起こって いくことでしょう === 「中国×Genarative AI」が出遅れた理由 ■ 米国×Generative AIと比べて ・「利用シーン」が黎明期/試行錯誤段階なのは同じだが  米国は長期の技術ビジョンに基づいて投資を行う上、  短期的にも検索(≒Google)というdisrupt対象が  見え始めた(よってMSが巨額投資を継続)  ⇔ 中国は商業価値が見えない中で投資が劣後し、    また目先の検索(≒百度)の存在感も限定的 ・「データ」も英語の方がWeb上に量・質共に恵まれた  データがある  ⇔ 中国はそれがない  (要因はアプリ/プライベートトラフィックの発達、   言論統制 等の複数が考えられるだろう) ・(「アルゴリズム」は米中エンジニアの質/量に大差  なく、上記2要素の従属変数となりそう) ■ 中国×他AIと比べて ・画像認識は政府が「利用シーン」(監視カメラ数億台)  と良質なデータ(身分証明書の写真や安価で大量の  アノテーション人員 等)、更にはベースのPJ発注まで  支えて、世界に先駆けて発展 ・自動運転も潜在的だが巨大な「利用シーン」と、政策の  緩和により初期からデータ取得・実験環境が見えていた
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