大和ハウス工業、物流施設でのマスク着用などをAIで自動判定

NO BUDGET

2020-12-04 11:37

 大和ハウス工業は、自社が運用するマルチテナント型物流施設「DPL市川」において、施設内に設置したカメラ映像から利用者のマスク着用や施設内カフェテリアの混雑度を自動で検知する実証実験を開始した。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が技術支援を行っている。

 この実証では、NTT Comが提供するAI(人工知能)映像解析ソリューション「COTOHA Takumi Eyes」を活用する。

 利用者が施設に入館する際に、COTOHA Takumi Eyesがマスク着用の有無を判定し、マスク装着を促すメッセージを当施設入口のモニターに表示する。また、共用スペースであるカフェテリアの混雑度を検知し、エリア別の混雑状況や入場を制限するメッセージをカフェテリア入口に設置されたモニターを介して利用者に伝える。

 NTT Comは、コロナ禍の状況を考慮し、COTOHA Takumi Eyesにはマスク着用の状態でも人物照合を可能とする機能を追加した。この機能を応用することにより、カメラ映像からリアルタイムにマスク着用の有無を検知し、マスクをしていない人物に対して注意を促す「マスク検知機能」を新たに提供する。さらにカメラ映像から予め指定したエリア内の混雑度をリアルタイムに計測し可視化する「混雑度可視化機能」も活用する。

マスク着用判定画面
マスク着用判定画面
混雑度可視化画面と入場制限画面
混雑度可視化画面と入場制限画面

 実証では、マスク未着用の場合、入口付近に設置したモニターにマスク着用を促す警告文を表示することに加え、アラート音を鳴らすことで注意を促す。

 また混雑度可視化機能を使い、当施設のカフェテリア入口付近に設置したカメラの映像を元に出入りの人数をカウントし、あらかじめ設定した人数を超えた場合は同じくカフェテリア入口付近に設置したモニターに警告文を表示する。さらに、アラート音を鳴らすことで注意を促し、利用者の入場を制限する。

 また、カフェテリアのエリアごとに設置したカメラの映像を元に混雑度を計測し、利用者に各エリアの混雑状況をモニターに表示する。モニターではカフェテリアのリアルタイムな映像が確認できるが、個人情報保護のため人物はシルエット表示されない。なお、実証実験で利用するカメラ映像は2カ月間保存・利用し、期間終了後に消去する。

 今後、大和ハウス工業は実証実験の結果を踏まえ、一部のマルチテナント型物流施設にCOTOHA Takumi Eyesを標準で採用することを検討する。またサーマルカメラ連携による利用者の体温測定および発熱者の施設内における追跡や、NTT Comが提供するIoTプラットフォームと各種センサーの組み合わせることで施設内の温度管理を行う仕組みの導入なども検討していく。

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