投資ファンド大手の米アポロ、創業トップが退任へ
【ニューヨーク=伴百江】米投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントは25日、創業者で最高経営責任者(CEO)のレオン・ブラック氏がCEO職を退任すると発表した。同日、少女売春をあっせんした罪で起訴された米富豪のジェフリー・エプスタイン被告(2019年に拘置施設内で自殺)に依頼した個人的ビジネス取引の内容についても社外調査結果を発表。ブラック氏が犯罪に関与した事実はないとの判断を示した。
アポロ社ではブラック氏退任について、エプスタイン被告とのビジネス取引が理由だとは表明していない。ただ、ブラック氏がエプスタイン被告に資産管理や相続問題でアドバイスを受けていた事実が明らかになると、アポロに資金を預ける年金基金などの機関投資家からブラック氏退任の圧力が強まっていた。アポロの株価も低迷していた。
ブラック氏の誕生日である7月31日までにCEOを退任するとしている。同氏は会長職にはとどまり、CEOには共同創業者のマーク・ローワン氏が就任する。
アポロではブラック氏のエプスタイン被告との関与に加え、同社のレピュテーション(評判)リスク管理についても社外調査を実施した。さらに、ブラック氏が女性の権利向上を目的とする団体に個人的に寄付することを表明し、同氏と会社を挙げてESG(環境・社会・企業統治)に即した投資活動を強化すると強調した。