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アマゾン、凄まじい大量解雇…過酷な人事評価制度、自動化された解雇システム
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
人員整理については、個々の感じ方や影響は様々です。いつリストラになっても次々とオファーを得て高額パッケージを手に転職していける人が注目される一方で、そうすることのできない人、1年以上、場合によっては何年も再就職にたどり着けず大変な思いをしている人がいるということ。
後者の人はなかなか可視化されません。とりわけ大変な思いをしているのが、産休・育休中の人、障害者、シングルマザー、高齢の人、ハラスメント被害者、メンタル不調者。リンク先の記事を読んで、アマゾンで働いている人にもそんな人がいるのかと思うと心配になります。
筆者は、リストラ局面で様々な形で「有害なポジティブさ」が現れるのも気がかりに思っています。例えば、自分が職を失うことへの当然の不安や会社のやり方への不満を表す人に対して、「外資系ではそういうことに備えて準備しておくのが作法だろう」というような意見が出されるのを見かけることがありました。「会社に寄りかかるのではなく、しっかりと自分の足で立つのが大事だ」ということを言いたいのでしょうが、聞く側からすれば緊張しますし、言いようのない疎外感を持ってしまう言葉だと思いました。
手続きの問題や、転職に困難を抱えやすい人の境遇、有害なポジティブさ、これらは人員整理に潜んだ雇用やキャリアの社会課題と考えています。
IT大手・セールスフォース日本法人、雇い止め訴訟で「発達障害」の女性と和解
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
尋問が開かれず非公表の和解で終わったのは、大きな課題。
裁判を支援した障害者団体により国連の訪日人権調査に持ち込まれ、係争段階で判決を待たずして「障害者が職場での差別や適切なサポートへのアクセス困難にさらされている懸念すべき事例」という文で声明に反映された。日本の企業や就労支援者や法律家はグローバルスタンダードの厳しい見方を受け止めよ、というメッセージだ。
被告であるセールスフォース・ジャパンは、外資系のIT企業だった。歴史的にもアメリカ系企業の一部で行われてきたような、アグレッシブな解雇・雇い止めをいとわない雇用慣行(昨今のレイオフもそう)、極端な能力主義・成果主義の環境で、健常者も追い詰められているが、障害者はもっと深刻に脅かされている。障害者雇用制度にある合理的配慮、定着支援、法定雇用率、そのどれもがあっても守られなかった。こうした企業が安易にもてはやされることや、日本の労働法制を足かせとみなしてアメリカ方式を押し付けるやり方が障害者雇用にも持ち込まれることに、筆者は警鐘を鳴らしている。
裁判の経緯から給与3か月分よりは多い和解額とみられる。だがハラスメント対策や合理的配慮の改善姿勢は不透明。
問題の背景や原因は、急激な増員で障害者雇用率の大幅未達が続き障害者採用に追われ、上司の理解がないまま原告の採用が行われ、上司に研修しても改善されなかったこと、ハラスメント相談体制の機能不全にあった。雇止めの年には法律で罰則もあり情報公開の対象になる障害者雇用数報告すら怠っていた。
裁判に至った根本部分は残り、2人目のパワハラ解雇訴訟も続いている。
アクセンチュア、1万9000人削減へ-コンサルティング業界で最大規模
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
アクセンチュアといえば、発達や精神の障害者のサテライトオフィス雇用を就労支援会社と連携して進め、何十人と雇用を生んできたのですが、グローバルで従業員数の2.5%にあたる1万9000人削減。日本ではどのくらいの影響があるのでしょうか。サテライトオフィスで働く人に、パニックになる人が出ないか…?
