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組織の課題と変革の方向性(8) ストーリーテリングから変革へ 埼玉大学准教授 宇田川元一 - 日本経済新聞
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
日本経済新聞の連載「組織の課題と変革の方向性」も今回で最終回になりました。
最終回は、「ストーリーテリングから変革へ」として、変革に対する組織内での自発性をどう築いていくか、ということについて説明しました。
ストーリーテリングは、語ることを通じて連帯を構築することであると最後に述べました。連帯(solidarity)とは政治学者リチャード・ローティが詳しく論じたものでもあります。
今のあたりまえの外側にある違和感や悔しさ、弱さを語っていくことに、新たな連帯の可能性があると言えるのではないでしょうか。
企業変革は、決して業績を回復させるためだけではありません。業績ももちろん非常に重要ですし、無視しては絶対にいけません。同時に、ドラッカー的な表現をするならば、企業という共同体に集う人々が、そこに自らの位置と役割を新たに見出していけるようにすることであると言えます。
そのための実践として、語ること、語るためには声にならぬ声を聞こうとすること、つまり、対話することが変革の実践においては求められます。
今回、新聞コラムの連載という機会で、短い文章にエッセンスを書く、しかもわかりやすく書く、というのは大変でしたが、なんとか最後まで書ききることができました。
6月に出版予定の次の企業変革についての書籍により詳しく論じています。
ご興味を持ってくださった方は後日アナウンスしますので、もう少しお待ちいただければと思います。
組織の課題と変革の方向性(6) 不可欠な他者との対話 埼玉大学准教授 宇田川元一 - 日本経済新聞
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
日本経済新聞朝刊の連載「組織の課題と変革の方向性」第6回目です。
今日は変革と対話の意義について、少し通常の意味での対話とは違い、ピーター・ドラッカーとセオドア・レヴィットの2人の古典的な議論から考えていきます。
余談ですが、経営とはそもそもなんなのか、企業変革とは何なのかということを6月に出版予定の書籍を書く中でずっと考えて(悩んで)きました。
しかし、たまたま、ワーケーション先のあるコワーキングスペースにドラッカーの『現代の経営』が置いてあって、懐かしいなと思い読んでいたら、彼が言いたいこと(顧客の創造)と、対話の概念は重なることが多いのではないかと気がつきました。
そんな思索を経て思ったことを今回書いております。
よろしければご覧ください。
組織の課題と変革の方向性(5) 考え方や習慣を変える 埼玉大学准教授 宇田川元一 - 日本経済新聞
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
日本経済新聞「組織の課題と変革の方向性」、全8回の後半に入る連載第5回です。
今回からは変革を進めていくことが何故難しいのか、どう取り組むことが必要か考えていきます。
今回は変革における複雑な問題を指摘したロナルド・ハイフェッツの「適応課題」の概念について、企業変革の例から説明しています。
ハイフェッツはハーバード・ケネディ・スクールという政治学系の政策大学院所属で、経営学の中であまり取り上げられることがなく、私も10年くらい前までは知りませんでした。しかし、この適応課題という考え方や、彼の変革についての知見は、極めて実践的で現実的だと思うようになりました。
組織の課題と変革の方向性(4) 合理的行動が招く敗北 埼玉大学准教授 宇田川元一 - 日本経済新聞
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
日本経済新聞の連載「組織の課題と変革の方向性」第4回です。
今日はバーゲルマンとクリステンセンの議論を取り上げて、戦略やイノベーションにおいても、適応のパラドックスがどのように起きるのかという切り口から説明しています。
前回取り上げたワイクの理論は非常に色々な研究者に援用されるのですが、彼らの研究にも大きな影響を与えています。
彼らの分析した領域においても、1度成功を収めると、戦略にも慣性力が働くようになって変わらなくなり、イノベーションを生み出すことも難しくなります。しかも、わざとそうしているのではなく、合理的にそうなっていきます。
これをどう変革していくのか、というのが企業変革上の大きな課題で、そう考えると企業変革の実践には常にジレンマがつきまとうことがわかります。
是非お読みください。
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