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ドンキ、営業経験がない「異色社長」誕生のわけ
山下 良一電子材料メーカー 顧問
ここしばらくのドンキの戦略的意思決定(ユニーの買収やアジア進出)は、この体制移行を見据えてのものだったのではないでしょうか。
というのも、創業者の目の黒いうちに、「創業者・前社長の力を借りずに、それらドンキにとって新しく大きいチャレンジをやり切れる体制の構築」がドンキの狙いのように感じるからです。
個人的に、営業経験の有無やコンサル出身といった点は、本質でないと考えています。
私の知る限り、会社を大きくした(実質的)創業者・中興の祖のようなカリスマ経営者が総指揮を取っている時は、何か新しいことをするにしても組織の運営コストは一般的に小さいです。
カリスマ経営者に「右向け右」と言われれば皆それに従うし、やめろと言われればやめるし、やり切れと言われたことはやり切る という会社が多いのではないでしょうか。
カリスマ経営者が一線を退いて、優秀な番頭たちが会社を回すようになっても日常のオペレーションは問題なく回るというケースを多いでしょう。
しかし、戦略の転換や新規事業など、新しいチャレンジについては、その戦略の浸透・実行・完遂までの「人を動かす」ための手間(と時間)が、カリスマ経営者時代に比べて格段にかかるように感じています(当然、チャレンジが頓挫する確率も上がるでしょう)。
そう考えると、カリスマ経営者(や多くの創業社長)にとって、今回のドンキの事例は大いに参考になるような気がしています。
次の世代に完全にバトンを渡す前の準備として、
・チャレンジングな意思決定をする
・そのチャレンジの遂行を次世代に任せる
・やり切れるかどうか、限界まで口をを出さずに見守る
というのも、試す価値のある取り組みではないでしょうか。
米アップル、独立系修理店にiPhone部品提供へ
山下 良一電子材料メーカー 顧問
アップルはこのところ、稼ぎ頭のiPhoneの不振が続く中、サービスで成長すると公言しています。
iPhoneの高価格化による売上台数減少・買い替えサイクルの長期化により、サービス部門の構成要素であるApple Careの売上も落ちています。Apple Careが切れたハードに対しても、純正部品を供給することでアフターサービスの収益の減少を補っていく狙いがあるのでしょう(なおアプリやコンテンツの売上は成長しています)。
アフターサービスにおいて、頻度の高い交換部品は液晶ガラスとバッテリーだと思われます。
Appleやサムスンのスマホの不振から、スマホ向けバッテリーの成長が鈍化していたTDKには朗報ではないでしょうか。
一方、AGCには、ハイエンドスマホ向けの液晶ガラスで圧倒的な優位を築いているコーニングをまくってくれることを期待しております。
セブンの主張覆すファミマ実験の「爆弾」、深夜閉店でもオーナーは増益
山下 良一電子材料メーカー 顧問
ファミマの今回のコミュニケーションの狙いは、セブンイレブンのフランチャイズオーナーの鞍替えの後押しだと邪推しています。
すでにコンビニの店舗数の伸びは大きく鈍化してきており、人手不足もあって純粋な新規出店での成長に限界が見えていると思われます。
http://frequ2156.blog.fc2.com/blog-entry-106.html
そうなると「すでに営業している店舗」というパイの奪い合いも、成長の重要な軸になりうるでしょう。
ファミマは
1)あくまでフランチャイズオーナーの立場に立ったコミュニケーションや施策で鞍替えを促進する。
2)鞍替えの流れ次第で時短営業に本腰を入れる。
3)時短営業によるファミマ本体の短期的な売上減少を、鞍替えによる中期的な店舗数増加でカバーしていく。
という、オプションも視野に入れているのではないでしょうか。
加えて、ファミマがフランチャイズオーナーの「利益」に強くフォーカスしていることにも着目したいです。
現状では1店舗あたりの「売上」が他社よりも10万円近く高いために、セブンはフランチャイザー選択の第一選択肢になりがちだと聞いています。その流れを変えようというファミマの意気込みを感じます。
一方、セブンは1店舗あたりの売上の高さというわかりやすい指標が、上記の通り成長エンジンであり強みの源泉でもあります。そのため、1店舗あたりの売上を下げざるを得ない時短営業に、本腰を入れることが難しいのではないでしょうか。
一般論として、「相手の強みを弱みに転化する」「相手の戦闘教義を無効化する」のは個人的にはかなり難易度の高い戦略だと考えていますが、今それが実行されようとしているように見受けられます。
フォーエバー21が破産申請を準備-関係者
山下 良一電子材料メーカー 顧問
フォーエバー21もZARAのように、「安く大量に作ったものを売り切る」のではなく、「売れたものを早く大量に作る」を志向したのかも知れないが、その手段が間違っていたのかも知れない。
ZARAは内製のデザインでまず売ってみて、売れたものを最大の強みであろうグローバルサプライチェーンで大量生産し消費地に迅速に輸送する(空輸も使う)。
フォーエバー21のサプライチェーンは途上国での低コスト生産が最大の力点。しかしそれは他社でもできる。そして肝心の「売れたものを作る」の実現手段として、他社製品の模倣が横行し、多数の著作権侵害訴訟を抱えていたと記憶している。
そこで改めて市場に向き合えばよかったのかもしれないが、方向転換し切れなかったのであろう。結果、安く大量に作ったものを売り切る」ことが中心のモデルになり、市場とのズレが拡大し在庫が増加、それを売り切るためにさらなる価格競争に陥いったものではないか(非上場企業で公開されている情報も限定的なためあくまで推測)。
一方、ユニクロは服の材料である繊維から仕込んでいる。ZARAとはまた異なる戦略レベルでの差別化が際立っている。
ザ・ボディショップが挑戦する「香りの可視化」と、その先に目指すもの
山下 良一電子材料メーカー 顧問
人間の嗅覚・味覚は検知するものが視覚や聴覚と違い物質そのものなために、遺伝子やその発現度合いによって、検知できる物質/その感度の個人間のばらつきが大きい。そのため、同じものの香りを嗅いでもその印象は細かいところでは百人百様になりうる。
そう考えると、共通する大きな軸となる特徴を使って視覚化するというのは、当面のところ最適なアプローチかも知れない。
例えば、日本酒のフレーバーのレーダーチャートでの視覚表示は、色々な形はあるけれども時間をかけて浸透してきているように感じる。
https://sakenowa.com/area
なお以前からoPhone DUOのように香りをそのものを遠隔に伝達する技術は、開発されるものの未だ実用化には至っていない(私の知る限り)。
https://toyokeizai.net/articles/amp/41444?display=b
一方で、ニオイを可視化するセンサーは絶賛開発中の模様。
https://aromabit.com/
NORMAL
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