トヨタ、執行役員50代が中心に 世代交代にらみ
トヨタ自動車は3日、2021年1月1日付の組織改正や幹部人事を発表した。新任執行役員に渉外広報本部副本部長を務める長田准氏(54)ら4人が就任する。同時に3人が退任。9人だった執行役員は10人になり、豊田章男社長を支える経営幹部は50歳代が中心になる。
長田氏の他に新たに就任するのはコネクティッド部門トップの山本圭司氏(59)、製造部門を統括する岡田政道氏(59)、高級車「レクサス」部門トップの佐藤恒治氏(51)。1月以降の10人の執行役員のうち、8人が50歳代以下になる。50歳代を中心とする幹部を昇格させ、業務を通じて次世代の経営を担う人材を育成する。
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執行役員を退任するのは製造担当の河合満氏(72)、技術担当の寺師茂樹氏(65)、情報システムなど担当の友山茂樹氏(62)の3人。いずれもエグゼクティブフェローに就任し、河合氏は生産現場の指導、友山氏は「TPS(トヨタ生産方式)伝道師」といった役割をはたしていく。
トヨタは「100年に1度」と言われる自動車産業の大変革期に合わせて、矢継ぎ早に組織再編や人事変更を繰り出している。11年に取締役の人数を27人から11人(現在は9人)まで減らすなど幹部組織のスリム化を進めてきた。20年4月には豊田社長は「階層を減らすことによって私自身が、次世代のリーダーたちと直接会話をし、一緒に悩む時間を増やすべきだと判断した」として、1982年以来初めて副社長職を廃止し最高幹部を執行役員に一本化。7月には執行役員を23人から9人に減らし役割を明確にした。
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