ビットコイン「上昇」のウラで証券業界で起きたこと
2021年1月~3月の第一四半期に、ビットコインの価格はじつに103%上昇しました。12年の歴史の中で過去3番目の上昇率を記録したのです。
以前に『「仮想通貨「急上昇」のウラ、米テスラが「ビットコインを爆買い」した本当のワケ」』でも指摘した通り、仮想通貨は今、一気に普及していくステージに入った可能性が高まっています。それは金融が既存システムから、革新的システムに転換する前夜でもあると私たちは捉えています。
ビットコインの第一四半期の歴代パフォーマンス/Kraken
ここへきて、ビットコインがアメリカの機関投資家や大手企業に注目されてきました。2月にEV車(電気自動車)メーカーのテスラがビットコインを大量に保有していることが開示情報で明らかとなりました。以降も、米大手企業や機関投資家のビットコイン参入が次々と明らかとなっています。
3月にはゴールドマン・サックスが仮想通貨トレードデスクを再開すると報じられたほか、フィデリティがビットコインETFを申請し、シカゴ・オプション取引所のCEOがビットコイン先物を再開する可能性に言及しました。今では、米証券取引委員会(SEC)がビットコインETFを承認するかどうかに注目が集まっています。
2月にカナダが北米初、3月にブラジルが南米初のビットコインETFを承認する中、「次はSECの番」と期待する市場関係者は少なくありません。伝統的な金融市場が、仮想通貨を新たな金融資産として受け入れ始めているのです。