福岡県知事選

自民が服部副知事推薦へ しぼんだ奥田氏擁立論、最後は二階氏に促され

福岡知事選への出馬断念の意向を示し、記者団の取材に応じる奥田哲也氏=8日午後、東京・永田町の自民党本部
福岡知事選への出馬断念の意向を示し、記者団の取材に応じる奥田哲也氏=8日午後、東京・永田町の自民党本部

 福岡県の小川洋知事の辞職に伴う県知事選(25日告示、4月11日投開票)をめぐり、自民党福岡県連は8日、服部誠太郎副知事の推薦を党本部に申請する方針を決めた。立候補の意向を示していた元国土交通省局長の奥田哲也氏は一転、二階俊博幹事長に説得される形で出馬を断念した。党内には一部で奥田氏を推す動きもあったが、支援の輪が広がらず擁立論はしぼんだ。危惧されていた分裂選挙は回避されることになった。(小沢慶太)

国会議員も一致

 県連の原口剣生会長、松尾統章幹事長と国会議員代表の古賀篤衆院議員、大家敏志参院議員が対応を協議し、唯一推薦願が出されている服部氏を推薦候補とすることで一致した。9日の県連選挙対策委員会で正式決定し、推薦願を党本部に送る。

 原口氏は「国会議員の理解も得られて服部氏で一本化できたことはよかった」と述べた。

 県選出国会議員は7日夜、リモート形式で服部氏と面談。出席議員から服部氏推薦への異論は上がらなかった。

 一方、奥田氏は8日、東京・永田町の党本部で二階氏と面会した。二階氏から分裂回避のため、出馬見送りを促され、応じた。

財界支援見込めず

 奥田氏擁立を模索したのは、自民国会議員OBの古賀誠元幹事長、山崎拓元副総裁や二階派の武田良太総務相らだ。奥田氏は「今回、最初に声を掛けていただいたのは古賀氏だ」と明かす。

 しかし、県議会が超党派で推すなど、副知事として9年以上にわたって小川県政を支えた服部氏の出馬に向けたレールが敷かれていく中、機運は盛り上がりを欠いた。

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