レイオフの是非ということではなく、こうした現状認識をもってサポートできる人材関係者がどのくらいいるのか。
逆にいえば、「次々とオファーを得てパッケージを手に他社に行けるような人材マネジメント」を、アクセンチュアサテライトは行ってきたかも問われる局面です。
人員削減や解雇について、個々の感じ方や影響は様々です。
こうした局面について、従来言われてきたこととは異なる形の問題提起をしてきました。
日系企業の障害者雇用枠では年収200万円前後で職域は事務補助や軽作業中心でキャリア形成が非常に難しいなか、職域や給与水準の面から外資系企業への転職に活路を見出そうとする身体や精神・発達の障害当事者がいます。
その一方で、様々な事情から一度カットの対象になった場合、健常者が次々とオファーを得る傾向なのに比べて障害者の再就職インフラは不十分で、労働争議や裁判も起きています。実際、再就職に1年数か月かかったという声、2年間で300社以上落とされたという声、家族の扶養対象や福祉の支援対象になりながら就職活動という声もあります。外資の勤務歴があるがゆえに障害者転職市場ではオーバースペック扱いで転職しづらくなったということもあります。
障害者だけでなく、他にも転職で困難を抱えやすい人はいます。Googleでの労組と会社の団体交渉では、大量解雇の対象者に病休中育休中の社員が多く選定されていたことに問題意識を持つ社員が現れ、争点の1つとなりました。
米セールスフォース、従業員10%削減へ オフィス一部閉鎖も
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
日本法人では新卒者への採用凍結や内定取り消しの影響や、障害者雇用訴訟(1月23日11時東京地裁第9回期日)に次ぐ第2、第3の訴訟も懸念。
「OpenWork」に掲載された口コミ(12月5日投稿)によると、「成果を出している人も長期休養に入る人が多い」という口コミがあった。この口コミは、会社担当者が選択しているPick Up社員口コミということで、信憑性はあるとみられる。
Pick Up社員口コミでは、「上は改善の努力をしているようだが改善の余地はない」、「転職エージェントに相談すると『セールスフォースは大変でしょう』と同情された」とか、転職エージェントにも似たような社員の声が色々と寄せられているもようが紹介されていた。他にも幾つか口コミが選ばれていたが、厳しい、忙しい、余裕がないという点は共通していた。「評価が高いのは会社の綺麗さや福利厚生のみ」というものまであった。
この時期になってこれらを会社担当者が公開口コミとして紹介するのは何の事情、何の意図があったのか…。
「外資系でリストラされても困る人はいない」は本当か?
一般に、外資系企業では人員削減について、「転職慣れしている人が多く、多少のショックはあっても、日常茶飯事でそこまでの大ごとではない」といわれる。
しかし、人員削減が個々に与える影響は様々。次々とオファーを得て好待遇で転職したり、恵まれた経験・人脈を元に起業したりする人がいる一方で、機会格差から次のステップへ移れず、労働市場から排除されていく人もいる。とりわけ激務で体調悪化したりした経緯があったり、いわゆる「転職弱者」の立場であれば、再就職は一層困難になり、何十社何百社不採用といった経験を重ね、ひきこもりになったり、経済的に困窮していく人もいる。
外資系が一部のリスク志向のバリキャリ即戦力採用者だけで成り立っていた時代はもう終わっていて、セールスフォースでも、激務で体調悪化し障害者枠で社会復帰とか、高卒で就労移行支援通って働くのは初めてとか、そういう人の存在を無視できなくなっている。
競争主義的価値観や自己責任論に浸かってきた立場やマッチョに荒波をサバイバルしてきた立場からの何気ないもの言いは、次のステップへ移れない人にはグサグサ刺さります。
もしつながりのある方で削減対象となった方がいましたら、再就職のサポートに協力することを呼びかけます。
ブランド失墜――セサミの人気キャラ「黒人の少女を拒否」 誤った対応、経営リスク招く恐れも
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
記事によると、動画を投稿した黒人少女の母親は「露骨にNoと言った後、隣の白人の女の子にはハグをした」「セサミプレイスには二度と足を踏み入れない」
これに対し、セサミプレイス側は当初、「コスチュームを着たパフォーマーは低い位置が見えづらく、子どものハグの要求に気付けない場合がある」「意図的に無視したわけではない」と説明したが、これがさらに批判を呼んだ。
その後、「この家族が経験したことに心から謝罪する。来場客が楽しめるよう、従業員への訓練を行う」とInstagramに投稿した。
セサミプレイス側の当初の説明がまずかった。意図がなければ許されることにはならない。
