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【髙田春奈】Jクラブが考える、理想的な「地域経済圏」への貢献とは
髙田 春奈
今年最後に寄稿させていただきました。
少しだけ補足すると…
私はクラブにしても企業にしても、「何のために」あるのかが不可欠だと思っています。それは優勝するためでも、儲けるためでもない。私たちは長崎から世界へ、一人でも多くの人にスポーツを通して平和や生きる楽しさを伝えていきたいという思いを持っています。
だから、この思いを届けるために強くなりたいし、会社を存続させ大きくするために儲けなければならない。それはもちろん努力する。だけど勝つことや儲けることが最優先課題になってはいけないと思っています。
ここに書いているのは、どうやって儲けるかではなく、地元企業という理念共有に欠かせない大切なパートナーとの関係性構築についてです。それはここ長崎で働かなければ気づけなかった、全くの理想論ではなく現実です。
素晴らしい思いを持つ会社やお店がここにはたくさんあります。たとえ非効率で、小さなものだったとしても、その思いをかき集め、力を結集することは、単なるお金集め以上に、理念の実現への仲間づくりという大きな一歩につながると思います。そしてそのプロセスに自分達の存在意義もあると感じるのです。
みんなの意見を尊重してなくしたもの パーパス広告が生まれない日本
髙田 春奈
私達V・ファーレン長崎は、被爆地長崎にあるクラブとして、理念の中に平和を掲げていますが、やっぱり一定数は、そんなこと言ってるから勝てないのだとか、政治的な活動に見えるからやめた方がいいと言われることがあります。
揺らぐ時もなかったわけではないですが、多くのサポーターさん達が価値を共有できている感覚の方が強く、むしろそれを失ったら自分達ではなくなると今は言えるようになりました。
パーパスは単なる社会的にいいこととか、企業活動の一つとかではなく、存在意義そのものだと思うので、広告だけではなくあらゆる活動の根底にあるものだと思います。サッカーで言えば、チームのフィロソフィーにも、事業方針にも、普及育成活動のあり方にも繋がってくる。例えば平和を掲げながら、乱暴なプレーはしてはいけないように。
それが意思であり、約束であり、一つの嫌われる勇気なのかもしれません。
Jリーグ 来季ホームタウン制撤廃へ 創設時の理念「地域密着」から新様式に 今月中にも正式決定
髙田 春奈
え?と思った記事の見出し。
もちろんホームタウン制撤廃なんてありえません。
いつもサポーターや自治体、地元企業と相対して仕事してるクラブが、そんなこと賛同するわけもないです。
この記事を見てお怒りの方々のコメントを見て、Jリーグがたくさん愛されてることがわかって、同じ思いなんだと逆に嬉しくもあります。
私たちは長崎のクラブですが、福岡に近い離島でアビスパのシャツを着て私たちのサッカー教室に参加する子供に会ったり、県内在住の熱狂的なレッズファンに何人も遭遇したり、それはそれで嬉しくて。負けずに、身近にあるV・ファーレン長崎の魅力にも触れてほしいと頑張れる。
大事なのはJリーグやサッカーを愛する人たちの輪を広げて行くことだと思います。
そう考えると、当初10チームしかなかったJクラブが今や50を越え、さらにそこに参入を目指す多くの地域クラブがある中で、これまでと同じルールで運営して行くことは難しい、だからルールを見直しましょうという、シンプルなものです。
神奈川県のように、何クラブも存在するエリアなどのご苦労は大変なものだと思います。
そして東京でも地域とつながる機会を増やすことは、地域創生にもつながると思います。
小さい範囲の利権を守ることに固執して、クラブの理念を広げて行くことができなくならないよう、しっかり議論して決めていきたいです。
広告代理店が“社会を牛耳る”ほどの影響力があるってホント? 東京五輪から見えた問題点と未来
髙田 春奈
確かに代理店は裏方で、良くも悪くも表に出ない、そのことが影響した行動はあると思います。
不祥事の際の説明責任の問題もなるほどと思いましたが、普段から、いざというときに隠れられるポジションで仕事をしいてるからこそ、なんか外から他人事のように参加しているように見えるのではないかと、現場にいて感じていました。
小さい広告代理店は全てに入り込むのでむしろ全ての責任を背負わされてしまうくらいの、それこそ「下請け」的な苦しさがありますが、大手は一つの案件でもいろんな部署の人が関わるので、全体のプロジェクトの中で何が問題なのか、誰が責任を取るのか、いまいち見えなかったりもします。
また、良く見せる、という広告の特性の問題もあると思います。どうしても「良さげに見せる」方に行きがちだけど、大切なのは、目の前のサービスやプロダクトを「魅力的に見せて」「お金にする」のではなく、クライアントの、やりたいことや、それに込めた想いを「本当に理解してひきだす」ことであり、
その企業や製品のいいものを知るためには、本当に入り込まないといけないし、お客さんの気持ちも想像しないといけない。
ブランドアクションだって、良く見せるようにやるんじゃなくて、いつもそう、根っからそうでないと意味がない。
それは代理店だけじゃなく、クライアントもプロダクションもみんな同じことで、広告代理店は少し外側になりがち、という点で、ヒールになりやすいのかなと感じました。
ただ本当にクライアントの気持ちになって仕事をしてくれる代理店の方にもたくさん出会ってきたので、結局は個人の生き方や哲学にも帰着するし、それに影響を与えるのが会社という傘なのではないかと思います。
長崎 田上市長 “条約への署名・批准と「被爆体験者」救済を”
髙田 春奈
平和祈念式典に参列してきました。
今年は長崎市長の平和宣言起草委員として推敲のプロセスを見てきたのですが、最初から最後まで一言一言が魂の込められた言葉となりました。わかっている文章なのに、聞きながら涙が出ました。
そして被爆者代表の岡信子さんのお話も心に刺さるものでした。看護学校生として、自らも被爆し、家族の無事を案じながら救護する様は、まさに医療従事者の個人の姿と現場の惨状を物語っており、新型コロナウイルスと戦う皆さんと重ねずにはいられませんでした。
自分達ではコントロールできないウイルスとの戦いに疲れている今こそ、人間が引き起こしている戦争の愚かさについて考えるべきではないかと思います。
簡単ではないけど、ただ大切な人の命を守りたいという思いと、同じ世界を生きる人間同士の対話から、信頼の連鎖は生み出せるはずだと思っています。
【8月予告】J2長崎高田氏、サツドラ富山氏など、地域に根を張るプロ参画
髙田 春奈
長崎でプロサッカークラブの経営をしています髙田春奈です。これまでは人事や広報、広告という領域に主に携わりながら、2020年に現職に就きました。また大学院博士課程にて教育思想の研究も行っています。
V・ファーレン長崎は2005年に創設された長崎県21市町全域をホームタウンとするJリーグクラブです。Jクラブは企業としての事業性を追求しながらも、地域と共にある存在として、社会課題を解決していく主体でもあります。長崎という街の持つ課題だけではなく、ポテンシャルや財産を発見しながら、行政やスポンサーなど多くのステークホルダーと手を携えて過ごす日々の気づきを、皆様と共有していければと思います。
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