2021.03.28
# メンタル

この世に「メンタルが弱い人」は一人もいない…「心理カウンセラー」が明かすその理由

落ちこみ、不安、クヨクヨ、ゆううつ……。コロナ禍のストレスもあって、こうしたネガティブな感情に悩まされている人は多いだろう。ところが、初の著書『「メンタル弱い」が一瞬で変わる本』を出版した、心理カウンセラーの片田智也氏は、この世に「メンタルが弱い人」は一人もいないと断言する。「いつも弱っている」だけだ、というのだ。一体どういうことか、心がスーッとラクになるヒントを教えてくれた。

「メンタルが弱い人」は存在しない

この世に「メンタルが弱い人」など一人もいないと、私は考えます。でも、「メンタルが弱っている人」はたくさんいます。どういうことなのか説明しましょう。

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そもそもメンタルが強い、メンタルが弱いという考え方そのものが「少し変」なのです。わかりやすいよう、まず体の場合を考えてみます。

たとえば、運動神経がよくて筋骨隆々のスポーツマンがいたとしましょう。体が強いか、弱いかでいえば、あきらかに「強い人」です。

そんな強い人がインフルエンザにかかったらどうなるでしょうか。三十八度台の熱が出ると体が思うように動きません。立ちあがることはおろか、ベッドから起きあがるのも大変です。

さて、彼は「体が弱い人」なのでしょうか。もちろん違います。体が弱い人ではなく、「いま体が弱っている人」というのが正解です。発熱というのはウイルスを殺すための防御反応であり、そのせいで「いま弱っている」だけです。

起きあがれないことを「体が弱い」と嘆いたり、「動かなきゃ」と強がってはいけません。それをすると治りが遅くなります。必要があって「いま弱っているのだ」と弱さを認めて寝ていれば、自然と体の状態はよくなるでしょう。

 

それと同じ考え方をしてください。たとえば、もしあなたがサイフを落としたら、どんな気分になるでしょうか。落ちこみますね。肩を落とし、ため息をついたり、クヨクヨ嘆いたりする。それを「メンタルが弱い」というのでしょうか。

体の場合と同じで、「いま弱っている」のです。たとえ普段、前向きでポジティブな人でもサイフを落としたらふつうは落ちこみます。まったく落ちこまない人がいたら、それこそ異常です。

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