岩盤支持層は「頭が壊れても文在寅」韓国・文政権に今年、何が起きるのか

支持率は過去最低でも、崩れない理由

韓国の文在寅大統領の支持率が36.7%まで落ち込んだ。韓国の世論調査会社リアルメーターが12月28日に発表した数値で、2017年5月の政権発足後、最低値を記録した。

文大統領の支持率は長らく、大統領選当時の得票率の41.08%を上回ってきたが、少しずつ下落が始まったと言えるのかも知れない。しかし、それが果たして、日本の一部の専門家が書き立てているような「文政権崩壊の序曲」かといえば、それほど単純な話でもないようだ。

 

失政続きでも「岩盤」は堅い

文政権の支持率の下落には様々な原因がある。韓国政府の元高官は、(1)政権末期に入り、新しい政策を打ち出す余裕がなくなり中道層が離れた、(2)不動産価格が高騰したため、20代を中心とした若い世代が離れた、(3)新型コロナウイルスの感染拡大でワクチン購入などが遅れ、全般的に反発が高まっている、(4)検察総長と法相の内紛が続き、国民の間に不安感が広がっている、(5)18年6月に行われた蔚山(ウルサン)市長選への介入疑惑や月城(ウォルソン)原発1号機の廃炉を巡る疑惑などの問題――を挙げた。

逆に言えば、これだけ失政が続いているわけで、しかも政権発足後3年半が過ぎたにもかかわらず4割近い支持を誇っているというのは、驚くべき現象と言えるかもしれない。

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それは、文氏が秘書室長として支えた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(2003~2008年)と比べるとよくわかる。盧武鉉政権も支持率60%を誇ったが、米韓FTA(自由貿易協定)締結問題や韓国軍のイラク派兵問題などを巡って支持率が下落。文在寅政権と同じように、検察改革や不動産問題でも世論の批判を受けた。さらに与党内で盧大統領を支持する勢力と全羅道(チョルラド)を地盤とする勢力の内紛が起きたため、一時は10%余りまで支持率が落ちた。最終的には30%くらいまで支持を戻したが、最後の1年間は20%台にとどまった。

では、文在寅政権を依然、支持するのは、どんな人々なのだろうか?

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