ロシアが北方領土に防空ミサイル配備か 対艦に続き戦力増強

1日、ロシア軍が公開した千島列島の地対空ミサイルS300V4(ロシア国防省提供・共同)
1日、ロシア軍が公開した千島列島の地対空ミサイルS300V4(ロシア国防省提供・共同)

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアの東部軍管区は1日、長距離対空ミサイルシステム「S300V4」をクリール諸島(千島列島と北方領土)に実戦配備したと発表した。具体的な配備場所は明らかにしていないが、第18機関銃・砲兵師団が展開する択捉(えとろふ)島か国後(くなしり)島の可能性が高い。

 露国防省系テレビ局は同日、「択捉島には既に短距離地対空ミサイル『トール』が配備されているが、新たに重砲が登場した」と伝えた。S300V4は弾道ミサイルや航空機などに対して高い迎撃能力を持つとされる。

 ロシアは2016年、地対艦ミサイル「バスチオン」を択捉島に、同「バル」を国後島に配備し、対艦戦力を向上させた。18年から新鋭戦闘機「スホイ35」を択捉島に常駐させているのに続き、S300V4の配備で対空能力の向上に動いている形だ。

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