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鳥インフル急増、卵高騰も 牛に感染波及で混乱 米(時事通信)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
米国農務省の研究者らによる報告書では、高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスが、昨年12月初旬に、野鳥からテキサス州の乳牛に感染し、牛で流行しているとされています。
5月2日の時点で、9州で牛の感染が判明し、市販の牛乳サンプルの5分の1からPCRによってウイルスが検出されたとされています。
また、農務省の報告書によると、ウイルスは牛から他の哺乳類(猫や狸など)や家禽、野鳥にも感染したとしています[1]。
これらを受けて、さまざまな記事がForbesなどに掲載されています[2][3][4]。
これまで鳥から哺乳類に感染が確認されていたH5N1が、哺乳類から哺乳類に感染が確認されたことが重要です。鳥インフルエンザが人間に感染した場合は死亡率が高く、留意が必要でしょう。
[1]Abbasi J. Bird Flu Outbreak in Dairy Cows Is Widespread, Raising Public Health Concerns. JAMA 2024.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2818724?utm_source=twitter&utm_campaign=content-shareicons&utm_content=article_engagement&utm_medium=social&utm_term=051024
[2]米国で鳥インフルエンザが「人間にも感染」 鶏肉や卵、牛乳は安全か?
https://forbesjapan.com/articles/detail/70141?module=article_related
[3]鳥インフルエンザの人間への感染、次のパンデミックになるのか?
https://forbesjapan.com/articles/detail/70777
[4]市販の牛乳5本中1本から鳥インフルエンザ検出 米FDA
https://forbesjapan.com/articles/detail/70638?module=article_related
母乳の抗体が子どもの脳に影響 メカニズム解明 親子で研究チーム
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
興味深い研究ですね。
元論文はこちらのようです。
https://jneuroinflammation.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12974-024-03100-z
一般的に、複数のマウスに投与すると思うのですが、本研究では記載がみあたりませんでした。今後、再現性があるかどうかの研究をされるのかなと思います。
限界には、ヒトでの再現性があるかどうかはまだわからないとなっています。
また、IgGにはサブクラスという種類があり、どのIgGサブクラスがミクログリアの機能に影響しているかも、今後の研究が必要だそうです。
"子育て世代の味方"と絶賛されていたが…この春の診療報酬改定で「往診サービス」が激減する背景(プレジデントオンライン)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
いわゆる「みてねコールドクター」「ファストドクター」などの往診医療サービスが、順次縮小されていく背景に関して、くわしく解説されています。
医療において急遽対応しなければならないときに、多額の診療報酬が支払われる『ひずみ』がでることがあり、そこに着目した医療機関が大きな利益を得ました。
それが、診療報酬改定があって、撤退・縮小されるという状況です。
往診という形態は、本来は大きなコストがかかります。
そこにほとんど自己負担のない制度にすれば、サービスを受ける側としては『良いサービス』にはなりますが、長期的に持続可能とはいえないでしょう。
とはいえ、夜間や休日の診療には、そもそも大きなコストがかかり、二次病院や三次病院には大きな負担となっています。
どのような形が適切かはわかりませんが、より適切なコストのかけかたが必要になっていることは間違いないと思います。
小児救急病院、小児科のみで3億円以上の赤字で病院経営を圧迫-子どもも医師も守るためにできることは(Medical Note)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
小児救急病院の収益性は低く、東京をはじめ大都市ですら維持が難しくなってきています。特に問題は、夜間や休日の医療や重症患者さんを扱う二次病院、三次病院と思います。
すくなくとも、眼の前の二次・三次病院は、いつ縮小されてなくなってもおかしくはありません。実際、東京23区内でも、区内に小児で入院できる施設がひとつもないという区がではじめています。
感染症が減っていることはもちろん良いことなのですが、感染症以外のさまざまな疾患で入院される方の比率が高まり、そのような方々は感染症には脆弱です。そのような方と同じ部屋に感染症の患者さんの入院が不可能であることは多くの方が理解できることと思います。
もちろん、インフルエンザの患者さんの横にコロナの患者さんをというわけにもいかないでしょう。
すなわち現在、感染症の大きな拡大があっても対応は難しくなっているだけでなく、そもそもの入院や救急対応は難しくなっています。なお、現在、9割以上の二次・三次病院の夜間・休日は『宿日直対応』になっており、当直医はほとんどいません。がんばって子ども達の対応をしていても『休憩時間』にカウントされています。それでも、現在の二次・三次救急病院では宿日直対応を当直医のように対応を続けている小児科医がほとんどでしょう。
