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ロシア軍初のロボット戦車部隊を創設

佐藤仁学術研究員・著述家
ウラン-9(写真:ロイター/アフロ)

シリアで試験済み

ロシア軍は初のロボット戦車(ストライクロボット)部隊を設立したと、ロシアの国防大臣のセルゲイ・ショイグ氏が2021年4月に明らかにした。無人戦闘車両機ウラン-9と20機の無人戦車を運用していく。セルゲイ・ショイグ氏は「我々はこれからもロボットの種類を拡大していきたい」と語っていた。

ウラン-9を開発・製造しているロシアのカラシニコフ・コンツェルンは、既にシリアでロボット戦車を試験的に運用している。同社のウラジミール・ドミトリフ氏は「シリアで試験的に運用した時にウラン-9の欠点も発見して、それら欠点も修正済みです」と語っていた。

ロシア軍としてはウクライナなど近隣諸国との緊張関係が続いており、ロシアの軍人が生命のリスクに晒されていることから、無人のロボット戦車やドローンによる攻撃と防衛は重要になってくる。無人のロボット戦車やドローンの活用によって、人間の軍人が戦場で死ななくなるようになれば、軍人の人間の安全保障は確保されるようになる。

一方で、戦場の無人化が進むとともに「キラーロボット」と称される人間の判断を介さないで攻撃を行う自律型殺傷兵器が開発されようとしている。人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的・非道徳的であるということから国際NGOらが自律が殺傷兵器の開発と使用には反対している。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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