「格安スマホ」経営圧迫する安さに 官製値下げの「余波」

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楽天モバイルの新プランについて記者会見する楽天の三木谷浩史会長兼社長=東京都港区で2021年1月29日午後2時43分、長谷川直亮撮影
楽天モバイルの新プランについて記者会見する楽天の三木谷浩史会長兼社長=東京都港区で2021年1月29日午後2時43分、長谷川直亮撮影

 菅義偉政権が「大きな節目を迎えた」と成果を誇る携帯料金の「官製値下げ」。大手各社の新プランに対抗して、格安スマートフォン事業を行うMVNO(仮想移動体通信事業者)各社もさらなる値下げに乗り出している。一番の売りだった「安さ」という特徴が薄れ、経営体力のない格安スマホ会社が淘汰(とうた)される可能性をはらむ。競争を活性化させるはずが、大手が市場を独占する構図に逆戻りすることはないのか。官製値下げの「余波」を探った。

 通信大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)が2月24日発表した個人向け格安スマホサービス「IIJmio」の新プランは、データ容量20ギガバイトで月1880円(税抜き)。「業界最安値クラス」(同社)に設定し、2ギガバイト780円、4ギガバイト980円と小容量需要にも細かく対応した料金体系に仕上げた。意識したのは、大手3社に次ぐ「第4勢力」の楽天モバイルだ。

 この約1カ月前、楽天は1ギガバイトまでは無料、3ギガバイト超20ギガバイト以下1980円とする段階制の新プランを発表した。「MVNOを含めて、かなり競争力があるのではないか」。記者会見で三木谷浩史会長兼社長は、大手だけでなく、格安スマホ各社からも契約を奪う狙いを隠そうとしなかった。これに先立って値下げを発表した格安スマホの老舗である日本通信や、関西電力の子会社オプテージの「mineo(マイネオ)」の20ギガバイト1980円プランにぶつけてきたのは明らかだった。

 これより値下げが後発になったIIJは、…

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