フジテレビなどを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)が放送法に定める外資規制に違反していた疑いがあることについて、武田良太総務相は6日の記者会見で、「事実ならば重く受け止める」と述べ、事実関係を調査するよう指示したことを明らかにした。さらに武田氏は「事実確認を徹底する」と、すべての認定放送持ち株会社と放送事業者に外資規制の違反の有無を調べるよう求める文書を同日送付することも明かした。
放送法では、公共の電波を国民のために有効利用するなどの目的で、外国人議決権比率を20%未満とする規制がある。総務省はこれまで、株式の外国人直接保有比率が30%を超えているフジ・メディアHDに対し、議決権ベースでは20%未満となっているとしてきた。しかし、フジ・メディアHDは5日、出資比率の算定方法に誤りがあり、平成24~26年の約2年間、違法状態の可能性があったと発表。当時、フジ・メディアHDは違反の可能性を把握していたにもかかわらず、公表していなかった。
総務省は、接待問題に関連し外資規制違反が発覚した放送関連会社「東北新社」について、子会社の衛星放送事業の認定を5月1日付で取り消すことを決めている。