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フィンテック企業、既存銀行の事業にじわり侵食

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CBINSIGHTS
フィンテックのスタートアップ企業が銀行の既存事業のシェアを切り崩し始めている。手数料が高く市場が大きい海外送金のほか個人間送金、消費者による投資などでフィンテック企業がデジタル技術をいかして活躍している。CBインサイツがスタートアップの動きを分析した。

米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)など既存銀行の主な収益源が広範囲にわたって破壊(ディスラプト)されつつある。

銀行業界も新型コロナウイルスの影響を受けている。2020年7~9月期のBOAの利益は前年同期比16%減の49億ドルにとどまった。コロナ禍で既存銀行よりもデジタルバンキングやオンライン銀行の方を好むトレンドが加速している。特にミレニアル世代の若者の間で顕著だ。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

テック企業は既存銀行のシェアを切り崩している。株取引アプリの米ロビンフッド(Robinhood)は売買手数料を無料にして、既存勢は追随を余儀なくされた。一方、米決済大手ペイパルのキャッシュレス決済「ベンモ」と同スクエアの「キャッシュアップ」は個人間送金に創造的破壊をもたらしている。

今回のリポートでは預金や決済から株式調査や法人向けクレジットカードに至るまで、BOAの事業(フロントオフィス)をテック企業がどのように切り崩しているか(アンバンドリングしているか)について注目する。

主な事業カテゴリー

消費者向け決済

このカテゴリーのスタートアップは振替や個人間送金など消費者向け決済商品を活用し、銀行の決済市場のシェアを切り崩しつつある。

海外送金や個人間の送金は手数料が高く、市場も大きい。CBインサイツの業界アナリスト予想によると、送金の推定市場規模は7430億ドル相当に上る。

・米レミットリー(Remitly)と英トランスファーワイズ(TransferWise)は海外送金を円滑化するデジタルプラットフォームだ。20年7月時点のトランスファーワイズの企業価値は50億ドルだった。

個人間送金を可能にする商品も既存銀行による決済システムの支配を崩そうとしている。

・ペイパルの「ベンモ」とスクエアの「キャッシュアップ」は主要サービスとして個人間送金を提供している。一方、双方ともクレジットカード(ベンモ)や株投資(キャッシュアップ)など追加サービスを増やしている。

投資銀行

投資銀行業務は規制の制約が多く、異業種は参入しにくい。それでも一部のスタートアップは既存銀行のデジタル化を進めたり、機関投資家など銀行の顧客に直接補完的なサービスを提供したりしている。

株式調査はかつてトレーディングサービスの一環として顧客に無料で提供されていたが、欧州連合(EU)の金融規制「第2次金融商品市場指令(MiFID2)」などで銀行は調査費用を直接請求しなくてはならなくなった。これにより、他の調査提供機関が銀行から顧客を奪うチャンスが生まれている。

・米センティエオ(Sentieo)と米コイフィン(Koyfin)は株式や通貨、債券など様々な資産のデータや市況を提供し、投資判断を支える。

資産管理分野の企業は法人や機関投資家向けのソフトやサービスを提供し、従来の資産管理部門を支えたり、取って代わったりしつつある。

・韓国のファウント(Fount)やドイツのリキッド(Liqid)は投資家一人ひとりに応じた資産運用プランを自動で提案する「ロボアドバイザー(ロボアド)」機能を備えたデジタル資産運用会社だ。リキッドの公表ベースの資金調達額は計4400万ドルに上る。

・米アデパー(Addepar)は金融アドバイザーが顧客に資産運用成績を伝えるために、データとカスタマイズ可能なリポートを利用できるプラットフォームだ。企業価値は5億9400万ドルで、直近は20年11月のシリーズEラウンドで1億1700万ドルを調達した。

・米エシック(Ethic)は金融機関が顧客に応じてサステナブル(持続可能)な投資ポートフォリオを作成できるデジタル資産管理サービスだ。

銀行では営業部門やトレーディング部門が稼ぎ頭だ。だが今やマーケット情報や株式売買へのアクセスを提供する代替仲介プラットフォームやソフトが勢いを増しつつあり、銀行の収益をむしばむ可能性がある。

・米トゥルーミッド(Trumid)は社債市場のプロに直接アクセスを提供するオンライン取引プラットフォームだ。20年7月のシリーズEで2億ドルを調達し、企業価値は10億ドルになった。

