コロナ下の巣ごもり需要で業績好調の食品スーパーが、売価変更を容易にする電子棚札に注目している。バックヤード業務を改善したいスーパーの悲願ともいえるが、これまではコストの壁が高かった。身近な消費の現場でデジタル表示が浸透すれば、需給に即座に対応するダイナミックプライシングが広がりそうだ。

<span class="fontBold">生鮮品の価格表示が容易になる。サブスクを提案している寺岡精工の電子棚札(右下)</span>
生鮮品の価格表示が容易になる。サブスクを提案している寺岡精工の電子棚札(右下)

 2月17~19日、千葉・幕張メッセで開かれた「スーパーマーケット・トレードショー2021」。セルフレジや冷蔵品を保管できるロッカーなど、非接触に対応する設備が並んだ。一方、非接触と直接関係のない設備でスーパー関係者の耳目を引いたのが電子棚札だった。

 「4月から導入したいという相談をいくつか頂いた」。レジ大手の寺岡精工(東京・大田)が提案する電子棚札のサブスクリプション(定額課金)サービスでは複数の商談が始まった。ネットワークを通じディスプレー上の表示価格を瞬時に書き換えられ、店舗での値札の印刷が不要になる。特売や見切り品など営業時間内に売価をどんどん変えるスーパーにとって魅力的な設備だが、1枚当たり1000円以上のコストが障害となっていた。

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