わいせつ教員根絶、自公の足並みそろうか PTが初会合 

 自民、公明両党は1日、教え子らにわいせつ行為をした教員を教育現場から排除する法案策定に向けた「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム(WT)」の初会合を国会内で開いた。法案を議員立法で今国会に提出し、早期成立を目指す方針。

 座長に就いた自民党の馳浩元文部科学相は会合で「与党の責任で成案を得るべきだ」と強調。共に座長を務める公明党の浮島智子衆院議員は「子供たちの目線で子供を守らないといけない」と述べた。この日は文科省が現状を説明、今後は論点整理を急いで条文化に着手する。新法提出も視野に入れるという。

 わいせつ教員への対処をめぐっては、国民民主党が既に犯罪歴のある教員の復職要件を厳格化する「子どもの性被害防止法案」の骨子案を作成。1日の衆院予算委員会でも、日本維新の会の遠藤敬国対委員長が 「信用する先生に裏切られ、命を絶つ悲惨な事件もある。一日も早く何とかすべきだ」と厳格な対処を求めるなど、与野党の問題意識は共有されつつある。

 文科省によると、全国の公立学校でわいせつ行為により処分を受けた教員は令和元年度は273人で、平成30年度の282人に次ぐ過去2番目の多さだった。被害は表面化しにくく、「氷山の一角」とみられる。性犯罪は再犯率が高いとされるが、教育職員免許法では教員免許失効後、3年で再取得が可能で、わいせつ教員が別の地域で採用され、同様の行為を繰り返す事例もあるという。

 文科省は再取得を阻むため教育職員免許法の改正を目指していたが、職業選択の自由などに抵触しかねないなどとして今国会への改正案提出を見送った。公明も「過度の人権制約」には慎重で、与党の足並みがそろうかも焦点となる。

(奥原慎平)

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