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オープンオフィスのスペースレイアウトは最悪ね…ハーバード大学の研究もそう言ってる
TechCrunch Japan
吉川 克彦大学院大学至善館 (Shizenkan University) 教授、副学長
これは、コミュニケーションや思考における文化的な差異を無視した単純な議論ですね。これが世界中、あらゆる組織、個人に当てはまると考えるのはおそらく間違い。 確かに、アメリカの文化を考えると、オープンオフィスが生産性を下げる、という実験結果はよくわかりますが。 東アジアで広く見られる、常に自分が周りの人との関係性の中に生きている、と捉え(集団主義)、周りの状況を踏まえてコミュニケーションをする(ハイコンテキスト)人たちの集団においては、オープンオフィスのマイナス面よりも、プラス面が出やすいと考えられます(だからこそ、日本では大部屋がずーっと使われて機能してきたのではないかと)。 一方で、アメリカのように、個人を独立した存在と考える傾向が強く(個人主義)、時間を区切って一つのことにその場その場は集中したいと考える傾向が強い(モノクロニック文化)社会の人たちにとっては、常に周りの人たちがいろんなことをやっている中に身を置かなければならず、自分を切り離すことができないオープンスペースが苦痛なのは理屈が通っています。 さらに言えば、東アジアにもアメリカにも個人差や組織差はあるので、一律の議論は単純すぎるわけです。 それも含め、アメリカという特有の文化的環境で行われた、たった2社での研究を元に「オープンオフィスのスペースレイアウトは最悪」と語るのは乱暴というものではないでしょうか
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「学歴」が分断する現代日本社会
WEDGE Infinity(ウェッジ)
吉川 克彦大学院大学至善館 (Shizenkan University) 教授、副学長
日本と日本以外の先進国で大きな違いがある、というトーンを感じたのですが、日本がそんなに特殊なのでしょうか。私が5年間住んでいたイギリスでも大卒と非大卒では明らかに機会に差がある(さらに言えば、荘司さんなどが書かれている通り、入学難度が高い大学を卒業したかどうかでさらに差がつくわけですが)社会でしたし、現在住んでいる中国でも大卒かどうかで機会に大きな差がつきます。だからこそ、みんな必死に受験勉強するわけで。 ただ、日本において昔よりも大卒・非大卒の壁が高まっている、というのは納得できます。非大卒の方々が担っている仕事の非正規雇用化が進み、組合の傘から外れたことで、給与や条件面での企業に対する交渉力を構造的に失ったことが、格差の拡大につながった、ということは十分に考えられるので。 「大卒(や出身大学の名称)」と言ったラベルが機会差につながる原因の一つは、「個人の能力」を評価するのは難しい、というところにありますよね(特に書類選考などでは)。だから、ラベルに頼ってフィルターをかけてしまう。人間・組織の情報処理能力の制約が根底にあるので、こうしたフィルタリング自体をなくす、というのは想像しにくい。 なので、雇用主に対して交渉力が弱く、また、社会福祉面でもフォローが手薄いために、意欲や能力があっても脱出しにくい、という構造に対して手を打つことが必要なように思います。筆者が指摘されている、公的サポートの必要性も同じ方向性の議論だと思いますが。
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