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監査役・監事は要注意
三木秀夫法律事務所
紙德 真理子
---- 先日の日経新聞が、長年の社員による横領を看過していた「名ばかり監査役」の責任問題で、高裁で責任を緩く判断していたことに対し、最高裁がその判断を否定したことを大きく報じています。(「名ばかり監査役に一石 横領見落とし責任、審理差し戻し」2021年11月20日日経記事) これは、公益法人などの非営利分野でも同じようなことになりそうです。 ・ ・ ■下級審は判断が分かれた 第1審(千葉地裁)は、偽造された預金の残高証明書を見抜けなかったとして、会計監査限定監査役の任務懈怠責任を認め約5700万円の賠償を命じた。 第2審(東京高裁)では、「会計帳簿の信頼性欠如が会計限定監査役に容易に判明可能であったなどの特段の事情がない限り・・・会計帳簿の裏付資料を直接確認するなどして積極的に調査発見すべき義務はない」と判断して責任を否定し、請求を棄却しました。 ■最高裁の判断 最高裁は令和3年7月19日に、以下の理由を示して審理を差し戻しました。 「監査役は、会計帳簿の内容が正確であることを当然の前提として計算書類等の監査を行ってよいものではない。監査役は、会計帳簿が信頼性を欠くものであることが明らかでなくとも、計算書類等が会社の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかを確認するため、会計帳簿の作成状況等につき取締役等に報告を求め、又はその基礎資料を確かめるなどすべき場合があるというべきである。そして、会計限定監査役にも、取締役等に対して会計に関する報告を求め、会社の財産の状況等を調査する権限が与えられていること(会社法389条4項、5項)などに照らせば、以上のことは会計限定監査役についても異なるものではない。」 ■今後に注目 この最高裁判決では、監査役(会計限定監査役)に対して、常に会計帳簿の基礎資料・裏付資料の調査を求めたものではありませんでした。「会計帳簿の作成状況等につき取締役等に報告を求め、又はその基礎資料を確かめるなどすべき場合がある」と言うに留めてていて、どんな場合にどの程度の監査が求められるのかまでは、具体的には示されませんでした。差し戻し後の高裁での判断が注目されます。 ----
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第13回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 議事次第
www.cas.go.jp
紙德 真理子
報告(案)(75頁)p. 16. (17頁以降は参考資料) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai13/siryou1.pdf ----  これらの方策について、国民の間には、様々な受け止めもあるかと思いま す。ここにお示しした会議の議論の結果が、国会を始め各方面における検討 に資するものとなることを期待するものです。  その際、福沢諭吉が「帝室論」の中で、「帝室は政治社外のものなり」と述 べているように、この皇室をめぐる課題が、政争の対象になったり、国論を 二分したりするようなことはあってはならないものと考えます。静ひつな環 境の中で落ち着いた検討を行っていただきたいと願っています。 ---- * (概要)(3頁)より抜粋 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai13/siryou2.pdf 【皇位継承と皇族数の減少についての基本的な考え方】 →  今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の 流れをゆるがせにしてはならない。  悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承について具体的に議論するには機が 熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させるおそれがある。  悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親 王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていく べきではないか。 →  まずは、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊 の課題であり、その際、多様な世代の方が男女共に、悠仁親王殿下を支え るということが重要ではないか。 【皇族数確保の具体的方策】 ①内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとすること ②皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすること ③皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすること (青山繁晴・参議院議員のお話によると、オールドメディアではこのうちの二つしか紹介されてないとのこと)
