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サッカーW杯、日本代表の「パス回し戦略」が僕らに残した余韻の正体
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金子 浩明グロービス経営大学院大学 シニア・ファカルティ・ディレクター、専任教員
本稿には書かなかった点を2つ。 サッカーのW杯には、戦争の代償行為という側面がある。本来は、W杯以外もそうです。例えば、スコットランドリーグのライバル同士のセルティック(ローマ・カトリック)対レンジャーズ(北アイルランド系、プロテスタント)は宗教戦争の側面がある。スペインリーグでも、バスク人ばかりのチーム(アスレチック・ビルバオ)とかあるように。ゆえに、国防に関する価値観が表れやすい。 欧州メディアが最も批判している点は、日本とポーランドが共謀してセネガルを排除したように見えるということだ。この点は、専守防衛や他力本願よりも、許されざる行為である。実際は、たまたま日本とポーランドの利害が偶然に一致しただけであり、グレーだが。ただし、異なるエスニックグループ間でジェノサイドを繰り返してきた欧州の歴史を考えると、こういうことには敏感だ。近年でいえば、クロアチア人(カトリック)とセルビア人(セルビア正教)によるボスニア・ヘルツェゴビナ分割交渉によってボシュニャク人(イスラム教)が迫害され、セルビア人に虐殺されたように。皮肉なことだが、ボシュニャク人のハリルだったら絶対にやっていない戦略だろう。
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