こうしたことは偶然起きたのか、それとも日常茶飯事に起きていたことで氷山の一角なのか。米国では、警察の不当暴力の問題はじめ、黒人の生活者から見えている世界には、白人には見えていないことが多くあるという。問題の前提となる社会的背景を知らなければ、何が問題なのかがわからないという問題ではないか。
こんな会社で働きたい!LGBTQ+フレンドリーな制度がある企業
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
かつてLGBTフレンドリー施策といえば殆ど外資系企業でしか行われていなかったが、最近では楽天、KDDI、メルカリなど日本企業にも見られるようになってきている。LGBTなど多様性課題をテーマにした社員グループの活動も画期的。
「プライド月間」は、その期間だけ盛り上がって終わるのではなく、根付かせるきっかけにつなげるのが大切。社内研修や相談窓口も、導入して十分整った、と満足するのではなく、機能させるのが大切。
Indeedはダイバーシティ&インクルージョン(多様性の包摂)を、ダイバーシティ・インクルージョン&ビロンギング(多様性を包摂し、所属意識を醸成)と呼んでいるようだが、良い概念。
若い世代に「多様性に寛容な企業で働きたい」という意識は高まっている。
一方で、施策を進めるうえで社内の「どうしても納得しない層」にどう向き合うか、企業も苦労していると考えられる。これも重要な課題の一つだ。
場面緘黙症の娘に厳しい叱責、必要な支援も受けられず…娘が名門私立中学で受けた「スクールハラスメント」
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
記事内容が事実であれば、発達障害者への無知・誤解に基づいたハラスメントにあたる。入ってからでないとわからないことは多いが、当初はまともな学校だと信頼していたことが裏切られたのは残念。
具体的にどこの学校であったかや、学校側から見た事実が書かれていないが、それがわからなければ判断してはいけないという記事でもなく、「仮にこういうことがあれば学校として問題がある、まずは一人で抱え込まずに相談が大切」ということが言える。
授業についていく学力はあるが、場面緘黙症を抱えているというケースは多い。
トラブルは小さな認識のズレから始まる。見えない障害がある場合、入学前に子どもの特性を読みやすくまとめた「取扱説明書」を作り、教師と共有することで、認識のズレからのトラブルを事前に防げることはある。それも一度共有して終わりではなく、何かあった時にも再確認が必要。
障がい者雇用から学ぶ、多様性をいかす組織の作り方
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
アクセンチュアのレポートでは、障害者平等が進んだ企業は競合に比べ、収益が28%、営業利益が2倍、収益性が30%それぞれ高いことが示されている。
同社日本法人が就労支援会社と連携したサテライトオフィスでは、発達障害者にとって成長と貢献が充足するような仕組みが非常に細かく作りこまれている。充実して働く当事者の声も伝わっている。
「当事者は常に正しく、問題の原因は環境にある」
「行動に徹底して着目する」
これらは障害の社会モデルにつながる。最近の障害に対する考え方は社会モデルに変わってきている。障害は個人の特性と環境との相互作用によって現れるとする考え。障害者が感じる不利は社会に問題があると捉え、個人のできないことに着目するのではなく、個人のできないことを問題と捉える社会の障壁に着目する。
「朝は挨拶するもの」というような「かくあるべき」を捨てることで活躍できる人もいる、という気付きも大切。
全国にLGBT就労支援を NPO、相談態勢拡大へ
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
Rebitは、LGBTであり、うつや発達障害でもある人・職を転々としている人が、企業への安定就職を目指す就労移行支援事業所を都内で運営。
Rebitによると、現状の福祉サービス現場ではLGBTへの理解教育がなされておらず、うつや発達障害のあるLGBT当事者の9割がセクシャリティによるハラスメントを体験している。複合的マイノリティであることで、求職時にハラスメントを受けたり、やっとの想いでつながった福祉サービスが安全に利用できなかったり、それらが重なり生きること自体に絶望し、亡くなる人もいるという。
同じくLGBT団体の虹色ダイバーシティは、「LGBTはそうでない人に比べ、メンタルに問題を抱える人の割合が2倍以上高い」と発表している。コロナで多くのLGBTが貧困を経験しているが、困窮しても相談しにくい、との声も多い。
東京に偏在している支援のリソースを、全国にも拡充させることが必要。
「非論理的」「許せない」自民会合配布のLGBT差別冊子に抗議デモ
