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【未来予測】植物科学×テクノロジーの農業新時代が来る
NewsPicks編集部
徳本 修一トゥリーアンドノーフ株式会社 代表取締役
農業と言っても非常に多岐に渡りますが、今回は特に中山間地域の小規模農業についてフォーカスされた特集だったように感じます。もう少し農業のメインストリーム側の現場の記事も見てみたいです。 日本の農業GDPを牽引している、例えば農産物ですと水稲や大豆などの土地利用型作物や、指定野菜及び準ずる野菜を生産している中規模から大規模農業者は、儲かっているし、後継者もいるし、売上も生産性も上がっているし、モチベーションも高いし、特に誰も困っていないのでは?というのが現場の肌感覚です。産地に行くと、耕作放棄地どころか農地は基本的に空くことはありませんし、空きが出ても直ぐに借り手が決まります。それぞれ栽培技術も高く、海外などの知見も取り入れながら、機械自動化含め、常にアップデートされています。 もちろん淘汰はあります。これは業種問わず、適切な競争原理が働くことは大切です。戦後の農業政策の過渡期にある現在、農家数が減少(兼業農家が多い)することは健全であり、当然のことです。また耕作放棄地が増えることに危機感はありません。生産性の低い農地は自然に返し、その他は集積していくだけです。むしろ私たちの様な新しいプレイヤーは、短期間での農地集積・大規模化などの現実味が出てきているので、チャンスだと捉えています。 テクノロジーの活用において、露地栽培においてまず大切なことは土壌物理性(硬度含む)の視覚化と、データを起点とした有効な機械オペレーションの選定です。特に水田は重要で、そのほ場の基盤整備含めた歴史・土壌モノリス的な観点を例えば衛星から立体的画像でアウトプット出来ると、かなり土作りの再現性が変わって来ます。その上で、植物科学に紐づいた土壌化学性のセンシング技術が活きてきます。但し、土壌化学性は根域土壌の無機イオンのリアルタイムセンシングでないと活用出来ないので、まだ技術革新に時間を要すると感じています。 農業は多様性が大切です。今回の特集の様にエッジ際立つ農家さんが活躍の場を広げて行くことも大切ですが、これまで大規模と言われていた地域の農業体が、更に10倍~100倍規模の超大規模化を志し、その技術・組織マネジメントで、世界に生産拠点を広げて行く、大きな市場規模に挑戦出来る、そのビジョンと可能性に、優秀な人材やお金の流動性が生まれてくる、その様に考えています。 次回も期待しています!
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