過酷な労働環境で生産された原材料ないか 国内企業 確認の動き
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グローバルビジネスと人権、古くはナイキの途上国の工場、今はウイグルやミャンマー。この他にも色々なところに広がっていきそうです、外国人労働、ジェンダー平等、LGBT、障害者の雇用など。
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人権デューディリジェンスの実務を重ねていますが、最近は日本企業の取り組み姿勢が変わりつつあります。
大手の取引先からの要望に応えるための義務的な人権対応の企業もまだまだ多いですが、質問表ベースでの人権デューディリジェンスに加えて生産地現地への直接聞き取りを行うケースが少しずつ増えてきました。
今後は、まず児童労働・強制労働をしていないという「Do No-Harm」を徹底したあと、適正価格+プレミアム価格での生産地エンパワーメントを含む「Problem Solving」に踏み込むことが期待されます。新疆ウイグル問題へ世間の注目が集まっているほか、近年様々な国で人権デュー・ディリジェンス関連法の整備が進んできています。
今年、ドイツ政府は一定の要件を満たした企業に人権デュー・ディリジェンスの実施を求める「サプライチェーン法案」を閣議決定したほか、欧州議会は企業に環境・人権デューデリジェンス義務化を求めるイニシアティブレポートを可決し、早期の法制化を目指す動きがあります。
後者はEU域内の事業体だけでなく、EU域内で製品・サービスの提供を行う企業も、規模等に応じて対象となる見込みです。違反企業には罰金や公共調達や助成金からの一時的な除外、輸入禁止等の措置を取ることが見込まれています。
サプライチェーンを辿るだけでも労力と時間がかかる分野ですが、対応しなければビジネス存続にも関わり、日本企業としても前もった対応が必要となるという危機感をもっての動き出しと見られます。TCFDを中心とした気候変動対応の次に、最近日本企業が注目しているのが人権だと感じています。「人権」と言っても対象範囲は広いわけですが、現在はサプライチェーン上での人権侵害(児童労働や強制労働など)を確認する動きが広がりつつあります。今後の資金調達や契約条件に、人権デューデリジェンス結果の提出が求められる、というのも現実的な話になってきました。