『たらいまわし』などという報道も見かけますが、座席が埋まったジェットコースターに立って乗るわけには行かない以上、患者さんが増えたときに溢れてしまう現状は改善のしようがありません。
重症患者さんへの対応は、その能力を高め、維持しておく必要があります。すべての小児科医が対応できるとも限りません。小児科の入院や救急の受け入れが縮小された病院の対応が、再度再開される可能性は低いでしょう。
20歳未満の医療費は全体の5%程度でなので、2倍にしてもいいのではないかと思っていますが、いけませんか…
ヒルドイド、10月に自己負担増 保湿薬、医療費抑制で厚労省
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
外用薬における先発品とジェネリック品に関しては、有効成分だけでなく基剤にあたる部分の違いに配慮が必要です。
たとえるならば、果汁3%のジュースにおいて、果汁部分が同じでも他の97%が異なれば性能が変わりうるということです。
個人的に問題と思うのは、乳液にあたる製剤がジェネリックでは見当たらないということ、油脂基剤(軟膏)や、液状(スプレータイプを含む)も、ジェネリック製剤があわないという方もいらっしゃるということです。混合などのデータ不足もあります。
ただし、別途、考慮するべき点もあります。
地域によって、保険にみとめられる上限には差があり、100gから500gと幅があるようです。地域による不公平性もあるでしょう。そのようななか、一部の医療機関で一度に1000g以上も処方をしたり、患者さんの希望に応じて(アトピー性皮膚炎などなくとも)処方をされているという実態もあります。今回の指針は、これらを是正したいという思惑もあるのかもしれません。
ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤が保険適用となっている国は、世界的にはめずらしいです。ジェネリック主体となったとしても、保険適用になっている現状を守っていくという観点も重要と個人的には思います。
苦しくなる医療財政からも、適正に使用するという観点の必要性が高まっているといえましょう。
「ノイズキャンセル機能は脳に悪影響」って本当ですか?
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
ノイズキャンセリングイヤホンが騒音性難聴の予防に効果的であるという研究結果があります。
たとえば、地下鉄などの騒音環境では、ノイズキャンセリングイヤホンが騒音レベルを大きく低下させ、他のタイプのイヤホンやヘッドホンよりも有害な騒音を減らして騒音性難聴の予防に役立つという順天堂大学からの研究結果があります[1]。
ノイズキャンセリングイヤホンは、特に騒音の多い環境で騒音性難聴の発症リスクを低下させるということです。
以前、耳鼻科専門医の先生も勧めていらっしゃいました[2]。
そもそも、ノイズキャンセリングイヤホン(もしくはヘッドホン)は無音状態はつくれませんよね。
[1] J Audiol Otol. 2022 Jul;26(3):122-129.
[2] https://twitter.com/ent_univ_/status/1267092361407950850
「コロナ明け」でアタマジラミ増加? 子どものプール学習も要注意
東京の保育園、子どもの遺伝子検査を推奨・仲介 保護者3割が応じる
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
私たちの体細胞にはおよそ3ギガバイトのデータが保存されているそうです[1]。
そのうちの一部の違いが私たちの個性を形成しています。
たとえば、がんになりやすい家系、糖尿病になりやすい家系、アレルギーになりやすい家系などがあり、これらも個性といえましょう。
遺伝子解析は口腔粘膜や血液からDNAを抽出して行われ、以前に比較すればコストも下がっています。
ただし、『遺伝』というと、メンデルの法則のように『全部が遺伝する』というように理解が十分でないこともありますし、そもそも倫理的な問題もはらみます。
検査の質もばらつきますし、その説明能力は高いものが要求されます。『遺伝カウンセリング』が可能な医師に相談するべきでしょうし、ビジネスとしておこなっているような遺伝子検査に関して、どこまで理解して説明できるのかに懸念が残ります。
[1] https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/departments/applife/knowledge/article-032.html
寝ていられないのに…医師の労働時間短縮の抜け穴?「宿日直許可」
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
明日から『医師の働き方改革』がはじまり、多くの病院が『宿直体制』になります。
宿日直許可の基準は、
1) 常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可するものであること。
2) 原則として、通常の労働の継続は許可しないこと。したがって始業又は終業時刻に密着した時間帯に、顧客からの電話の収受又は盗難・⽕災防⽌を⾏うものについては、許可しないものであること。
とあります。
実際にそぐわない状況で、場合によっては夜中に救急車が列をなすこともあります。
宿日直でも『がんばっている』病院に患者さんが集中して、さらに夜間・休日診療はきびしくなっていくと思っています。受け皿が減る以上、救急車を応需できる場所も減るでしょう。
23区でも例外なく、小児科は入院できる病院がなくなるところも増えていくでしょう。
厳しいですね…
NORMAL
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