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ラフィ『カストロ』:ほぼ唯一のまともな意味での伝記。視点も批判的だが明確で最新。
山形浩生の「経済のトリセツ」
紙德 真理子
---- 本書は最終的に、オバマの融和政策でキューバの社会主義はもう完全に終わり、骨抜きにされて過去の話になってしまうだろうと予想している。2015年だと、そう思うのも当然のことだ。でも実際には歴史はそうはいかず、また1990年代のソ連崩壊直後に匹敵する苦境にキューバは置かれている。そして政府への抗議デモも起こり、政権の基盤についても楽観視できない状況だ。 たぶん、それはカストロの遺産 (それもあまりよくない遺産) とどうむきあうのか、という判断をキューバに迫るものとなる。表舞台から退いたとはいえ、ラウル・カストロはまだいるし、彼はずっと院政を敷いてきた人だったからあまり状況は変わっていないとすらいえる。あと数年は現状が続くのかもしれない。いずれ彼が他界したとき何が変わるか——あるいは何も変わらないか——が、キューバの未来を大きく左右するのかもしれない。粛清しすぎて人材が枯渇し、有能は人々はすでに大挙して外国に逃げ出してしまったキューバで、これから何ができるのだろうか? ---- ↑ キューバのデモ、今はすっかり話題に上らなくなってしまいました… それにしてもあの人やこの人と似ている部分が多い…やっぱり権力闘争が表面化すると目立ってくる行動というのは、古代からあまり変わっていないような気がする… 結構ボリュームのある本ぽいけど、余裕ができたら挑戦してみようかな…読めるかな… Inside Cuba’s crackdown after dramatic protests/August 10, 2021 https://nypost.com/2021/08/10/inside-cubas-crackdown-after-dramatic-protests/ Cuba Economy: Population, GDP, Inflation, Business, Trade, FDI, Corruption https://www.heritage.org/index/country/cuba
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Misremembering Pearl Harbor › American Greatness
American Greatness
紙德 真理子
古典学教授で古代戦争の研究者でもあるVictor Davis Hanson先生の意見が正しいとすれば、私は歴史修正主義者になるということなのか…。 でもちゃんと最後まで読むと、いろんなことが見えてくる。やっぱり全文を読むというのは大事だ。 日本…というかAdmiral Yamamotoの肩をもつわけでは決してないし(むしろ意味がわからんと思っている)、日本人の私にとっては、本当にごめんなさいと言いたくなる。 けれども、戦争の原因は複合的だし、二国間の関係だけで戦争が始まることなどほとんどない。様々な国家の利害が複雑に絡み合う中で避けられない場面が少なからずあることは、ホメロスやヘロドトスやトゥキュディデスやポリュビオスの時代からそんなに変わっていないのではないだろうか。 だからこそ抑止力が必要になってくるのだと思うけど、戦争とか軍事とか防衛とかいうワードを使う時には気をつけないといけない場面がたくさんある。シリアのジャムやアフガニスタンのレーズンを食べる時、自分が日本に生まれたことに対し、ちょっと色々と思うことはある。もっと書きたいことはあるけど、もう少し勉強してからにしよう… * 米海軍、日系議員の名を冠した駆逐艦「ダニエル・イノウエ」就役…真珠湾80年にあわせ式典 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/world/20211208-OYT1T50080/ カルロス・デルトロ海軍長官は声明で「イノウエ氏は生涯を公の任務にささげた。乗組員たちはその遺産に触発され、名誉と威厳を持って監視に当たることになるだろう」と述べた。全長約150メートルで、弾道ミサイルに対応する最新鋭のレーダーを備えている。 イノウエ氏は第2次大戦中、日系人中心の「第442連隊戦闘団」の一員として欧州戦線で戦い右腕を失った。下院議員を経て1963年以降、上院議員を9期務め、日米関係の発展に尽くした。米軍人最高の栄誉とされる「名誉勲章」も受章した。
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『T-34戦車とその時代 「第2次世界大戦最良の戦車」はいかに生まれ、どのように語られてきたか』
