Text by Flic Everett
SNSのインフルエンサーたちは、「ヴィーガンが地球を救い、身体を浄化する」と主張するかもしれない。それでも、動物性食品をいっさい摂らないヴィーガン流の食事法は、「健康の万能薬にはなりえない」と示す研究が発表された。
ヴィーガン雑誌の編集者であり、自身も3年間「ヴィーガン信者」の生活を続けたフリック・エヴェレットの“ある告白”が英「デイリー・テレグラフ」紙に掲載された。
ヴィーガン雑誌の編集者であり、自身も3年間「ヴィーガン信者」の生活を続けたフリック・エヴェレットの“ある告白”が英「デイリー・テレグラフ」紙に掲載された。
ヴィーガンの骨折リスクは約2倍に高まる可能性も
かかりつけ医に勧められた食事療法が骨折のリスクを2倍に高めるとしたら、安心して取り入れられる?
そして、プロレベルの食材調達とNASAレベルの栄養知識が求められる食事療法に、骨格を冬枯れの木のようにするリスクがあるとしたら、誰がどうしてそんな食生活を取り入れるのか不思議に思わない?
今年の11月になり、「動物性食品をいっさい摂らないヴィーガンは、肉を食べる人に比べて骨折のリスクが約2倍に高まる」というオックスフォード大学の学者たちによる研究が学術雑誌「BMCメディシン」に掲載された。
ヴィーガン食にカルシウムやプロテインが不足しがちだからなのか、ヴィーガンが痩せている傾向にあり、転倒の衝撃をやわらげる緩衝材となるものが少ないという事実にもとづくのか、原因は明らかではない。
長期的な研究が始まったのは、ヴィーガン食品が限られたところでしか買えなかった1993年。それが今では、業界全体がアニマルフリーのサプリメントを増やそうと注力していて、ヴィーガンコーナーがスーパーマーケットの通路一面に広がり、埃をかぶった「タッパーウェア」の山から選ぶことは少なくなった。
それでも科学に従えば、補強食品や牛乳、ビタミンやオメガ3のカプセルをよほど計画的に取り入れないかぎり、ヴィーガン食が「必ずしも健康に良い」とは言えないことが、明らかになってきた。
長期的な研究が始まったのは、ヴィーガン食品が限られたところでしか買えなかった1993年。それが今では、業界全体がアニマルフリーのサプリメントを増やそうと注力していて、ヴィーガンコーナーがスーパーマーケットの通路一面に広がり、埃をかぶった「タッパーウェア」の山から選ぶことは少なくなった。
それでも科学に従えば、補強食品や牛乳、ビタミンやオメガ3のカプセルをよほど計画的に取り入れないかぎり、ヴィーガン食が「必ずしも健康に良い」とは言えないことが、明らかになってきた。
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