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東京海上HD会長「ビジネスの常識超えている」「我々の想定を超えたことが起こっている」 ビッグモーター不正問題に
TBS NEWS DIG
中嶋 崇史株式会社リクロスエクスパンション 代表取締役
ビッグモーターが行ったことは悪いことであるという前提ですが、「保険修理」における構造的問題が露呈したと思います。 保険会社は「DRP(Direct Repair Program)」という、保険会社が修理工場に事故車修理を誘導する仕組みを持っています。 保険契約者にとっては、一定の基準を満たした修理工場を紹介してもらえることや、事故車両の引取、修理期間中の代車、修理車両の納車が無料サービスとして付帯するなどメリットがあります。 修理工場にとっては、保険会社と提携することで一定の修理件数を確保することができ、経営上のメリットがあります。 保険会社にとっては、保険契約者向けのサービスが向上することに加え、修理工場との契約で「工賃割引」をしてもらうことで、支払い保険金を減らし収支が改善できるメリットがあります。 このようにDRPは、「健全な関係」が構築されていれば三方良しの仕組みとして機能します。 しかし、現状は必ずしも健全な関係とは言えない状況となっています。 東京海上日動などの代理店系損保は、この修理工場を窓口として保険販売を行っています。「修理代金を支払う」という観点では、「適正かつ安価に修理を行ってもらう」という発注者側の立場である一方、「保険契約を取ってもらう」という観点では、「より多くの保険契約者を取ってもらう」という受注側の立場となっています。場合によって損保と修理工場の利害関係が入れ替わるという問題があります。 一方、ネット販売を中心とするダイレクト系損保は、代理店系損保と異なり「修理代金を支払う」という発注者側の立場だけになります。しかしこれが、過度なサービスを修理工場に要求することに繋がっています。 今回のビッグモーターの事案を契機に、ビジネスに係る関係者が互いの立場を尊重し、持続的なサービスを市場に提供できる関係に立ち戻ることが重要だと思います。
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