4月13日、日本政府は福島第一原発で生じた処理水の海洋放出を決定した。実施は2年後をめどとしている。
この決定を受け韓国政府はすぐさま反発、遺憾の意を表明した。そして、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国際海洋法裁判所への提訴を検討するよう指示まで行ったのだが……。
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大統領府が提訴を検討していると公表したのも束の間、すぐに問題が浮き彫りとなった。
政府の合同タスクフォースが昨年10月に「福島原発汚染水関連現況」というタイトルの対策報告書を作成、海洋に処理水を放出しても問題ないと結論づけていたことがメディアやSNS上で取り上げられたからだ。
日本に対して強固な姿勢を取り、支持率回復を見込んでいた文在寅大統領にとって誤算というか出鼻を挫かれた格好となった。
この報告書についての論争が広がると、国務総理室は「一部の専門家の意見が政府の立場にはなりえない」という資料を公表。文在寅政権下に作成された政府組織による報告書が、“政府の立場にはなりえない”とは、かなり苦しい言い訳である。
拳を勢いよく振り上げたまでは良かったが、その持って行き場がない状況のようだ。