ソフトバンクの次期社長に技術部門トップの宮川潤一副社長兼CTO(最高技術責任者)が就任する。営業部門が強かった同社だが、孫正義会長から「これからはテクノロジーで引っ張っていけ」と言われたと明かす。政府による値下げ圧力で通信料金収入の伸びが期待できないなか、通信大手は法人向けソリューションや海外展開など、技術そのもので稼ぐ道を探る。

宮内謙社長からバトンを受け取った宮川潤一副社長兼CTO。値下げ競争の中での就任だ
宮内謙社長からバトンを受け取った宮川潤一副社長兼CTO。値下げ競争の中での就任だ

 4月1日付で社長に就任する宮川氏は1991年にインターネットサービスプロバイダーの「ももたろうインターネット」を起業。ソフトバンクによる買収後は、携帯電話事業の立ち上げや買収した米スプリント(現TモバイルUS)の立て直しなど、技術部門で孫氏を支えてきた。

 宮川氏は20年10月末に社長就任への打診を受けたときを振り返り「ソフトバンクはどちらかというと今まで営業が引っ張って大きくした会社。営業の人がリーダーになるべきではないか、と言葉を返した」と話す。

 しかし「孫会長や宮内謙社長から、これからはテクノロジーで引っ張っていけと言われたので、引き受けることにした」。その背景にあるのが、政府からの通信料金引き下げの圧力だ。

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