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
「同性愛は精神の障害、または依存症」
日本精神神経学会は同性愛を精神疾患とはみなさず治療の対象から除外、旧文部省も1994年に指導資料の「性非行」項目から同性愛を除外した。またこの文はLGBTだけでなく、精神障害への偏見をもますます強めることを付け加える。
「LGBTの自殺率が高いのは社会の差別が原因ではなく、LGBTの人自身の悩みが自殺につながる」
この文の何がダメなのかは、差別をないことにし、生きづらさは個人で乗り越えるべき、社会のせいにすべきでないと結論づける点だ。
これらは当事者が声を上げていかなければ、なかなか変わらない現実がある。
日本ではデモが「迷惑」「偏っている」と捉えられがちだ。本件で、心を痛めながらもマイナスに思われるのを気にして発言を控えているLGBTもいる可能性が否定できない。しかし、声を上げることによって、気付く人、救われる人が大勢いることは、歴史が示している。
“正直過ぎる営業”でトップ成績、「大人の発達障害」の良さを引き出す上司のコツ
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
発達障害者と一緒に働く社員にとって、適切な対処法を知らないまま負担感が多くなり働きにくくなることは、持続的でなく、望ましいことではない。
互いに我慢し、愚直を言って終わりではなく、課題点を洗い出し、その背景・原因・解決策を示すことが大切。
最近の障害に対する考え方は、障害は個人の特性と環境の相互作用によって起きるという「社会モデル」の考えに変わってきている。これまでのような個人を環境に合わせる・またはそのための治療を中心にした「個人モデル」とは異なった、個人特性を「障害」にしたり悪化させたりしていた環境要因を取り除くことが大切ということだ。
「正直すぎる営業」も、見方を変えれば「不都合さも隠さず伝え、信頼を勝ち取れる」ことになりえる。これはビジネスのあるべき形ではないか。
「まずは“一人ひとりが貴重な働き手である”ということを多くの人が認識するのがスタートライン」という文の通りだ。
「LGBTQ差別の企業の出展はおかしい」ゲイ当事者が『アクサ』と実行委に抗議【東京レインボープライド2022】
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
警察を呼ぶのはやりすぎ。制度が整っていないことで当事者を失望させた企業よりも、声を上げた当事者に「スポンサーへの妨害行為」として通報した東京レインボープライド実行委員会の対応が残念。企業の実態を審査せず、当事者よりスポンサーの方を向いて仕事していると思われても仕方ない。
SDGsウォッシュを示す見本。
完璧な対応をしてないと出展できないことになるとハードルを上げてしまうため、成長過程の企業にも出展を認めるのは賛成。でもプラチナスポンサーにするのは…
>警察官は孝則さんの話を聞いた上で、「つらい思いにあわれたのは、孝則さんの方だったんですね」と声をかけ、抗議活動は問題ないと判断した。
警察にもLGBT理解活動の効果が表れてきている、と感じる。
【調査報道】「働きがいのある」グローバル企業は、発達障害者にも働きがいがあるか SDGsブームにも警鐘
長谷川 祐子PN長谷ゆう。翻訳者・ライター。ビジネスとダイバーシティを中心に取材・執筆・翻訳
ニューズピックスでも特集が組まれてきた、国際的影響力のある米国系IT企業セールスフォース・ドットコム日本法人での発達障害者への差別と人権侵害をめぐる大きな裁判が起きています。この企業は働き方や社会貢献で優れたイメージを築いてきました。しかし「平等と多様性」「ビジネスで社会変革」という内容を含む企業の発信が信じられるものなのか。
当事者だけでなく、専門家の声も交え、この企業の取り組みの今までとこれからを、企業文化、合理的配慮や定着支援の仕組み、雇用率データまでカバー。訴え以外にも問題(1日中待機状態だった、雇用率未達で納付金を払っている、雇用状況報告未提出問題、急激な増員計画の歪み、社名公表リスク)が出てきています。判決を待たずして考えられる材料として提供。全体で1万4000字以上。
私はこれを、「障害者の合理的配慮の労働問題」という狭いカテゴリの問題にとどめず、SDGsに悪影響を及ぼし、米国のESG投資家からも厳しい視線でみられる問題で、海外ではすでに先行し、 日本でも議論が始まった人権デューデリジェンスや人的資本の情報開示とも関連させて扱うようにしてきました。これらはグローバル企業が取り組むことで、広がっていくと考えられています。
厚労省の社名公表を待たずして社名公表リスクのある状態を指摘し、国の雇用行政や雇用政策を問うことにもしました。
NORMAL
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