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日本語に謎が多くて、ごめん遊ばせ【知の先駆者たち:役割語編】
NewsPicks Studios
かなだ いくこ株式会社KANADA 役員
興味深いお話でした。 私は若い頃、中学校の教員でした。 校内暴力等で荒れている時代でしたが、生徒に指導するとき(怒るとき)に、使う言葉に苦労しました。 男性教員なら、名前は呼び捨て、○○するな!○○しろ!と、命令形で怒っても特に違和感はない(単に怒っている人という感じ)ですが、女性教員が、名前を呼び捨てにして○○するな!と叫んだら、怒っているというよりも、ヒステリックにキレているニュアンスになる気がしていました。つまり、怒っている内容ではなく、怒っている人の感情にフォーカスが行くというか。 それで、怒鳴ることをせずに、どうしたら、男性教員が怒鳴ったときと同様の結果を得られるのか、試行錯誤した記憶があります。 結論的には、怒鳴らずに済むように、日頃から人間関係を作って、怒鳴る前に、表情やちょっとした言葉で、生徒にこちらの意図が伝わることを期待する、ということでした。 当然ながら、生徒との関係性が円満なときはそれでじゅうぶんですが、荒れている状態では効果なし。そもそも関係が円満なら、男性教員であっても怒鳴る必要はなく、円満じゃない・コミュニケーションに齟齬があるから、怒鳴る必要が生じるわけで、 女性教員として、非常に、戦う武器を欠いている気がしていました。 ちなみに、強いタイプの女性教員は、男性言葉で怒鳴って解決していました。 キャラ設定の問題で、日頃からそういう強い態度をとる先生だと認識させておけば、緊急時に怒鳴っても、違和感なくてOKという感じ。 教師として、自分の本来のキャラを、強い教師キャラにチューニングできなかったので、このままでは精神的に持ちこたえられないと思い、30歳を目前に退職しました。 役割語、特に、使う単語から性差があるようなこの日本語は、味わい深いとは思うけど、女性の立場から、強く何かを訴えたい場合に、とても不都合だと感じています。 男女を問わず、緊急時などに、強くなにかを訴えたい・訴えなければならない局面はあります。 そういうとき、女性は、女性がふだん使わない単語・用法を使うしかなく、そうすると、女性は感情的だねとか言われちゃうこの風潮、マジで時代遅れ。 幸い、インターネット上の交流においては、自分の性別をさほど強く押し出さなくても交流できるので、教員退職後は、楽しく過ごさせてもらってます。 インターネットばんざい!
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