2021.03.13
# 新型コロナウイルス

置き配、サイン不要、再配達問題…コロナが変えた「宅配便の常識」と増加する「トラブル」

宅配便の配達員は、世の中の動きを肌で感じる。春夏秋冬、送られてくる荷物で季節を感じとることができる。何も感じとるものは季節だけではない。景気や社会情勢なども荷物を通して感じとることができる。

東日本大震災から今年でちょうど10年目を迎えた。当時は、道は地震や津波により寸断され救援物資などは思うように届かなかった。行き場のなくなった荷物は寸前のところで足止めを合い、物流の機能を麻痺させた。

そして、昨年から続く新型コロナウィルス感染拡大。未曾有の出来事が起こるたびに注目される宅配業界。世間の常識が覆されている。宅配業界は、コロナ禍で何が変わろうとしているのか。

時代のニーズに合わせて変化する宅配

新型コロナウィルス感染防止のため外出を控え、巣ごもりによる購入手段はネットが頼りとなった。そのためEC業界は活況となり、それに付随する宅配便業界は過去最高の収益を出している。

また、コロナ禍で多大な影響を受けている飲食業界がテイクアウトに活路を見出し、ゴーストレストランのように店舗を構えずに営む形態も増えてきた。このような商売が成り立つのもUbereatsや出前館のような宅配という手段があってこそである。

今までも時代のニーズに合わせ変化した宅配。ITやスマホの普及も後押しとなり、誰でも彼でも気軽にクリックひとつで宅配を頼める時代となり、今や宅配は生活の一部となっている。

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新型コロナが宅配便の常識を覆した

荷物を配る行為は、「荷物を渡してハンコもらう」という側からみれば単純な作業に見えるが、実はそんな単純ではない。集荷や仕分け、積込み、配達ルートの構築などの過程を経て初めて配達ができる。その上にその家その家の事情に応じた配達が求められる。

このコロナ禍により、配達の大前提である対面で手渡し伝票に受領印を押してもらうという一連の行動が出来ない事態となった。配達員は、ウィルス扱いを受け消毒を撒かれ、荷物の受取りを拒否する人も現れ、まともに配達が出来ない。トラブル防止、受取人や配達員を感染から守るための苦肉の策として、普段ならご法度な行為とされる、受領印の不要『ノーサイン』と『置き配』をコロナ対策の配達スタイルとして選択したのだ。

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