本記事は、松木正一郎氏の著書『勤務医のためのマンション経営 経営創業30年「正直不動産会社」の社長が語る!』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=PIXTA)

マンション経営のすすめ

他人資本で資産を構築する

「投資のためにローンでマンションを買うなんて、借金しても大丈夫?」と、多くの方が思うのではないでしょうか。ご自身がお住まいの住宅は、住宅ローンとして、汗水流した自分のお金で返済していくのが常識です。しかし、マンション経営のためのローンの返済は、入居者からの家賃をそのままローンの返済に回すことができます。

また、建物部分にあたる利息を損益通算に反映することで節税対策にもなります。

他人資本(金融機関からの融資)でマンションを購入し、他人の資力(入居者の資力)によりローンを返済するという点が大きな特徴です。

つまり、マンション経営において肝となるのは、金融機関からの融資をいかに引き出すかです。繰り上げ返済はいつでも可能ですので、ご自身の余裕資金は手元に置いておくことで、万が一に備えておくこともできます。

融資を受けやすいのは、勤務医の方はもちろん、会社員や公務員のような安定した収入がある方々です。中でも勤務医の皆さまは、会社員とは異なりリストラがありません。転職が比較的容易なこともあり、特に社会的信用がある「高属性」と見なされているのです。

属性とは、具体的には勤務先や年収、役職、勤続年数、借入の状況など、融資の返済に影響がある重要な項目のことで、金融機関側から見て融資をしても「きちんと返済してくれる方」のことを表現しています。

ワンルームマンション投資ローンは、事業融資の側面もあるので、属性や信用以外に、家賃収入(事業収益)での返済収支も考慮されます。

• 金融機関を活用する

融資の条件において、上場企業にお勤めの年収1500万円の方と、勤務医の方の1500万円の方を比較すると、勤務医の方に有利に働く場合があります。それは、返済比率や年収倍率を寛容に見てくれることがあるからです。

安定・安心・余裕をより多く構築したいと考えたとき、あと1件購入できるかできないかは、万が一(節税・保険保証額および家族の生活を担保)や将来においても大きな違いとなります。

金融機関は貸し倒れを避けるためにも、融資する人を厳選しているのは確かです。より融資を受けやすい条件を満たしている勤務医の皆さまは、有利なスタートラインに立っていると言えるでしょう。これは「はじめに」で、不動産投資が勤務医と親和性が高いといった理由のひとつです。

•〝良い融資〟と〝悪い借金〟

先ほども触れましたが、ローンを組むことは「借金」であると考えている方も多いかも知れません。しかし、借金(融資)自体は悪いことではありません。手元資金を元に、より大きな金額の取引をすることを「レバレッジをかける」と言います。これは、小さい力で大きなものを動かすてこの原理からきている言葉です。

例えば、自己資金200万円を元に2000万円の融資を受けると、2200万円の物件を購入することが可能になります。つまり、200万円の資金で 倍以上もの資金を動かすことができるようになるのです。これは、投資をする上で日常的に行われている一般的な手法です。

金融機関は業務の一環として審査・融資を行っています。きちんと返済してくれそうな方が、収益性のある物件を購入するために資金を必要としているのであれば、ぜひお金を貸したいと思っています。ローンは、こうした社会の仕組みを正しく活用しているに過ぎません。

借金と一口に言っても、〝良い融資〟と〝悪い借金〟があります。良い融資というのは、利益を生み、資産として残るものに投資をするために、借金ではなく、借入をすることです。まさに不動産投資はその典型で、家賃収入を生み出し、資産をつくるために融資を受けます。

一方、悪い借金というのは、消費のための借金です。例えば、車やブランド品、貴金属などを買いたいけれど、現金がないため、ローンを組んでそれらを手にする。そして、自分が汗水流して得たお金で分割してローンを払っていくというものです。商品が収入を生まないため、どんどん価値が目減りしてしまいます。

※貴金属やブランド品の中には一部、価値が上がるものもありますが、収益は生みません。

万が一、自分が働けない状況になってもローンが残り、支払いを先送りして無駄な金利が取られていきます。車やブランド品を貸し出すなど、何らかの形で収益化できれば話は別ですが、現実的ではありません。自己の満足度はあるでしょうし、満足感は人生において大切です。しかし、度を超えないように自己管理が必要です。

自分が住むために購入する住宅ローンも、収益を生まないという点では同じですが、住まいを購入することで、家賃の支払いがローン返済に代わり資産として残りますので、贅沢品の消費とは性質が異なります。また、賃貸マンションを借りると家賃の支払いが発生しますが、これは、他人のローンを払っている状態と同じです。

勤務医のためのマンション経営
松木正一郎(まつき しょういちろう)
株式会社明光トレーディング 代表取締役 不動産投資家、住宅建物取引士。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 中古マンション市場で、独自の経営理念と顧客である不動産オーナーの利益を考えた手厚いサービスで存在感を示し、港区、渋谷区、中央区という東京の「ブランドエリア」と呼ばれる地域をはじめとした首都圏で投資用の中古区分マンションを主に販売。 1990年創業から約30年にわたり、多くの不動産投資家に支持・評価されている。

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