消費者の預貯金

消費者の預貯金はどの既存銀行にとっても主な収入源であり、BOAも例外ではない。BOAは資産では米銀2位で、20年1~9月期の預金部門の純利益は33億ドルだった。この部門はフィンテック企業にとって魅力的なターゲットになっている。

・既存銀行から預金分野のシェアを奪おうとするスタートアップは非常に多い。米チャイム(Chime)、英モンゾ(Monzo)、独N26、英レボリュート(Revolut)、米バーロ・マネー(Varo Money)、米カレント(Current)、米デーブ(Dave)はいずれも消費者にデジタルバンキングサービスを提供している。

・他の企業も普通預金に力を入れている。米投資銀行大手ゴールドマン・サックスには最近まで消費者部門はなかったが、デジタル銀行「マーカス(Marcus)」で普通口座と消費者ローンを提供している。

法人向けクレジットカード

中小企業やスタートアップと同様に、実績を証明していない企業もクレジットになかなかアクセスできない。法人向けクレジットカードを手掛けるスタートアップは代替データに基づいてリスクを分析することで、こうした企業にサービスを提供している。

・米ブレックス(Brex)と米ディビー(Divvy)はテック企業など初期段階の企業に法人クレジットカードを提供している。米ランプ・ファイナンシャル(Ramp Financial)は法人クレジットカードと経費管理プラットフォームを手掛ける。

資産&投資

消費者によるネット証券や個人の資産を一括で管理・活用する「パーソナルファイナンス」ツール、ロボアドの利用が急増し、銀行は投資や資産管理での優位性を失いつつある。フィンテックは金融アドバイザーに頼らずに自分で投資方法を決められるデジタルプラットフォームを提供し、ミレニアル世代やZ世代の需要に応えている。

個人による株式やオルタナティブ(代替)資産の取引を可能にする企業はかねて既存銀行の枠外で運営してきた。パンデミックでデイトレードが大幅に増えたこともあり、このカテゴリーのスタートアップの人気が高まっている。

・ロビンフッドなどは手数料を課さずに株式などの資産を売買する機会を生み出した。このアプリの人気を受け、既存のトレーディング事業も顧客への手数料廃止を迫られている。

・既存の金融システムの枠外で運営している暗号資産(仮想通貨)やデジタル資産の台頭により、英イートロ(eToro)や米コインベース(Coinbase)などの暗号通貨交換アプリの人気が高まっている。

パーソナルファイナンスアプリは銀行などの金融機関と連携し、個人の資金の全体像を示してくれる。

・米ミント(Mint)、米パーソナル・キャピタル(Personal Capital)、米キャピタル(Qapital)などのパーソナルファイナンス企業は利用者の銀行口座や証券口座、ローンなどの金融商品と連携し、消費を追跡して予算設定と目標達成を支援し、投資配分や預金についてアドバイスを提供する。会計ソフト大手の米インテュイット傘下のミントは利用者が2000万人以上にのぼるとしている。

ロボアドは利用者が自分で株式を選んだり、運用担当者が利用者の代わりに株式を配分したりするのではなく、テクノロジーを活用して個人の投資配分を決める。

・米ベターメント(Betterment)やウェルスフロント(Wealthfront)、カナダのウェルスシンプル(Wealthsimple)などの資産運用会社は利用者の目標やリスクプロフィルに基づいて投資を自動的に配分する。

・同様に、女性を対象にした投資アドバイザーの米エレベスト(Ellevest)は給与格差やキャリア中断の可能性を織り込んで資産を築くための投資戦略をたてているとされる。

取引単位に基づいて投資しなくてはならない既存の証券会社とは違い、マイクロ投資アプリは単位未満での投資を提供している。なかには1ドルから株式投資できるアプリもあり、新たな層が参加しやすくなっている。

・米スタッシュ(Stash)は利用者が単位未満で投資し、同社のデビットカードを使えば株式で報酬を受け取ることができるサブスクリプション(継続課金)プランを提供している。同様に、米エイコーンズ(Acorns)は買い物の際に端数を切り上げてドル単位で決済し、おつりを投資するサービスを手掛ける。

法人金融

銀行口座を持たない中小企業や実績を証明していないスタートアップの間で、新たな手段を使って健全性を評価してくれるサービスの利用が増えている。

・米マーキュリー(Mercury)、米ノボ(Novo)、米ロー・ビジネスバンキング(Rho Business Banking)は資産や信用履歴が不十分なために既存銀行を利用できないスタートアップや起業家に特化している。

・英デジタル銀行のタイド(Tide)とスターリング・バンク(Starling Bank)はそれぞれ20万社以上にサービスを提供している。

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