SNSでの風評被害リスクに対応 中小企業向け保険特約発売へ

 東京海上日動火災保険は24日までに、賠償事故などを起こした際にブランドの毀損(きそん)を防ぎ、事業を継続するための費用を保障する企業向け保険を4月から発売すると、産経新聞に明らかにした。SNS(会員制交流サイト)の普及により、どんな企業でも瞬時に信頼を失いかねないリスクが高まる中、有事の対応に不慣れとされる中堅・中小企業でも安心して事業を継続できる環境を整えられるという。

 企業向けの一部賠償責任保険に付帯する特約として売り出す。特約保険料は規模や業種によって異なるが、売上高200億円の小売業の場合、年3万5千円程度かかる。保険金の支払限度額は1千万円。初年度の令和3年度に数万件の契約を目指す。

 具体的な保障内容の事例としては、飲食店で異物混入や集団食中毒などが発生した場合、SNS上でその事案を取り上げた悪質な投稿の削除や専門家への相談、事実関係を説明する会見会場手配や広告掲載にかかる費用などを保障する。

 事故や不祥事を起こした企業が弁護士やコンサルティング会社に相談した場合、費用は数百万円から数千万円かかることもある。

 東京海上日動ではこれまでも個別企業に類似の専用保険を提供してきたが、保険料が高額のため、幅広く提供できていなかった。新商品はもともと多くの企業が加入している賠償責任保険の特約とすることで、中堅・中小企業も手軽に加入できるようにした。

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