三陸の豪商「奇跡の古文書」残った 津波で流出、回収し修復 岩手・大槌

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修復された古文書についての解説を聞く前川寛さん(右)=岩手県大槌町の町中央公民館で
修復された古文書についての解説を聞く前川寛さん(右)=岩手県大槌町の町中央公民館で

 岩手県大槌町教育委員会は、江戸時代の豪商、前川(通称・吉里吉里)善兵衛の本家(同町吉里吉里2)に保管されていた、歴代当主の交流や漁業経営についてつづった古文書を、町の文化財に指定した。子孫の夫婦が保管していたが、東日本大震災の津波で亡くなり、一度は古文書も流された。その後、町民が発見し、修復されていた。【中尾卓英】

 戦国末期、小田原から三陸に逃れて沿岸の漁業権を掌握した豪商の子孫が、代々前川善兵衛と名乗るようになった。四代善兵衛富昌(1691~1763年)は、日光東照宮修復のために7500両を盛岡藩に納めたほか、度重なる飢饉(ききん)で3万2000人以上におかゆを振る舞ったとされる。郷土芸能・虎舞も善兵衛がもたらしたと伝えられている。

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