読書メーター
紙德 真理子
露木好史/佐々木智也『T-34戦車とその時代―「第2次世界大戦最良の戦車」はいかに生まれ、どのように語られてきたか』(佐々木書店、2020) - 歴史同人 佐々木書店 - BOOTH https://booth.pm/ja/items/2226587 ↑ 今でもロシア人に人気のあるT-34。エンジニアが長い歳月をかけて、ちゃんと動くようになっていく過程を描いた動画も公開されています。 そしてデザイン的にも優れているT-34は、日本を含む世界各国のスケールモデラーの間でも人気です。歴史考証を始め様々な議論が、なるべく正しい解釈のもとで作ろうと努力するメーカーの目にも止まり、商品の製作にも反映されているようです。 さてこの書籍、私は無料立ち読み版の一部しか読んでいないのですが、ちゃんとお金を払って紙の書籍を購入した人の話によりますと、「欧米の文献のみに頼っていると、単純な間違いや、バイアスに影響された解釈の歪みが生じてしまうことがある。著名な人の意見の、この部分がこう間違っている、という指摘が少なからずある」ということのようです。その著名な人というのが、素人の私でさえ存じ上げているお二方でしたのでびっくりしました。きっと、ロシア語で書かれた文献を丁寧にあたっていくことでしか辿り着けない場所というのがあるのでしょう。 私を含め多くの人々は、スッキリしたい気持ちを持っています。単なる相関関係を無理に因果関係に結びつけたり、勧善懲悪の世界を求めたりしてしまいます。世の中は多様で、わからないことの方が多いのに。 「まだわからないことを、わからないままにしておかず、想像で埋めることの危険性」に敏感であらねばならないことを改めて感じた次第です。 * 『戦闘技術の歴史』第五巻「東洋編」(創元社)日本語版監修者序文「本書は、アメリカの軍事史家五名による共著・・・これほど幅広い対象を一書で通観できる意義は大きい・・・なお日本史についてもよく把握していますが・・・通説や俗説が入りこんでいるところもある・・・本書においては、原著の論旨を損なわない範囲で、史実や研究状況に合せた補訂を全体にわたって施しています」(杉山清彦)
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Dobbs v. Jackson Women’s Health Organization: An Opportunity to Correct a Grave Error
The Heritage Foundation
紙德 真理子
かなり長いですが、一度は読んだ方がいい文章かと思います。母親の生命や身体の健康への危険、胎児の奇形、レイプや近親相姦に起因する妊娠に関しても記事の中で触れられています。リベラルだったRBG判事の意見も紹介されています。またこの記事は、中絶の問題に限定せず、世論調査を引用する際に留意する点など、様々な論点を含んでいます。なおこの記事では触れられていませんが、米国のKH副大統領(支持率は過去最低)の胎児売買の問題に関しては就任前から取り沙汰されていました。私も何度も言及しています。 https://www.dailysignal.com/2021/05/17/supreme-court-takes-up-major-abortion-case-directly-challenging-roe-v-wade/ (今回の裁判では、15週間後の中絶を禁止する2018年のミシシッピ州法をめぐり、ミシシッピ州と、ミシシッピ州で唯一の中絶クリニックであるジャクソン女性の健康組織が争っている) https://www.dailysignal.com/2021/12/01/high-court-hears-arguments-in-biggest-abortion-case-since-roe-here-are-key-takeaways/ (水曜日にどんなことが話し合われたのか) https://www.dailysignal.com/2021/12/01/why-these-21-americans-say-supreme-court-should-overturn-roe-v-wade/ (最高裁の前に集まったのは保守派や共和党員のみならず、リベラル派や民主党員、そしてフェミニスト。中絶するのは女性の権利だと叫ぶ人たちでさえ現在の米国において妊娠9ヶ月すべての期間を通して中絶が許可されていることに反対。なお同様の期間を設けているのは中国や北朝鮮を含む七カ国) https://www.dailysignal.com/2021/12/02/why-its-likely-that-supreme-court-will-overturn-roe-v-wade/ (最高裁判所がロー対ウェイド事件を覆す可能性が高い理由)
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